
2022.05.12 放送分
ファンベース
第80回アートリーアカデミア
THEME
ファンベース
2022年4月、食品メーカーピエトロは、4月14日を「オレンジデー」と定め、ピエトロレストラン内のポスターの掲示や店頭、会計時のレシートをオレンジ色にし、ファンを大切にする「ファンベース」を軸とした企業活動が話題となりました。ファンベースとは社外・社内にファンを作り、ファンを基盤にして経営やマーケティングを行っていく、これからの時代に必要なマーケティング手法といわれています。企業がファンベースを構築するには?アートリーアカデミアでソリューションを見出します。
TOPICS
ニュースの話題
- 佐藤
- 今夜も始まりました。アートリーアカデミア。
- 井戸
- 「ファンベース。オレンジデイを盛り上げるピエトロ。ファンベースを軸にした企業活動の一環。今年(2022年)4月、食品メーカーの『ピエトロ』は4月14日を「オレンジデイ」と定め、『ピエトロレストラン内の店頭掲示ポスターや会計時のレシートをオレンジ色にし、ファンベース(ファンを大切にすること)を軸とした企業活動』が話題となりました。『ファンベース』とは、『社の内外を問わずファンを作り、そうして生まれたコミュニティを基盤に、経営やマーケティングを行っていく』ことを指し、『これからの時代に必要なマーケティング手法』と言われています。」
- 佐藤
- 「ファンベース」ですが、まずはニュースについて(の補足をいただきましょう)。
- 蒲生
- 『ピエトロ』という会社は、「社内アイデアコンテスト」を毎年開催していまして。要は「いかにファンへサービスしていくかの提案を募っている」わけです。それで今年(2022年)は、「オレンジデイ」にちなんで、「(ピエトロ レストランの従業員の)服装や店頭掲示物、レシートをオレンジで統一して、ファンの方に楽しんでもらおう」というイベントを開催した運びだそうです。
- 佐藤
- (ニュースでは)「(『ピエトロ』が4月14日を)オレンジデイとして定め」と言っていたけれど、そもそも「オレンジデイ」は「既にある」んだよね?
- 蒲生
- 元々は、「愛媛(県)のミカン農家が1994年に提唱して、2009年に愛媛のJA農協(JA全農えひめ)が日本記念日協会に登録しているれっきとした記念日」です。
- 佐藤
- 「オレンジデイ」自体はどういう日なの?
- 蒲生
- 「オレンジデイ」は「4月14日」に定められていて……。要は、「2カ月前の2月14日のバレンタインデイで愛の告白をして、3月14日のホワイトデイで返事をして、4月14日のオレンジデイでより愛を深めよう」というお話です。(※4月14日は韓国では「ブラックデー」と呼ばれ、日本とは異なり、「バレンタインデイやホワイトデイを独り身で過ごした人々が集う日」となっている)
- 佐藤
- 詰まるところ、「愛をテーマにした日で、ファンを盛り上げた」わけだね?
- 蒲生
- そうです。「より愛を深めよう」というわけですから……。
- 佐藤
- 「ニュースになっている」わけだから、「かなり話題になった」わけだよね。どうですか?
- 原
- 「オレンジデイ」という日を……。
- 佐藤
- そもそも、「オレンジデイ」はご存知でしたか?
