薬学ゼミナール メタバース予備校
学校法人医学アカデミー | 教育 | 6ヶ月

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通わなくても、つながれる教室へ──薬学生のためのメタバース予備校

薬剤師国家試験に挑む学生向けの予備校「薬学ゼミナール」の新規プロジェクトとして、メタバース空間を活用した“メタバース予備校”を開発しました。

従来のオンライン授業では、教室に通っているような臨場感が得られず、仲間や教務スタッフとの雑談や相談がしづらいことから、学習環境が孤立しやすいという課題がありました。特に地方や離島の学生にとっては、リアルな予備校で得られる仲間との切磋琢磨や精神的な支えが不足し、モチベーションを維持しづらい状況が続いていました。

この課題を解決するため、仮想キャンパス内に生徒同士が自然に交流できる空間を設計。授業を受けるだけではなく、雑談や相談がしやすいコミュニケーションの導線を再現しました。加えて、学習意欲を持続させるポイントシステムや称号機能を導入し、オンラインならではの利便性と学びの楽しさを両立させています。

場所にとらわれず、質の高い学習機会と仲間との出会いを提供するこのメタバース空間は、オンライン教育の課題を解決し、従来の予備校の価値をデジタル空間で再現する新しい取り組みとなりました。

学びに集中できる3つのゾーンで構成された“仮想キャンパス”

メタバース空間上のオンライン校舎は、「ロビー」「教室」「自習室」の3つのエリアで構成されています。

まず、玄関口となるロビーでは、教務員の在室状況やその日の授業スケジュールをひと目で確認できるようになっており、授業への導線もここに集約されています。オンラインでありながら「誰かがそこにいる」感覚を大切にし、学習者に安心感と自然な行動のきっかけを与える設計です。

教室エリアでは、Zoomを連携した授業が実施され、事前に掲示された案内から入室する流れとなっています。授業が終了すると、仮想空間内では自動的にロビーへリダイレクトされる仕組みが取り入れられており、授業後の自然な動線も保たれています。

そして自習室は、通話やチャットをオフにした静かな環境でありながら、同じ空間で他の学生も自習に取り組んでいる様子が感じられる設計となっており、「ひとりで頑張っているわけじゃない」という心強さを提供します。ここでは、アーカイブ動画の購入・視聴や、一問一答式の演習にも集中して取り組むことができ、自習学習の場としての没入感と、さりげない一体感の両立が図られています。

行動が学習意欲に変わる「ポイントシステム」

このメタバース空間では、学生の行動を可視化し、継続的な学習へのモチベーションに変えるポイントシステムが導入されています。
毎日のログインや授業への参加など、学習活動に応じてポイントが付与され、そのポイントは有料授業の受講やアーカイブ動画の購入、一問一答演習の開放などに使用可能。ゲーム感覚で継続しやすい環境を作ることで、特に自宅学習にありがちな“気持ちの停滞”を防ぐ仕組みが整っています。

授業参加の流れと決済システムもスムーズに

授業はZoomをベースに実施され、開始15分前から教室に入室可能です。有料授業については、リリース段階ではポイントによる決済に対応しており、クレジットカードなどの外部決済手段は今後の導入を予定しています。

また、授業終了から10分後には、仮想空間内で自動的にロビーへ移動するリダイレクト機能も搭載されています。これは、前の授業に参加していた生徒が教室内に残り続けることで、次の授業が円滑に開始できないといった混乱を防ぐための仕組みです。

教務員・講師との連携も“オンラインらしくない”自然さ

ロビー上には、“現在オンライン中の教務員の一覧がリアルタイムで表示されており、どの教務員が対応可能かが一目でわかります。アバターを通じた視覚的な存在感も相まって、学生にとっては「近くに先生がいる」という安心感が生まれます。

授業の合間や放課後のような感覚で、気になることをその場で相談できる空気感があり、「オンラインだけど、ひとりじゃない」と思えるような、自然なコミュニケーションが促される設計です。

学習をもっと楽しく──ゲーミフィケーション要素の導入

一問一答クイズで日々の演習に遊び心を
学習の習慣化を促すために、一日ごと、固定、ランダムといった形式で出題される「一問一答クイズ」を実装。正答数に応じてポイントがもらえるだけでなく、一定数の問題ごとにスポンサー広告を表示する仕組みを取り入れ、サービスを持続的に提供できるモデルとして成立させています。

称号とアバターで“自分だけの学び場”を実感
学習成果やイベント参加に応じて特別な称号を付与する機能も開発。アバターの頭上に表示される称号が、学習空間での“自分の肩書き”となり、愛着を持って通い続けたくなる仕組みをつくっています。

運営とサポート体制の工夫

CMSによる授業情報やお知らせの一元管理、チャットログや入退室履歴の記録により、学習状況が可視化され、運営面でもスマートな対応が可能です。さらに、4人掛けのプライベート通話空間を備え、講師との1対1や少人数での相談が行える環境を整備。ビデオ通話やチャットを活用しながら、落ち着いた雰囲気で学習相談ができるように設計されています。

「ただのオンライン」から「ずっと学びたくなる空間」へ

単なるオンライン授業を超え、学習を継続できる空間をデザインする──その思想を形にしたのが、このメタバース予備校です。AIによる学習支援機能の拡充など今後のアップデートも予定されており、“もうひとつのキャンパス”として、学びを支える新しい選択肢が現実のものになりつつあります。