
2022.06.30 放送分
【ESG経営】企業が求められるESG経営とは?
第87回アートリーアカデミア
THEME
【ESG経営】企業が求められるESG経営とは?
2022年3月、国土交通省は不動産分野におけるESG投資促進検討会の中間とりまとめを公表しました。背景には、投資家が投資先にESGへの配慮を求める動きが拡大しているなか、2023年度を目処に防災や子育て支援など社会分野に特化した不動産の評価基準を設けることで、不動産分野の投資を後押しする狙いがあるようです。企業が求められるESG経営とは?アートリーアカデミアでソリューションを見出します。
TOPICS
ニュースの話題
- 佐藤
- 始まりました。アートリーアカデミア。
- 井戸
- 本日のテーマはこちらです。「ESG経営。国土交通省 不動産分野にESG投資促す。今年(2022年)3月、国土交通省は『不動産分野におけるESG投資促進検討会』の中間とりまとめを公表しました。背景には、投資家が投資先にESGへの配慮を求める動きが拡大している中、 2023年度をめどに、防災や子育て支援などの社会分野に特化した不動産の評価基準を設けることで、不動産分野の投資を後押しする狙いがあるようです」
- 佐藤
- 「ESG経営」ということで。まずはニュースについて(の補足をお願いいたしましょうか)。
- 蒲生
- ニュースで挙がっていた「ESG投資」というものは、「『環境』『社会』『ガバナンス(企業統治)』の三要素を考慮している不動産分野の企業に積極的に投資を行おう」みたいなことでして。ちなみに、「ESG投資促進検討会」とは、国土交通省が主導する「ESGに配慮した不動産分野の企業に投資をしていく上での価値を提唱するための会」です。
- 佐藤
- ESGを考慮している不動産系企業であることを踏まえてということだよね? 要は「そうした(ESGに重点を置いている)企業を高く評価していこう」みたいな話だよね?
- 蒲生
- おっしゃる通りです。
- 佐藤
- どうですか(原)先生。今回のニュースに関しては。
- 原
- 検討会の動きは「ずっと見てきた」わけですけど。「SDGsの延長線上で考えていかなければ、『より良い社会にならない』という前提になりつつあるんだな」とは思いました。
- 佐藤
- 2人(七菜子とナベちゃん)はどうですか ?
- 久田
- 「SDGs」と「ESG」の違いは「どこ」ですか?
- 佐藤
- 「SDGs」は、「持続可能な社会を実現していくための17個の目標」だよね? 一方、「ESG」は 「Environment(環境)」だから、「地球全体を含めた環境」だろうね。それから「Social(社会)」なら、「男女不平等をなくそう」であったり。最後の「G」は「Governance(企業統治)」のことだから、「企業の理念や姿勢」だろうね。要は「PRI:責任投資原則」を踏まえて、「ESGを経営に掲げていきましょう」みたいなことだよね。つまり、「進行方向としては一緒」なんだよ。要するに、「SDGsは実現させるためのミッションパート」で、「ESGはSDGsを踏まえて、企業が『力を入れていくことを示していく』提示パート」に当たるわけだよ。だけど、それだけに留まらず、「投資家から見れば指標になる」し 企業とっては「課題を見つけるための観測地点」と言うか……。
- 蒲生
- 詰まるところ、「ESGに力を入れていけば、SDGsの目標を自然と達成できるよ」みたいな話です。要は「 ESGは企業が主語」なんです。一方、「SDGsは国連が提唱する」 ……。そうは言っても、「どちらも国連が発信している概念」ではありますが。だから要するに、「SDGsは国際的に達成すべき目標」で……。
- 佐藤
- 一言でまとめれば「どちらも社会問題」だよね?
- 蒲生
- そうなりますね。最終的にまとめると、「ESGは『環境』『社会』『企業統治』の3点を重んじたビジネス活動をしていこう」みたいな……。結局は主語が「社会」か「企業」かの違いであって……。
- 佐藤
- 「主語が変わると視点も変わる」から。「取り組みやすくなってくる」かもしれないよね。要は、「不動産分野は基本的に『中長期的になりやすい』」と言うか「『短期間での売買』みたいな話はあまりない」わけだから。例えば、「不動産投資の一環でビルを建てる」にしても、(先のことまでを見据えた)「中長期的な戦略は必要になってくる」から。つまり、「今回のシンポジウムか何か(※『ESG投資促進検討会』のこと)」は、「単純な土地価格だけを見る」のではなく、「『企画趣旨や戦略を踏まえて、なぜこの場所を開発していく必要があるのか?』までを考えた上で不動産投資をしていかなければダメだよね」という話だよね?