- 原
- 「初めて知り」ました……。
- 佐藤
- ということは、「『ピエトロ』さんのおかげで、『オレンジデイ』を知れた」のであれば、それはそれで「良かったと言えば良かった」のでしょうけど。
- 原
- そういう意味では、『ピエトロ』さんも「アプローチの幅を広げていくための PRタイム」として、「様々なものを広めていこう」みたいな「一種の普及活動」のように思います。
- 佐藤
- そもそも「バレンタインデー(にチョコレートを贈る風習)」も「(チョコレートを扱う)お菓子の会社が始めた(※「バレンタインデーにチョコレートを贈る」行為は日本独自のもので、そのきっかけは、1936年に兵庫県のチョコレートメーカーであった『モロゾフ』社が外国人向けに打った広告に始まる。以降、戦後に全国的に広まった)」ものだから。だから、「何かしらのムーブメントを発信して、それに乗っかって、商売やマーケティングを含めたプロモーションをしていく取り組み」が「ファンベースマーケ(ティング)」なんだろうね。
- 原
- 言わば「根っからのファンにもさらなるアピールできる機会」なのでしょうね。
- 佐藤
- (実際の「ファンベース」というものは、)「どんなもの」だろうね? そう言えば、(萌ちゃんは、)「いろいろとアイドルなどがお好き」のようだけれど。
- 井戸
- びっくりした……。今は『Snow Man』を愛してますね。
- 佐藤
- 例えば「『Snow Man』が『オレンジデイ』の啓発イベントのプレゼンターになって、『オレンジの服を着始めた』」としたら、「テンションは上が」る?
- 井戸
- (スノ担(※「担」とは「担当」の略で、ジャニーズアイドルオタク用語で「ファン」のこと。「ファンネームのないグループのファン」は、原則「〇〇(グループ名)担」を用いる)としては、)「こういうこともやるんだな」くらいの感覚と言いますか、「母親目線で好きだな」となるだろうと思います。
- 佐藤
- それなら、「(オレンジデイだから、)ファンも一緒にオレンジの服着てSNSにアップしよう!」みたいなキャンペーンがあったとしたら、それ(オレンジデイ啓発タイアップキャンペーン)には「参加」する?
- 井戸
- それは「しない」かな……。
- 佐藤
- (何かあるなら、徹郎さん、)どうぞ?
- 蒲生
- (今回のニュースの場合は、『ピエトロ』という)「食品メーカーが経営しているレストランでのイベント」なんですよ。だけど、今回のイベント(オレンジデイ)では、「オレンジの服を着て清掃活動を行った」り、「(オレンジ色の)メッセージカードを配った」りなど、「本業を取り巻く部分で活動する」ことで、ロイヤルカスタマーが「『ピエトロさんありがとう』となる」みたいな……。
- 佐藤
- 要は「社会貢献的な話」なのね? (『Snow Man』の例え話で)「テンションが全然上がらない」ということは、(萌ちゃんは『Snow Man』の)「ロイヤルカスタマーではない」ということ?
- 井戸
- 『ピエトロ』さんの場合は、「コーポレートカラーがオレンジ」なので、「オレンジデイとの相性も良かった」のだろうと思います。だけど、おそらく「『Snow Man』とオレンジデイは相性が良くない」……。(※『Snow Man』には「向井康二」というオレンジをメンバーカラーとする人物がいるため、グループとしては「違和感のある色ではない」)
- 佐藤
- なら、「『 Snow Man』がホワイトデイ用の新製品のキャンペーンキャラクターか何かに就任して、『白い服を着始めた』」としたらどう思う?
- 井戸
- それなら、「少なからずテンションが上がる」かもしれない。何となく「オレンジに抵抗がある」 (※おそらく発言から察するに、井戸氏は「向井アンチのラウール担」かと思われる)
- 佐藤
- 要するに、「ファンベースマーケ(ティング)」というものには、「少なからぬ内輪感」みたいなものがあることから、(ファンではないことによって)「蚊帳(蚊を入れないために室内に吊るすネット)の外の人たち」には「伝わりづらいもの」なのかもしれないよね。だけど、「根っからのファン」にとっては「盛り上がれる」のかもしれないね。本日の課題を見てみましょうか。
TOPICS
フリップ解説
- 井戸
- 「ファンベース。課題:企業がロイヤルカスタマーを維持するには?」
- 佐藤
