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伝燈LIVE実行委員会 |
寺社・伝統文化|文化イベント・観光DX
施策サマリー
ライブツアー企画 / 番組構成・台本 / 撮影ルート設計 / インフルエンサーキャスティング / 移動撮影 / 通信回線設計 / ライブ配信 / 自社配信アプリ / チャット・サーベイ・投げ銭 / メタバース連携
2022年10月10日、比叡山延暦寺で初となるオンラインファッションショー「VEDUTA COLLECTION」を含むオンラインイベント「伝燈LIVE」が開催されました。その一環としてARTORYが制作したのが、Z世代のナビゲーター、住職、MCとともに東塔エリアを巡る生番組「ライブツアー」です。
目的は、寺院の情報を一方的に解説することではありません。視聴者が出演者と一緒に境内を歩き、会話を聞き、リアルタイムで反応しながら、仏教文化や日本の歴史を体験的に学べるコンテンツにすることでした。
一方で、標高約670mに位置する比叡山延暦寺の東塔エリアは、移動型のライブ配信にとって厳しい環境です。広い境内で通信回線を維持し、機材・照明・音声・バッテリーを運びながら、番組として安定した品質を保つ必要がありました。
ライブツアーでは「誰が巡るのか」が、企画の成否を左右します。当初は国内外への発信を見据え、日本文化に詳しいオランダ人YouTuberの出演を検討していましたが、スケジュールが合わず、キャスティングは難航していました。
転機が訪れたのは開催の約1週間前です。大阪の展示会で、映像制作会社に勤務しながらTikTokで110万人以上のフォロワーを持つアヤノダガネ氏と出会い、出演が決定しました。
Z世代らしい明るさと発信力を持ちながら、歴史ある寺院にふさわしい慎ましやかな人柄も備えていたことが、企画と合致しました。MCの井戸萌氏、小寺照哉住職とともに、若い視点で比叡山の文化を受け取り、視聴者へ橋渡しするナビゲーターを担いました。
ライブツアーでは、出演者とともに技術スタッフ5〜6名が境内を移動しました。カメラ、照明、音声に加え、移動中のケーブル処理、バッテリー管理、通信状態の確認など、複数の役割が連携して番組を支えています。
スマートフォン一台で届ける機動的な配信とは役割が異なり、今回は番組としてパッケージ化。出演者の発信力を生かしながら、安定した映像・音声と構成を提供しました。
ARTORYは企画段階から、イベントコンセプト、キャスティング、撮影ルートを落とし込んだ台本、移動経路に沿った通信回線までを設計しました。現場で起きる不確実性を事前に洗い出し、チーム全体で対応できる配信体制を構築しました。
配信にはARTORYが自社開発したアプリを使用しました。独自のインターフェースだからこそ、番組の目的に応じた参加機能を柔軟に組み込めます。
例えば、視聴者へ問いかけるサーベイ、出演者と交流するチャット、応援を可視化する投げ銭などを導入できます。東京ビッグサイトでの「出張ARTORY ACADEMIA」で開発したクイズ・サーベイの知見も活用し、単に映像を見るだけではない視聴体験へ拡張できる設計です。
現地を巡る出演者と、画面越しの視聴者の間にリアルタイムの反応を生み出すことで、観光案内動画ではなく、今その場で一緒に歩いている感覚をつくりました。
「伝燈LIVE」では、オンラインの基盤としてメタバースプラットフォーム「比叡山バーチャル延暦寺」も公開しました。参加者はアバターでデジタル上の境内を散策し、他の参加者とチャットできます。
イベント当日に配信された「VEDUTA COLLECTION」「伝統ライブコマース」「ライブツアー」の3番組は、バーチャル延暦寺からアクセスできるように設計しました。
リアルの寺院、ライブ番組、メタバースを別々のコンテンツにせず、一つのオンラインイベントとして接続。世界中の参加者が入口となるバーチャル空間を歩き、関心のあるライブ体験へ移動できる、新しい文化観光のモデルをつくりました。
比叡山延暦寺は、平安時代の精神文化の発祥地として、日本仏教における重要な拠点です。ライブツアーでは、歴史や文化を伝えるだけでなく、重要文化財の内部を含む、これまでテレビ局でも実現していなかった領域からの発信にも挑戦しました。
Z世代のナビゲーターが若い世代にも身近な視点から問いかけ、住職が背景を語り、番組制作チームが安定した映像と音声で届ける。それぞれの専門性を組み合わせることで、文化財の価値を専門家だけの知識にせず、若い世代にも入りやすい体験へ翻訳しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜZ世代インフルエンサーか | 若い世代と近い視点で歴史・仏教文化を受け取り、専門情報への入口をつくるため |
| なぜ複数名の技術チームか | 標高約670mの東塔エリア(根本中堂・阿弥陀堂周辺)を移動しながら、映像・音声・照明・通信・電源を安定させるため |
| なぜ台本とルートを一体設計するのか | 番組の物語と、通信・機材運用上の成立条件を同時に満たすため |
| なぜ独自配信アプリか | チャット・サーベイ・投げ銭などを企画に合わせて追加し、視聴者を参加者へ変えるため |
| なぜメタバースと連携するのか | 複数の配信と文化情報を一つの入口にまとめ、世界から回遊できるオンラインイベントにするため |
ライブツアー企画 / 番組コンセプト / インフルエンサーキャスティング / MC・住職出演 / 台本制作 / 撮影ルート設計 / 通信回線設計 / 移動撮影 / カメラ・照明・音声 / ケーブル・バッテリー管理 / 自社配信アプリ / チャット・サーベイ・投げ銭 / メタバース連携 / 現地ライブ配信
ライブツアーによって、視聴者は比叡山延暦寺の歴史を説明として聞くだけでなく、ナビゲーターと住職の対話を通じて、境内を一緒に巡る体験に触れられるようになりました。
本事例の成果は、単一の視聴数ではなく、標高約670mの東塔エリア(根本中堂・阿弥陀堂周辺)で、出演者と技術チームが移動しながら番組品質を安定させたことです。番組構成、撮影ルート、通信、電源、機材、人員配置を別々に考えず、一つの運用として設計したことが、移動型配信を成立させました。
この制作モデルは、寺社や文化財に限らず、美術館・博物館、広大な観光施設、ジオパーク、工場見学、地域回遊イベントなど、「場所の価値を遠隔地へ体験として届けたい」観光施設や自治体のプロジェクトへ応用できます。