- 蒲生
- 「不動産そのものに価値があるわけではなく、その地域の環境や社会などに密接に触れ合う分野として不動産がある」と言いますか……。
- 佐藤
- おそらくそんなところでしょうね。
- 蒲生
- だから「不動産分野に対して特別にシンポジウムを開いた」わけです。
- 佐藤
- つまりは「不動産投資家に対する理解を促進させた」わけだよね? 「SDGsだけじゃなくてESGまで踏まえて投資していきなさいよ!」みたいな。言い換えると「行政は投資家たちをESG投資でリードしていきたい」わけだよね。結局は「投資家がお金を動かす」わけだから。とは言え、「お金を動かす」には「企業による経済活動が必須になってくる」から。そうなると「企業側も投資家に向けて、良いアピールをしていくためにもESG経営に取り組まなければならない」という構図もでき上がってくるよね。
- 久田
- 分かりやすい!
- 佐藤
- ありがとうございました。渡邉さんは話を聞いていてどうですか?
- 渡邉
- 勉強になりました。
- 佐藤
- 要は「ブランドの理念や課題も伝わりやすくなる」かもしれないよね。例えば、「環境課題にはこんな具合で取り組んでます」であったり、「ソーシャル(社会)は〜」や「ガバナンス(企業統治)としては〜」みたいな……。詰まるところ、「分かりやすくなってくる」わけだよね?
- 蒲生
- ニュースでは、「23年にESGに対する特別な評価」が……。
- 井戸
- そうですね。「評価基準を設ける」との……。
- 蒲生
- 実際、アメリカの株式市場では「ESG指数を格付ける会社」もできていて。だから(アメリカで行なわれているような流れが)、「日本にも取り入れられることで浸透していく」だろうとは……。
- 佐藤
- 要するに、「具体的な企業活動」に「ESGがイメージとして付加される」と考えれば、「SDGsに対する取り組みで点数を付けられる」と言うか「数値化されていく」わけだから。「非常に良い」し、「指標ができることで活動しやすくなるから構わない」ように思いますけれども。……そろそろ課題も見ていきましょうか。
TOPICS
フリップ解説
- 井戸
- 「ESG経営。課題:ESGが企業に浸透するには?」
- 佐藤
- 「ESG経営が企業に浸透するには?」ですが。結論としては「SDGs前提で考えれば分かりやすいよね」になるけれど。だけど、「そもそもSDGsって何やねん!」みたいな企業が多いから。だから、その(SDGsへの認知度が低い)状況をほったらかしにしたまま、続け様に「ESG」と言ったところで、「それ何?」と言うか。「さらに分からなくなる」だけのような……。
- 原
- おそらく「そうなる」ように思います。
- 佐藤
- そうだよね。……「フリップがある」とのことなので、 一旦見てみましょう。
- 井戸
- 「ESG経営の取り組み」の資料です。(項目が)「環境」「社会」「企業統治」の3つに分かれていまして、
- 佐藤
- 今回は(フリップの内容も)「非常に分かりやすい」よね。話の本題に入っていくとすると、「これら3つ(ESG)を重視していることを評価されるようになっていく」となると、特に上場企業であれば、「機関投資家からの見られ方」も変わってくるだろうから、「すごく重要な感じになってくる」のかな?