- 「企業がロイヤルカスタマーを維持するには?」ということですが。おそらく「ロイヤルカスタマー」という言葉は、いわゆる「ファン」に置き換えられるのかな? だから、(今回のニュースの事例の)『ピエトロ』さんも「ファンを維持するための施策」として「行なっている」のでしょうね。つまり、「ロイヤルカスタマーを維持する」には、(「ロイヤルカスタマーとは?」という)「根本的なところ」を考えていければ良いように思いますけれど……。
- 蒲生
- ファンベースでのマーケティング手法の定義は、「マス広告で新規獲得を狙う」というよりも、「ロイヤルカスタマーから友達などの身近な人に推薦してもらう」ことで、その(ロイヤルカスタマーの身近な)人たちに「新規(顧客)になってもらおう」というものを指します。だから、先ほどの(ニュースの『ピエトロ』の)話の場合は、「ピエトロがファンに向けて、『みんなの大好きなピエトロがこんな活動をしているので見て!」と「話題作りをしていた」わけです。
- 佐藤
- 要するに、(ファンベースマーケティング自体が)いわゆる「(インターネット)広告的な考え」ではなく、「アナログ的な発想に近い」のかもしれないね。だから「アーティストのインストアライブ」ではないけれど、「『リアルの要素が意外と必要』な印象は受ける」よね。だから、先ほどの「『Snow Man』のオレンジデイの例え話」ではないけれど、「一緒にオレンジの服を着ようよ」みたいな感じで、「周りの人にも影響を与えていく」ような……。
- 原
- ロイヤルカスタマーの中で「『良いよね』という口コミが広がっていく」ような……。
- 佐藤
- ということは、(ロイヤルカスタマーを「維持」していくには、)「それそのものを増やしていけば良い」わけだよね? 例えば「ロイヤルカスタマーに欲しい客層のリストを送って、『この人たちなら潜在的なロイヤルカスタマーになる可能性があるから、アプローチしてよ」みたいに送り込めれば……。
- 井戸
- 何だかある種の「スパイ」みたいになっています!
- 佐藤
- 要は「内輪感が非常に強くて少なからずハードルの高いイベント」は、「(新参者のファンにとっては)なかなか行きにくい雰囲気がある」かもしれないけれど、例えば「ゲームの大会」でも「ゲームセンターを舞台に開催されていて気軽に参加しやすい大会」があるわけだから。だから「(誰かを)誘って行ける」みたいなイベントを開催して。そこに(サクラ代わりに)「ロイヤルカスタマーを何人か送り込んで」おけば、「〇〇ちゃんって、△△のファンなんですか!?」みたいに「勝手に盛り上がっていく」だろうから。その結果、「楽しい体験」が「ロイヤルカスタマーとしての体験」に変わっていくかもしれないから。だから、「ファンベースマーケティング」というものは、「マスメディア的」でも「パーソナライズされたインターネット広告的な考え」の「どちらでもない」わけだよね?
- 佐藤
- 「スライドがある」とのことなので、一度見ておきましょう。
- 井戸
- 「ファンのフェーズと定義」という資料です。ピラミッド型になっているので、「一番下から」(読み上げて)いきます。「潜在顧客:将来的にファンになる可能性があるが、好意形成に至っていない」、いわゆる「ユーザー予備軍」を指します。その次が「新規顧客」。「口コミや価格 キャンペーンにより、トライアル購入をしてくれる」客層を言います。その上が「リピーター」。「強いロイヤリティはないが、特段不満もないため、『何となく』でも継続購入してくれている」客層になります。そのさらに上が「ファン」。「ブランド愛を持ち、価格に左右されず、ブランドを指名買いをしてくれる」客層です。そして、一番上が「熱狂的ファン」あるいは「伝道師」。「熱狂的なブランド愛を持ち、身近な友人や家族へ推奨してくれる」客層とそれぞれ定義付けられています。
- 佐藤
- これまでのウェブマーケ(ティング)では、「潜在顧客」、「新規顧客」、「リピーター」、「ファン」と「4階級で言われていた」けれど、おそらく「ファンの動き」や「マーケティングの理論」自体が、「SNSが膾炙してから(のこの10年ぐらいで)結構変わって」いて。だから、「ファンの期待する(コンテンツの)動き方」が「より具体的になってきた」のかな? その結果、ファンの中でも「伝道師」と言うか、いわゆる「エバンジェリスト的な人たち」が、「ファンの上位として階層化されてきた」のでしょうね。要するに、先ほど挙げた例ではないけれど、「ファンを何人か送り込んでイベントを開催・提供する」ことで「ファンコミュニティを形成していく」わけだよね?
