企業がアーティストへ完成した案を渡し、見た目だけを整えてもらう。それだけでは、異なる思考を迎える意味は小さくなります。番組では、アートと経済を結びつける価値を、売れる作品づくりではなく、企業の前提を揺さぶり、未来を描く視点を増やすことから考えました。
ART THINKING
期待に応える商業思考と、期待を超えるアート思考
番組では、アートはまず自分が喜ぶものを生み出し、そこに他者の喜びが加わるとビジネスになるという見方が示されました。アーティストは芸術や景色、さまざまな体験を取り込み、潜在意識からアイデアを生み出します。
一方、商品として届ける段階では、市場や顧客を捉える商業思考も必要です。VEDUTAの渡邉さんは、期待に応えるだけでなく、慣れた観客の期待を超え続ける創作側と、事業を成立させる側を分けて考えていると語りました。
UNLEARN
固定観念をなくすには、まず固定観念を知る
自由に発想しようとしても、自分が何を当たり前だと思っているか分からなければ、その外へ出ることはできません。番組で紹介されたのは、固定観念をなくすには、固定観念そのものを知る必要があるという考え方です。
既存の型や歴史を学び、そのうえで意識的に破る。アート思考は、知識を持たずに思いつくことではなく、前提を見つけ直すプロセスとして捉えられます。
VISION
不確実な時代に、遠い未来を描く視点
目の前の市場だけを見ても、変化の先にある社会を正確に予測することは困難です。番組では、アーティストが長い時間軸でビジョンを描く特性に注目し、その想像力を経済や社会へ生かせないかが議論されました。
人の心を動かす普遍的なもの、時代背景、社会へ伝えたいことを考える視点は、短期的な収益計画とは異なる角度から企業の未来を照らします。
PRACTICE
創作を続けるために、商業の基盤を分けてつくる
渡邉さんは、和服をストリートブランドとして高めるVEDUTAの活動と並行し、成長するゴルフ市場でアパレルの業務委託を受ける実践を紹介しました。需要喚起に時間がかかる大きな目標を持ちながら、生活費、制作費、プロモーション費を生む商業の仕事も行う方法です。
創作と収益を一つの商品だけで同時に成立させようとせず、役割を分けて循環させる。その設計が、長期的な表現を続ける足場になります。
COLLABORATION
アーティストに答えではなく、異なる視点を求める
企業とアーティストの協働では、企業が用意した案を形にしてもらうだけでなく、『あなたならどう考えるか』を問い、構想の段階から参画してもらうことが提案されました。目的は、成果物にアートらしさを足すことではなく、企業だけでは持ちにくい視点を入れることです。
収益という要件から一度離れると、哲学、時代背景、社会へ伝えたいことが議題に上がります。SDGs、エシカル、ESG、ウェルビーイングなど、企業が経済価値だけでは語れないテーマへ向き合う現在、アーティストとコンセプトやビジョンをつくることは、企業価値を考え直す機会になります。
番組が導き出した要点アーティストと、企業のコンセプトビジョンをつくる。
PRACTICE
実践のための4つのステップ
自社の固定観念を言葉にする
業界の常識、顧客像、収益条件など、無意識に置いている前提を明らかにします。
構想段階からアーティストを迎える
完成案の装飾ではなく、問いや目的を共有し、異なる視点を求めます。
長期ビジョンと社会への意味を描く
短期の売上だけでなく、未来に何を残し、人の心をどう動かすかを考えます。
創作と商業の持続可能な関係を設計する
表現を続ける活動と収益を生む活動の役割を整理し、互いを支える循環をつくります。
WATCH THE PROGRAM
アートと経済が交わる瞬間を、番組本編で
アート思考、VEDUTAの実践、企業とアーティストの協働まで。具体的な経験から企業価値のつくり方へ広がる議論を、ぜひ動画でご覧ください。