- 原
- 「ESGが今後経営に取り入れられていく」として。しかも、「上場企業」となると、おそらく「東証プライム」クラス辺りになってくるかと。さらに言えば、「前提条件」は「売買」ではなく、「会社の価値に貢献すること」が「増えてくる」でしょうから。投資家にとっては、「さらに高いところから(俯瞰的に)見ていくこと」が「色濃くなっていく」でしょうね。そうは言っても、これ(ESG経営)を決断するにも、「財務諸表を見るだけ」でなく、「会社の内部を見ていく必要がある」ので、「判断してから決定するまでが結構長くかかる」ものでして。だから結果として、「必要なお金の量も増える」ことから、「配当として求められる要素が大きくなる」でしょうから、「国内でもどんどん広がっていく」かもしれません。
- 佐藤
- 要するに、「正しい判断ができるようになる」わけだよね。言うなれば、「本当にサステナブルな企業を見極める」というか。……そもそも、「これ(ESG)が全てできていなければ、サステナブルもできない」わけなので……。
- 原
- そうですね。「社会の目がより厳しくなる」わけですから、「誰もが興味を惹かれる」のでしょう。
- 佐藤
- 実際、うち(アートリー)も「ESGは意識して」いて。例えば、「これから渡邉さんとやっていこうとしている比叡山の件(※当時は『比叡山延暦寺 VEDUTA COLLECTION×伝燈LIVE』が水面下で進行していた)で言えば、「文化創生的なことは、社会に関わってくる」から……。企業によって「取り組みやその発信方法は変わってくる」とは思うけど、原則としてあるのは、「三方よし」や「八方よし」の経営……。要は「Win-Winはもう古い」んだよ。今は「ステークホルダーを本当に大切にしていく」と言うか。「従業員」や「取引先」、「 社会」に「 行政」、はたまた「 企業自身」まで含めた「すべてがハッピーにならなければならない」と言うべきか。要するに「Win-Win」ではなく「Win-Win Win-Win Win-Win Win-Win」の状態を作らなければ、「 今後は生き残れない」わけだから……。
- 久田
- 欲張りだな!
- 佐藤
- 詰まるところ、「そこ(ステークホルダー全員が納得できる状況)まで考えなければならない時代になってきている」わけだよね。だからそれ(ステークホルダー全員が納得できる状況)ができないと「淘汰されていく」と言うか……。
- 久田
- 要するに、「結局、視野が狭いよね」みたいになるかもしれないわけですよね?
TOPICS
テーマ討論
- 佐藤
- そういうこと。言わば、「自分たちさえ良ければそれで構わないのか?」だろうね。これまでの「Win-Winの状態」では「私とあなた以外は置いてけぼり」だから。……そろそろ課題に戻っていきましょうか。(今回の課題が)「ESGが企業に浸透するには?」でしたが。敢えて言うなら、今までの話では「ガバナンス」の要素が「些か分かりにくい」気がするけれど。とは言え、上場企業であっても「横領」などの企業の不正は「結構ある」わけだから。だから「ステークホルダー」で考えれば、「従業員や株主、取引先などに不信感を抱かれるようなことはやめましょう」みたいにはなるわけで……。
- 原
- むしろ「きちんと開示しましょう」と……。
- 佐藤
- だから「そういうこと」だろうね。改めて「ESGが企業に浸透するには?」ですが、何かアイデアはありますか?
- 原
- それこそ「中小企業に影響を与える話」になりますよね。「今後起こり得る」だろうと思っているのが、『帝国データバンク』や『商工リサーチ』などの調査会社に「敢えて資料を出していくことが増えていくこと」なんですよ。そうやって、「自発的に会社評価をきちんと出していくようになるのだろうな」と……。
- 佐藤
- 実際、うち(アートリー)も『帝国データバンク』に情報開示しているけれど、「自社情報は取得できない」んだよね。確か「何らかの理由があった」はずだけど、思い出せないな……。だけど、「自社がどう評価されているか」は「はっきり言って見たい」よね。だから、そういう(『帝国データバンク』が自社情報を取得させてくれない)ところも「仕組みとしては変わっていってほしい」よね。
- 原
- そうやって評価のあり方自体が変わっていけば、「中小企業へのインパクトも全然違う」と思うんですよ。だから私は(ESG経営の浸透は)「自発的にやっていくこと」のように思いますけれど……。
- 佐藤
- 「(ESGが)企業に浸透していくには?」ですが、渡邉さんは何かアイデアありますか?