- 佐藤
- 何か補足はありますか?
- 蒲生
- 「ロイヤルカスタマー」に相当するのが、(ピラミッド図の)一番上の「伝道師」です。それで、(エバンジェリストが)すぐ下の階級の「ファン」と「何が違うのか?」と言うと、(エバンジェリストは)「その商品・サービスに対して熱意をもって話す」であったり、「共通の会話ができる仲間が欲しい」、「(商品・サービスの)『購入』を『一種の応援』と解釈する」などが挙げられます。
- 佐藤
- ということは、「ファン」は「気持ちまでの存在」で、「ロイヤルカスタマー」は「行動まで伴っている人たち」なのかな? そうなると、企業やサービス・ブランドからすると、「ファンとその友達」がいれば、「少なくとも一度に2人は『ロイヤルカスタマー化させられる可能性がある』」わけだよね? だから、そういうきっかけを仕掛けるために、「リアルイベントを押しまくっている」わけだけど。だから、(きっかけを)「仕掛けておくこと」は「あり」だよね?
- 原
- つまり、「熱狂的ファンが CS(Customer Satisfaction:顧客満足度)やCX(Customer Experience:顧客体験)などを高めていくほど、伝道しやすい」んだよね? 要は(エバンジェリストは)「商品やサービスの良さが分かっている」から。だけど……。ごめんなさい。私が「熱狂的なファンではない」ので。「難しいな」と思いながら……。
- 佐藤
- (原先生にとっては)「そう」だろうね。確かに「リアルイベントがある」としたら、「行くかどうか」は「本当に些細なきっかけ」なのかもしれない。度々話しているからみんな知っているとは思うけど、俺は「ゲームが好き」で。例えば、最近『Twitter』で流れてきた情報で言うと、「『ペルソナ』の25周年イベント(※『PERSONA 25th FES』のこと)」が5月の終わりぐらいから1ヶ月少々の期間であるらしいんだよね。ちなみに、そこ(『PERSONA 25th FES』)では「等身大アルセーヌ(※ペルソナ5の主人公の初期能力が具象化した存在。名前の通り、「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」をモチーフにしている)」の立像などの展示があるらしくて。
- 井戸
- それ(『PERSONA 25th FES』)は「どこで」開催されるですか?
- 佐藤
- 確か、「神奈川かどこか」だったかな? (※開催地は埼玉県所沢市の『ところざわサクラタウン』) だから、「『せっかくだから行って、記念撮影くらいしてこよう』かな?」みたいには思っていて……。……好きなんだよ、『ペルソナ』シリーズ。だから、例えば七菜子辺りが「行きましょうよ!」となれば、「じゃあ、行こうか」とは……。
- 久田
- 分かります! 今まさに「同じことを」考えていました。
- 原
- それは、「『誘おうかな?』と思っていた」ということ?
