COCOAS KIDS Online After School
株式会社COCOAS | 教育 | 4ヶ月
日本にいながら、送り迎えなしで、全国どこからでも、年間最大850時間、オールイングリッシュで過ごす「オンライン放課後」。
インターナショナルスクールや英語保育園を卒園した子どもたちのために、学びを止めない“第2の放課後”をメタバース空間で提供するプラットフォームを開発しました。
アートリーは、2Dメタバースの企画・設計・開発から、子どもの行動設計、保護者・運営目線の管理機能まで一気通貫で担当し、教育事業の新しい収益モデルと継続率向上を両立する「オンライン英語学童」を形にしています。
全国どこからでもアクセスできる、オールイングリッシュの“オンライン放課後”
「COCOAS KIDS Online After School」は、インターナショナルスクールや英語保育園を卒園した子どもたちが、英語力を維持・向上させることを目的としたオンライン英語学童プログラムです。
ブラウザベースの2Dメタバース空間に、子どもたちが放課後ログインすることで、全国どこからでも年間最大850時間のオールイングリッシュ環境を提供できる仕組みを構築しました。送り迎えの負担や居住エリアによる制約を受けず、日本にいながら“放課後留学”を実現できる、新しい教育サービスのかたちです。
アートリーは、COCOASのブランドカラーやメッセージを基点に、世界地図をモチーフにした教室空間や、子どもたちが自然に英語でコミュニケーションしたくなるUIを設計。教育サービスとしての信頼感と、学童サービスとしての楽しさを両立するオンラインキャンパスをデザインしました。
卒園後の英語環境の断絶を埋める、“学びを止めない”インフラづくり
インターナショナルスクールや英語保育園を運営する事業者にとって、大きな課題のひとつが「卒園後の英語環境の断絶」です。
小さな頃から英語に親しんできた子どもたちも、小学校入学を機に英語を使う機会が一気に減り、せっかく育てた語学力が数年で薄れてしまう──多くの家庭が抱える共通の悩みでした。
通学型の英語学童では、教室の立地や送り迎えの負担、定員などの制約があり、全国規模で継続的な英語環境を提供するには限界があります。
そこでCOCOASは、「校舎を増やす」のではなく、「オンライン上にもうひとつの放課後の居場所をつくる」という発想へシフト。卒園後もブランドの世界観の中で英語に触れ続けられる“学びのインフラ”として、本プロジェクトがスタートしました。
アートリーは、教育現場の運営視点と、保護者の安心感、子どもの体験価値の3つを同時に満たすことをゴールに設定し、要件定義からサービスデザイン、機能設計まで伴走しています。
“世界とつながる放課後”をつくる、ブランド起点のメタバース空間デザイン
メタバース空間のデザインでは、子どもたちが「教室」でもあり「遊び場」でもあると感じられる、ちょうど中間の体験を目指しました。
画面を開いた瞬間にワクワクを感じられる色彩設計、読みやすくやさしいフォント、過度になりすぎないアニメーションで、COCOASブランドが持つ明るく前向きなトーンをオンラインでも再現。世界地図やアイコンをレイアウトすることで、「ここから世界につながっていく」というイメージを自然に想起できる空間としました。
UI設計では、
・直感的にわかる操作性
・探検したくなる画面構成
・子ども同士のコミュニケーションのきっかけ
を重視。メニューやボタンはシンプルに保ちながら、エリアごとに“発見の余白”を残すことで、子どもたちが自分で歩き回り、英語で会話しながら学びを深めていく体験をデザインしています。
アバターとキャラクターでつくる、「自分らしさ」と「一体感」の両立
オンライン空間であっても、「自分はここにいる」と感じられることは学びのモチベーションに直結します。
そこで本プロジェクトでは、生徒用・教員用それぞれに複数のアバターを用意しました。
・生徒用:通常アバター4種+キャラクターアバター2種
・教員用:役割がひと目で伝わる専用アバター
COCOASのオリジナルキャラクターをアバター用に再編集し、ブランドの世界観を崩さずに“なりたい自分”を選べる仕組みを構築。キャラクター選びが会話のきっかけになり、「同じ空間で過ごしている仲間」としての一体感を育む設計としています。
ログイン、学習、見守りをつなぐ──継続率を高めるゲーミフィケーションと運営機能
「COCOAS KIDS Online After School」は、単に英語を“学ぶ場所”ではなく、「英語で過ごす放課後」というコンセプトから逆算して機能を設計しています。
継続を支えるポイント・ゲーミフィケーション
・ログインポイント機能
毎日の初回ログイン時に自動でポイントを付与し、「今日も参加できた」という小さな達成感を積み上げていきます。
・ポイント管理・交換機能
貯めたポイントはオリジナルグッズと交換可能。運営画面から生徒ごとのポイント付与を調整できるため、参加状況や態度に応じた柔軟な運用が可能です。
これらの仕組みによって、英語学習を「やらされる宿題」から「自分で続けたくなる日課」へと転換し、解約率の低減やLTV向上にもつながる土台をつくっています。
保護者の“見える安心”と運営効率を両立する管理機能
・保護者向けログイン通知メール
子どもがメタバース空間にログインしたタイミングで、保護者にメールを自動送信。共働き世帯や在宅時間が限られる家庭でも、「今、オンラインで放課後を過ごしている」状態をリアルタイムに把握できます。
・会員アカウント利用制限機能
学費の入金状況や契約プランに応じて、運営側でアカウントの利用可否を制御。教育機関としての信頼性を守りつつ、運営負荷を下げることができます。
・ゲスト用ID・PASSの発行機能
会員以外でも期間限定で空間を体験できるゲスト機能を実装。体験会や営業活動にも活用でき、サービス導入前の不安解消にも寄与します。
ログイン、学習、報酬、見守り、運営管理までをひとつのフローで設計することで、「家庭・学校・オンライン」がシームレスにつながる新しい放課後体験を実現しています。
教育DXのショーケースとして──リアルとバーチャルをつなぐ次世代型プラットフォームへ
この取り組みは、2025年10月7日付の中部経済新聞にて「メタバースで放課後留学 語学力維持へ提供」として紹介され、教育とテクノロジーを掛け合わせた先進事例として評価されています。
今後は、オンラインのメタバース空間と、COCOASの各校舎で行うイベントやショートコースを連動させた、ハイブリッド型の学習体験へと拡張予定です。
オンラインでつながった仲間とリアルで出会える機会を設計することで、子どもたちの学びと成長を長期的に支える次世代型教育プラットフォームへと進化していきます。
アートリーは、メタバース空間の開発だけでなく、アクセス解析や行動データをもとにした改善提案を通じて、教育DXのパートナーとしてCOCOASとともにプラットフォームの価値向上に取り組んでいます。
