お問い合わせ
お気軽にご連絡ください
制作のご依頼はもちろん、サービスに関するご質問や、
まだ具体化していない段階でのご相談
も承ります。お気軽にご連絡ください。
INDEX
事例紹介
MEDIA
株式会社アートリー(自社プロジェクト) |
寺社・伝統文化|伝統工芸・文化イベント
施策サマリー
ライブコマース企画 / 番組構成 / 野点演出 / 伝統工芸作家キャスティング / 多言語同時通訳 / 独自配信アプリ / EC・決済 / チャット・スタンプ / サーベイ / 現地撮影・ライブ配信
2022年10月10日、1,200年の歴史を持つ比叡山延暦寺で、同寺初のオンラインイベント「伝燈LIVE」が開催されました。その中でARTORYが挑戦したのが、伝統工芸の担い手と文化を世界へ届ける「伝統ライブコマース」です。
伝統工芸品は高価格なものも多く、写真・価格・仕様を並べただけでは、購入の理由が伝わりにくい商品です。どのような思いで作り、どんな技術や歴史を受け継ぎ、現代の課題へどう向き合っているのか。作り手の顔と物語を知って初めて、物の奥行きが見えてきます。
また、世界遺産からライブコマースを配信する以上、単なる通信販売ではなく、その場所で行う意味と文化的なメッセージを持つ企画にする必要がありました。
企画の着想は、豊川稲荷「YORU MO-DE」で実施したオンライン奉納「ねがいごと花風鈴ライブコマース」にありました。その経験を発展させ、比叡山延暦寺では伝統文化を発信するライブコマースのパッケージを構築しました。
中心的な演出として採用したのは、屋外で茶の湯を楽しむ伝統的な茶会「野点」です。全国から集まった職人が、茶の作法を学び、互いに会話しながら持ち寄った作品を紹介する番組として構成。商品のスペックを順番に説明するのではなく、茶を囲む時間の中で、文化・技術・人柄が自然に伝わる場をつくりました。
野点の実現にあたっては、宮城県の老舗茶舗「茶匠 矢部園」の矢部亨氏を招聘。日本茶を現代的に再解釈し、その価値を広める活動を続ける茶の匠が、番組全体の文化的な軸を担いました。
出演者には、陶芸家で、とこなめ焼協同組合理事長を務めた渡辺敬一郎氏をはじめ、伝統を現代へつなぐ実践者を迎えました。渡辺氏は内閣総理大臣賞の受賞や、天皇御即位の「大響の儀」への作品献上などの実績を持ち、常滑焼の研究を20年以上続けています。
さらに、伝統的なお灸を美容の文脈で再解釈するYojoLabo®の内藤初美氏、貴金属を扱う株式会社菊川、BECOSで取り扱われる伝統工芸ブランドなどへ出演を依頼しました。
選定基準は、歴史ある技術を持っていることだけではありません。その価値を現代の生活へ翻訳し、新しい文化をつくろうとしていること。伝統の革新という共通テーマを持つ作り手を集めることで、番組全体に一貫したメッセージを持たせました。
番組で重視したのは、短時間の販売額よりも、伝統工芸品を「物語」として知ってもらうことです。陶芸家や茶匠が作品を手に取り、素材、技法、文化的背景、制作に込めた思想を本人の言葉で語りました。
ECサイトは効率よく購入するには便利ですが、なぜその作品が生まれ、どのような社会課題を意識しているのかまでは伝わりにくいものです。ライブコマースなら、視聴者は作り手の顔を見て話を聞き、チャットで反応し、価値を理解した上でその場で購入できます。
参加した陶芸家や茶匠からも、取り組みを継続してほしいという評価が寄せられ、伝統工芸を知ってもらうコンテンツとして手応えを得ました。
配信にはARTORYが独自開発したライブコマースアプリを使用しました。海外の視聴者へ作り手の言葉と文化的背景を届けるため、多言語同時通訳機能を組み込み、グローバル視聴を前提に設計しました。
配信当日は、50を超える国と地域から接続があり、世界遺産・比叡山延暦寺から日本の伝統文化を国際的に発信しました。
独自アプリだからこそ、購入機能だけでなく、リアルタイムのサーベイ、チャット、スタンプ投稿なども企画に合わせて実装できます。番組内容、視聴者との関係、販売方法に応じて機能を組み替え、文化発信と商業体験を一つのプラットフォームに統合しました。
ライブコマース会場のそばには、赤くライトアップされた比叡山延暦寺・法華総持院東塔がそびえ立ちます。1,200年にわたり文化と信仰を受け継いできた場所で、現代の技術を使って伝統を世界へ届ける。その対比自体が、伝統を守るために新しい表現へ挑戦するというプロジェクトのメッセージになりました。
場所を単なる美しい背景として消費せず、歴史、出演者、番組演出、配信技術を一つの文脈で結びつけることで、比叡山延暦寺で行う必然性を持つライブコマースに仕上げました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| なぜ野点なのか | 茶を囲む対話と所作を通して、商品説明では伝わらない日本文化と作り手の人柄を見せるため |
| なぜ作り手本人が出演するのか | 技法・思想・社会課題を本人の言葉で語り、工芸品を物ではなく物語として理解してもらうため |
| なぜ多言語同時通訳か | 日本語の壁を越え、海外視聴者へ文化的背景までリアルタイムに届けるため |
| なぜ独自アプリか | 購入・チャット・スタンプ・サーベイ・通訳など、企画に必要な体験を一つに統合するため |
| なぜ比叡山延暦寺か | 日本文化を受け継いできた世界遺産から発信することで、伝統の再解釈に場所としての意味を与えるため |
文化発信コンセプト / ライブコマース企画 / 番組構成 / 野点演出 / 伝統工芸作家・茶匠キャスティング / 出演交渉 / MC進行 / 独自ライブコマースアプリ / 多言語同時通訳 / EC・購入導線 / チャット・スタンプ / サーベイ / カメラ・音響・配信オペレーション / 世界遺産からのライブ配信
本プロジェクトは、伝統工芸品をオンラインで販売するだけの取り組みではありません。野点という文化的な演出の中で、作り手が自らの言葉で技術と思想を語り、視聴者がリアルタイムで反応し、理解した上で購入できる場をつくりました。
多言語同時通訳と独自配信アプリによって、世界遺産からの発信は50を超える国・地域へ到達。日本の伝統文化を海外へ届ける際に立ちはだかる、言語、IT、販売、コンテンツ制作の壁を一つのチームで横断しました。
文化資源をそのまま保存するだけでなく、現代の技術とメディアで再解釈し、新しい接点をつくる。文化と商業を融合したマーケティングの可能性を、比叡山延暦寺から実証しました。