- 久田
- (仮に丈亮さんから)「(『ペルソナ』のリアルイベントに)行ってみない?」と言われたら、「行こうか」とはなりますね。
- 井戸
- 「2人がロイヤルカスタマー化する」……。
- 佐藤
- だからそうした細やかな……。例えばゲーム(ソフト)を買った時に、「抽選で100名様に〇〇が当たる」みたいな抽選券などが入っていることがあるけれど。あの手のものがあれば、「きっかけにできる」可能性があるわけだよ。「限定感」と言うか、「せっかく当たったから行こうかな?」みたいなこともあるだろうし。だから、「ファンとロイヤルカスタマーの境目」も「非常に密接なもの」で、要は「きっかけの有無」次第で……。
- 佐藤
- 「もう1枚スライドがある」とのことなので、行ってみましょう。
- 井戸
- 「ファンの感情を可視化する新指標」となっています。一番上が「機能価値」。「商品やサービス、ブランドの特長が端的に表されていること」に対する価値を指します。例として、「カロリーが低い」や「(性能が)価格に見合っている」、「デザインが良い」などが挙げられます。次が「情緒価値」。「商品やサービス、ブランドを所有したり、体験することで生じるポジティブな感情」が当てはまります。例としては「安心できる」や「作り手の思いに共感できる」などが挙げられます。最後が「未来価値」。「商品やサービス、ブランドを通して見た社会や未来に対するポジティブなイメージ」に対する価値を言います。例としては「社会を良くしてくれている」や「新しい時代を切り開いてくれている」などが挙げられます。
- 佐藤
- 例えば、「機能価値」で言うと、「一般的な掃除機とダイソンの掃除機が選ばれる理由の違い」が挙げられそうだよね。例えば、「デザインの良さ」で選ばれるのか、「機能的価値なのか」みたいな話だけど。「情緒価値」は、最近よくある「ストーリーを押し出す」と言うか「作り手の思いなどをコンテンツにして、感情を煽る」みたいなことだよね。「未来価値」は、例えば『Apple』辺りが「新製品を出す」として……。確か、「数年後には『Appleの車が出る』かもしれない」と言われている(※『Apple』社は自動運転電気自動車を2025年にも発売するのではないか? と言われている)のだけど。だから、「『Apple』が車を出した」とすると、『ソニー』なども追随し始めるだろうし。つまり、「未来の生活ビジョンを手にできる」と言うか。実際、「最新の『iPad』や『AppleWatch』が出る」ことで、「社会が変わる可能性もある」わけだから。その結果として、そこ(未来の生活イメージ)に「価値を感じること」も、「ファンの感情指標1つになり得るよ」ということなのかな?
- 原
- それで言うと、「新たな価値の創造」と言うか「前向きな考え方」……。おそらく「今のフィーリング」だけでなく、「将来の会社で何か(大きなことを)やってくれるかもしれない」という「期待感」なんでしょうね。
- 佐藤
- そうだと思うよ。だから、例えば「クオリティオブライフ(QOL)が上がるものを提供してくれること」は「未来価値に当てはまる」のかな?
- 原
- そうすると「様々な会社がそれ(未来価値)を提供できるようになれば、 消費者には、「こんな生活が待ってるかもしれない」みたいな想像力を働かせて、「さらに良い未来に向けた話ができるようになりやすい」ように思います。
- 佐藤
- それに今だと「SDGsに絡めて『(地球)温暖化を止めよう』みたいな運動に協賛している」ということもありそうだよね。だから、そこ(地球温暖化防止)に気を遣わず、「プラスチックを使っている製品」を出し続けていることで、「自分も環境破壊に加担している気がするから」みたいな理由で「ファンの心が離れていく」ようなことも「考えられる」から。だから、「今の消費者」の中には、「環境面への配慮まで考えている人」は、「意外と多い」ような気がする。なぜなら、その手のこと(環境面への配慮)に「しっかりと取り組んでいることをプロモーションする企業が増えてきて」いて……。
- 原
- SDGsは、国連を発端に、「急激に様々な場所で言われるようになり」ましたけれども。だけど、「社会への要求」と言うよりも「『社会に対してこれが本来だよね?』と打ち出したいイメージが強い」んですよね。
TOPICS
テーマ討論
- 佐藤
- 実際に「(地球)温暖化」などの(環境)問題は「ある」わけだけど……。とは言え、「このまま」話していくと、「話がだんだん逸れて行ってしまう」から。とりあえず、課題のほうに……。(本日の課題が)「企業がロイヤルカスタマーを維持するには?」ですが。おそらく、「先ほど挙げた3つの要素(機能価値・情緒価値・未来価値)と「ロイヤルカスタマーの動機付けの兼ね合い」になるのだろうけど。……俺の勝手なイメージかもしれないけど、(この番組の出演者は)揃って、「何かしらのすごく熱狂的なファン」というイメージが「強い」のだけど……。
- 井戸
- なぜだろう?