- 渡邉
- 難しいですね……。
- 佐藤
- 今までの話を聞いていてどうですか? 「ESG経営」に関して言えば、「おそらく既にやっている面もある」ように思うんですよ。実際、「環境」や「ガバナンス」、「社会」と「小分けにして言っている」だけで……。
- 渡邉
- 確かに、「素材(E)」や「作る(G)」の面では取り組み始めているけれど、「地域社会との共生」や「三方よし」までの視野は、僕には「そもそもなかった」ので。だから、そこはすごく勉強になりましたし、その結果、自分たちだけでなく、「全ての活性化に繋げられる」ので、「(周囲を)巻き込める力を付けよう」と言いますか「さらに視野を広げていく意識を持っていこう」と思いました。
- 佐藤
- だけど、「本当にそう」だよね。先ほどおっしゃっていた「地域経済と連携していくこと」は「リスクマネジメントにも繋がってくる」から。とは言え、(企業経営で不都合が出てくる裏には、)「地域が意地悪しているから」みたいな話があるわけではないから。言ってしまえば、「三方よし」や「八方よし」になれれば、「(自然と)敵が減っていく」んですよ。
- 井戸
- 「みんなに良い企業になる」わけだからね。
- 佐藤
- 要は「あいつらだけ儲けて……」となれば、「邪魔立てされる」わけだから。そうなると「戦うリスクが増えてくる」から。だけど、「『孫子』の兵法」ではないけれど、「戦わずして勝てるほうが良い」んだよね。そのためには「先に仕込んでいく」と言うか「地ならししていく」ことも必要で。だから、「サステナブルに続けていく」のであれば、「根本から考えていく必要もある」から……。
- 佐藤
- ちなみに徹郎さんはどうですか? 「何かしらのアイディアがありそうな顔」をしていたから……。
- 蒲生
- (今回の話とは真逆の発想にはなりますが、)「ESG経営していない会社への投資をやめよう」という動きもあるんです。というのも、「それ(ESG経営していない会社への投資打ち切り)も『ESG投資の一形態である』」と言われていて。だから、「ESG経営をしていかなければ、そもそも会社自体が持続不可能になってしまうよ」みたいな流れになっているわけです。
- 佐藤
- 要するに「良く言えば共創社会」、「悪く言えばパージ」みたいな話か。
- 佐藤
- 再度改めて「ESGが企業に浸透していくためには?」ですが。「上場企業は良し」としても、「非上場」……ましてや「中小零細 」の場合はこの前の「SDGsの話」(※2022年6月16日放送の『第85回:SDGs』参照)ではないけれど、「僕たち関係ないじゃん!」みたいな感じになりやすいよね?
- 原
- だけど「融資との兼ね合い」も出てくるでしょう?
- 佐藤
- それなら金融庁も……。
- 原
- それならいっそのこと……。
- 佐藤
- 「金融機関もそういったところ(ESG経営に取り組んでいるか否か)を評価していく」ようになるのかな?
- 原
- そんな気もします。
- 佐藤
- それはそうと、実際に「ESGの指標が出される」のが……。「2023年」! 「来年出される」わけか。「指標の基準になる数字」と言うか……。
- 蒲生
- 今のところは「不動産分野だけ」ですが、おそらく他の業界に向けても広がっていくだろうと思います。
- 佐藤
- おそらくそうなるだろうね。
- 原
- 「一般的になる」ように思うよね。
- 佐藤
- そうなると、「借入額で点数を付けられる」みたいな……。
- 原
- それ(ESGに特化した評価基準)自体が「あるかないか」で「金利のベースが変わってくる」や……。
- 佐藤
- 「ありそう」だよね。
- 原
- 特に「貸付金利」で。
- 佐藤
- ということは、「サステナブルな活動をしていく」上では、「金融機関との付き合いは大切」だから。つまりは、「きちんと取り組んでいかなければならない」よね。
- 原
- そうでしょうね。
- 佐藤
- 視点を切り替えて、「中小や零細の企業が取り組めること」には「何がありそう」ですかね?