- 佐藤
- 例えば『うたプリ(うたの☆プリンスさまっ♪シリーズ)』などの……。
- 井戸
- 確かに布教しますね。
- 佐藤
- 「熱しやすく冷めやすい」と言うか……。むしろ「冷める瞬間」なんてあるの? 少なからずあるよね?「離れて」と言うか、「最近このコンテンツ、ご無沙汰だな」みたいな……。
- 井戸
- 『うたプリ』などの「アニメ」で言えば、「 一旦シーズンが終わって、続編が出るまでに期間が空く」みたいに「触れない期間がある」と「冷める」と言いますか「テンションが持続しない」です。
- 佐藤
- だけど、そこ(新シーズン待ちで冷めている期間)に「何かしらが投下され」れば、それ(新シーズン待ちで冷めている期間に投下された何かしらの情報)は「動機付けにはなる」の?
- 井戸
- 「冷めたまま」の時もあります。その場合は「また1から」になったりします。
- 佐藤
- そう考えると「大変」だね。七菜子にもそういう(熱狂的に好きな)ものは何かある?
- 久田
- 「ない」です。
- 佐藤
- それは「あまり熱狂的なるほど好きなものがない」ということ?
- 久田
- (自分が)「熱狂的に盛り上がる」と言うよりも「熱狂的なファンから一方的に送られてくる」と言いますか……。
- 佐藤
- それなら「中途半端にファンなもの」は「多くある」の?
- 久田
- 確かに、「中途半端にファンなもの」も「あります」けど、「それ(自身が中途半端でもファンになったもの)を「他人に広めること」は「あまりしない」です。
- 佐藤
- そこが「ファンとロイヤルとの違い」なのかもしれないね。
- 井戸
- 私は(自分が「良い!」と思ったものを)「すぐに広めたがる」ものね。
- 佐藤
- それ(自身が良いと思えるものを広めたいと思うこと)は、「ロイヤルとしてはどういう心理状態」なの?
- 井戸
- 実際、「思い出してにやにやしていました」が、『Snow Man』に関しても「広めた過ぎ」て、「資料を作って(七菜ちゃんの家に)行った」よね?
- 久田
- 事実、我が家に「(『Snow Man』を)プレゼンしに来ました」からね。しかも、「結構長い資料」を作ってきて……。
- 井戸
- 「『Snow Man』の良さ」を伝えたくて……。
- 佐藤
- その「動機」とは「何」だろうね?
- 井戸
- おそらく「周りも一緒に沼に落ちて欲しい」んでしょう。
- 佐藤
- ひょっとしなくても、「自分1人がすごくロイヤルなファンになること」に「恥ずかしい」みたいな感情は「ない」んでしょう?
- 井戸
- そうですね。要は「よく集まる人たちと共通点を増やしたい」と言うか「同じ話をしたい」んです。これまでは、「アニメやゲームなどのジャンル」が「共通点だった」んです。だけど、自分の中で「ジャニーズ(アイドル)」という「新たなジャンル」が「生じた」ので、「これは広めなければ!」と思って……。
- 佐藤
- ちなみに、「同じ趣味を持つ初対面人と仲良くなりたい」みたいな思いは「ない」の?
- 井戸
- ありません。
- 佐藤
- それ(初対面の人と交流したいという欲求)は「ない」のか。……ということは、「自分のコミュニティの中にマイブームを持ち込みたい」と言うか……。
- 井戸
- 「とにかく布教したい」のでしょうね。
- 久田
- おそらく「気質の違い」のような気もします。だから、「広めたい人」を「捕まえ」なければ、「永久にロイヤルカスタマーにはならない」と言いますか……。
- 佐藤
- 確かに、「人による」のかもしれないね。例えば、「ビジュアル系バンド」の場合、「バンギャ(バンドギャル)」は、「ライブハウスに行って、仲間を増やす」みたいなところもあるから……。だから、その場合(バンギャ)の心理は「知り合いたい」や「繋がりたい」なんだろうね。それに、『Twitter』などでも「#〇〇さんと繋がりたい」みたいなハッシュタグも「ある」わけだから……。要するに、一口に「熱狂的なファン(エバンジェリスト、ロイヤルカスタマー)」と言っても、「いろいろなタイプがある」のかもしれない。
- 原
- そうすると「熱狂的なファン」であっても、「ファンとしての在り方が違う」と言うか「伝道の仕方が違う」わけですか?
- 佐藤
- だけど、今出した(バンギャの)例は、「既にファンになっていて、同好の志と知り合いたい」と言うか、「コンテンツをきっかけに友達を作りたい」が動機だから。一方、こちら(萌ちゃん)の場合は、「友達にコンテンツを広めたい」が動機だから。だから、「企業が仕掛けなければならない」のは、「こちら(萌ちゃん)」のような……。
- 原
- まさに「新規層」だものね。
- 佐藤
- だから、「既に形成されているコミュニティに投下しやすいようなプレゼン資料」が「ダウンロードでき」たり「PDFデータとしてまとまって」いれば、「友達にも布教しやすい」と言うか……。
- 原
- ここに「答え」があった!
- 佐藤
- 要は「既にあるコミュニティに対して仕掛ける」べきなんだよ。
- 原
- だけど、「企業からすれば、すごく難しい」よね。
- 佐藤
- そうは言っても、「属性ははっきりしている」よね? ……別に(萌ちゃんのことを)「ネタにしているわけではない」のだけれども……。要は「アイドル系」や「アニメ系」みたいに「何かしらのファンコミュニティ」は、「既に成立しているはず」だから。だから、「そういうところ(自社が未開拓のファンコミュニティ)を見つけて、『こういうものも良いよね』みたいに訴求でき」れば。「熱狂的なファン(エバンジェリスト、ロイヤルカスタマー)」の1人にでも「火を付けれ」れば、「一気に『ボンと行く』可能性もある」よね。だけど、「維持するには?」で言うと「ここ(熱狂的なファン(エバンジェリスト、ロイヤルカスタマー))が冷めると周りも全て冷める」可能性はあるよね?
- 原
- 「マグマみたいな話」だよね。
- 佐藤
- だから、「どうやってここ(熱狂的なファン(エバンジェリスト、ロイヤルカスタマー))の火を消さないか」が「重要そう」だよね。とは言え、「既に答えは出ている」けれど。
- 井戸
- 「間が空く」と言うか「触れない期間がある」と「冷める」んです。
- 久田
- 私からすると、(萌ちゃんは)「コンテンツもすごく選んでくれている」んですよ。「公式から大量に投下されるコンテンツの中でも『選りすぐりのもの』がここ(自分のところ)に届くようになっている」んです。だから、「企業が共有しやすいコンテンツを投稿した時に、(周辺に)流してくれている」のだろうと思います。
- 佐藤
- ということは、ここ(萌ちゃん)からのロイヤリティは「ある程度高い」状況なの?
- 久田
- そうです。
- 佐藤
- 「ここ(萌ちゃん)から来る情報は、間違いなく面白いコンテンツだろう」と言うか……。
- 久田
- 面白いだけでなく、「化粧品や洗剤などの情報も定期的に送られて来る」んです。だから、(萌ちゃんからの情報が)「ぱーっと流れて来たら、知り合いは全員それを買う」みたいな……。
- 佐藤
- 信頼度が高い!
- 井戸
- 恥ずかしくなってきた……。確かに「片端から布教する」よね。「年末年始の大掃除でおすすめの洗剤」であったり……。
- 佐藤
- 素晴らしくロイヤルカスタマー……。詰まるところ、「ロイヤルカスタマー」は「 何かの特定のものに対してロイヤル」なのではなく、「そもそもの属性がロイヤル」なのかもしれない。
- 井戸
- 要するに「共有したい」のでしょうね。
- 原
- しかも「いろいろなことに関して」ね
- 佐藤
- 「何かがロイヤル」ではなく、「属性そのものがロイヤル」だとすると、「何か新しいものを知ったら、いきなりロイヤル(カスタマー)化する」可能性もあるわけだよね?