- 原
- 「社会」に焦点を当てるなら、「雇用機会」が挙げられるでしょうけど、例えば、「環境」で言うなら、「建物」や「モノ」なら、「リサイクルできるもの」と言うか「産廃(産業廃棄物)にならないものを使っていく」みたいな発想が「どんどん強くなる」だろうと思うんです。だから、「そういうところ(環境保全)を積極的にやっていること」を「どう注目してピックアップしているか」みたいなチェック項目ができるかもしれないでしょうね。
- 佐藤
- 「金融機関からの評価」などにより、「経済の影響を受けやすくなる」と仮定すると、冗談抜きで「深刻な問題になっていきやすい」から。そうなるとおそらく、「ESGコンサルみたいなやつ」も増えてくるだろうね。
- 原
- そうなるだろうと思います。
- 佐藤
- だとすると、「ここは改善したほうが良い」であったり、「こっちも改善できそうですね」みたいなアドバイザリーをした上で「プロモーションまでしていく」ようにできれば、おそらくは「商売になる」だろうね。
- 原
- だろうと思われます。
- 久田
- 確かに「プロモーションセット」は良いですね。「ここは金融機関のチェックで落とされやすいから直したほうが良い」だけでは「(対応してもらえる範囲が)狭い」でしょうけど、「プロモーションまで込み」と言いますか、「こうしたPRをセットにして打ち出しましょう!」というアドバイスまで受けられるのであれば、受け入れる側にとっても「ポジティブに捉えられる」ような気がする。
- 佐藤
- 今、自分で言ったり、七菜子に言ってもらったことで分かったけど。例えば、「クリエイティブでユニークな取り組みをしている企業」があったとして。その場合、「社名がドマイナー」だったとしても、「すごく面白いことをやっている会社じゃん!」や「社会のために、すごく頑張っている会社じゃん!」となれば、「企画内容が先行する」ことで、「その会社が知られて評価も上がる」わけだから。言うなれば、「チャンスのある話」だよね。
- 久田
- そうですよね。言ってしまえば、「まだまだ空いている」わけですから。
- 佐藤
- そういうことだと思う。例えば渡邉さん(『VEDUTA』)が、 「延暦寺でファッションショーをやります」として。だから、「なぜ『VEDUTA』が延暦寺でファッションショーをやる必要があるのか?」という理由付けを「我々が組み立てている」わけでして。要は、「理由を明確に出していけること」によって、「そんな良いことをやっているのか!」と……。もしかしたら、「良いこととは思わない人もいるかもしれない」けど……。だけど、それ(比叡山でのファッションショー)をきっかけに、「『VEDUTA』や『アートリー』を知ってもらう機会」が生まれれば……。何だか「ESGの話とは逸れる」かもしれないけど、おそらく「理屈上は一緒」だよね?
- 佐藤
- これまでの実感としては、「SDGsを意識して、こんなことやあんなことをしているよ!」という取り組みも「地球環境や社会に対する良いことやっているんだね」ではあったのだろうけど、(日本)国内ではどこか「建前色が強かった」のかもしれないね。だけど、「ESG経営」になれば、「CSR的な側面がはっきりしてくる」と言うか……。……要するに、(ESG経営は)「CSRの進化系みたいなものである」ということなのかな?
- 蒲生
- 考え方としては「似ている」でしょう。「CSR」は、どちらかと言えば、「ビジネスではない」と言いますか、「収益性のないボランティア」のような位置付けが多くて。一方、「ESG」は、「ビジネスをSDGsなどに寄せていこうよ」という話ではあるんです。だから、(社長のおっしゃるように、CSRとESGは)「理念としては一緒」と言えるでしょう。
- 佐藤
- 言い換えると、「社会貢献と企業のビジネスが融合し始めてきている」わけか。そもそも「企業」は「社会を作っていくこと」が「役割だった」はずだけど。いつ間にか「ビジネス先行していった」結果、だんだん「市場競争ありき」になっていって……。だから「忘れていたところが今になって融合してきた」みたいな話だろうね。
- 蒲生
- そうですね。例えば、「環境保全活動をしています」と言って、「土日にごみ拾いを行って」いても、「平日には平然とポイ捨てしていた」としたら、「平日のほうが長い」わけですから。だから「普段のビジネスの過程から良いことをしていかなければならない」わけです。
- 久田
- 詰まるところ、「『ビジネスで得た利益をCSRなどで社会に還元する』みたいな流れだったところがくっ付いていく」感じですか?
- 佐藤
- そうだよね。だから、「ビジネスをやりながら社会に対して良いことをしていくための間違いのない設計をしなさいよ」と言いますか……。
- 原
- 要約すれば、「(社会貢献が)明確化されてくる」わけだね?
- 佐藤
- そういうこと。さらに言えば、「企業戦略もより一層問われるようになる」と思う。だから、「なおさら難しくなってくる」だろうね。
- 久田
- 言わば、「『これができれば儲かるぞ!』なんて言った端から潰れてしまう」わけだから……。
- 佐藤
- 「仮にできてもすぐパージ(切り離し)されて、資金がショートする(担保を元手に売られる)よ」みたいな……。
- 井戸
- 融資を受けられなくなる……。
- 久田
- 厳しい……。
- 原
- 融資を受けるにも「金利は高いよ?」となって……。
- 井戸
- 金利は高いし、融資は受けられないし……。
- 佐藤
- そういうことだよね。一旦、「企業視点」から考えてみようかな? 「プロモーション視点」と言うか……。……簡単に出るかどうかは分からないけど……。できました。
TOPICS
ソリューション
- 井戸
- よろしいでしょうか? お願いいたします。
- 佐藤
- 本日のソリューションはこちらです。「ESGのポータルサイトをつくろう」。最善策は、4回前の「横浜DX」(※『第84回 自治体DX』のこと。放送日は2022年6月9日なので、正しくは「3回前」。)ではないけれど、「企業それぞれのESG戦略」みたいなものを出していけることが「最善」なわけですよ。例えば、「(ESG経営の)ランディングページを作る」みたいに。だけど、実際はまだその(企業独自のESG戦略を打ち出す)段階まで、「できていない」と言いますか「醸成できていない企業も多い」と思うから。だから「コンサルティングを入れてオーダーメイドにさせる」ことも「あり」だろうけれど。そうは言っても、「簡易的に始められる」ほうが「ハードルは低くなる」から。おそらく「行政(自治体)が主導のほうが良い」だろうとは思うけれど、「ESGのポータルサイト」みたいなもの_「企業の取り組みを記入欄に入力してください」みたいな感じの「簡単なフォーム形式」_を用意しておいて。ちなみに、「記入欄のイメージ」は、『ホットペッパー』のような「テンプレートにはめていく」形式で。それで、「株式会社何々」とあって、「私たちはこういう会社です。私たちは海洋プラスチック削減に取り組んでいます。今後はこういうことを始めようと思います。」みたいな 「定型文」と言うか「フォーマットが用意」されていて。要は「フット・イン・ザ・ドア(小さな要求を飲ませることで、次第に大きな要求も承諾させやすくさせ、最終的に目的とする要求を承諾させる心理テクニック)」ではないけれど、一旦そこで「(ESGに対する)意識が芽生える」から。「これは良いことなのかな?」と「自覚する」だろうし。さらに言えば、「他社のESGの取り組みも目にする」だろうから、「他社はこんなことやってるのか!」や「あの会社はこんなことに取り組んでいるのか」までまとまっていれば、「徐々に浸透していく」ような気もするよね。あとは「SEO」辺りを考慮していければ、「ESGを少しずつでも進めていける」のかな? 本音を言えば、「ガッツリパワープレイで営業して、『半官半民』でも良いからでき」れば……。
- 原
- 促進させやすいよね。
- 佐藤
- 言ってしまうと「意外とテクニカルなソリューション」だけど。「大喜利」とまでは言わないけれど、「リアルな感じ」で良いかと思います。
- 井戸
- ありがとうございます。
- 佐藤
- 今回の比叡山の件では、「これ(ESG)に近しい企画」をやろうと思っているんだよね。
- 渡邉
- 今月は「言いたいけど言えない」みたいな感じなので……。
- 佐藤
- 収録時点では、「まだ公にはできません」が。とは言え、「何をやるかは決まっている」ので……。
- 井戸
- 楽しみですね。
- 佐藤
- 遠からず「徐々にでも公開していければ」と思います。ありがとうございます。
- 井戸
- 次回以降の放送はこちらの通りとなっています。来週も木曜日の夜10時にお会いしましょう。次回もお楽しみに。
- 佐藤
- 最後までご視聴 ありがとうございました。さようなら!
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