- 井戸
- 「すごく気に入れば」ではありますけども。
- 佐藤
- ということは、「新規顧客」や「リピーター」のような「ロイヤル要素を持ってない客層をいくら焚き付けたとしても、「ロイヤルにはならない」のかもしれない。
- 久田
- その場合は「一生、1人で楽しまれる」だけかもしれません。
- 原
- 要するに「最終形が『ファン』で終わる」のだろうね。
- 佐藤
- そういうことだろうね。だから、「ファンかロイヤルか」は、「セグメントを切って考える」べきだろうね。どのみち、「ファンはロイヤルにはならない」わけだから……。
- 原
- そうでしょうね。
- 佐藤
- そうは言っても、(コンテンツの投げ込み方次第では、)「1日でロイヤル化する可能性もある」わけだから……。
- 原
- そうなると、企業は「井戸さんのようなロイヤルカスタマー属性持ちの方」に、「これどうですか?」みたいに「売り込んでいったほうが早い」かもしれない。
- 佐藤
- だから、「そういうこと」だろうね。
- 久田
- だけど、「どうやって(ロイヤルカスタマー属性持ちを)絞り込む」んですか?
- 佐藤
- 確かに、「どうやって探すか」だよね……。
- 久田
- とは言え、「ロイヤル属性持ちの方を集められるようになれ」ば……。
- 佐藤
- 例えば、「ブランドポートフォリオ戦略をしている企業」であれば、「複数のブランドを持っている」わけだから。だから、「あるブランドで『何かしらのイベント』を開催して、『ロイヤル属性持ちの方を焚き付けた』ところで、『性質の似た違うブランドのものを投下して、『新しいブランドに誘引する』」みたいなことは「できそう」だよね。「違うブランド」と言うと「誤謬が出る」から補足すると、「同業他社のブランド」ではなく、その会社の「姉妹ブランド」や「姉妹サービス」などのことね。
- 原
- 要は「類似化させていく」ということね?
- 佐藤
- それは「自社内に複数のブランドがある場合」の話ね。だから、仮に「競合(他社)相手のイメージ」であれば、良いか悪いかは別として、「競合他社のイベント会場に『自社のロイヤルカスタマー』を『サクラとして紛れ込ませ』て、『自社のコンテンツを布教させる』」ことも「できなくはない」はずだから……。……ひとまず、ソリューションを出していきます。
TOPICS
ソリューション
- 井戸
- お願いします。
- 佐藤
- 本日のソリューションはこちらです。「定期的なオフ会を」
- 井戸
- 要は「間を空けさせない」戦略ですか?
- 佐藤
- 終始話を聞いていて思ったのは、「ロイヤルだけで充分」なんだよね。要するに、「ファンをどうにかする」よりも「ロイヤルの熱量を冷まさせないことが重要」だから。そうなると、「10人程度の小規模でも構わない」わけだから……。
- 原
- だから、「イベントよりもオフ会」というイメージなんですね?
- 佐藤
- それか、「定期的なロイヤル会議」みたいなものでも「あり」かもしれないよね。要は「ロイヤル集めて社員化させる」と言うか。つまり、「ロイヤルを集めて、(熱狂しているものの)中の人と触れ合える機会を与える」と言うか。……「何をイメージしたか」と言うと、例えば「『うたプリのディレクター(※おそらく原案者の上松範康氏のこと?)とのオフ会があるよ」と言われたら、それ(『うたの☆プリンスさまっ♪シリーズ』)が好きな人は、「ちょっと行ってみようかな?」と……。
- 井戸
- なります!
- 佐藤
- それなら、いっそのこと、「参画させれば良い」かもしれない。言うなれば、「ロイヤルカスタマーを参画させよう」……。
- 井戸
- ……にしよう! 「テンションも上がるし、まんまと布教する」気がします。おそらく(七菜ちゃんに宛てて)「LINEを送っているところまで」想像が付いています。
- 久田
- (おそらく)「大興奮で送ってくる」気がする……。
- 井戸
- また(大張り切りで)「提案資料を作ってしまい」ます。
- 佐藤
- そういうことだよね。「ロイヤルを参画させよう」に変えるわ!
- 井戸
- テンション上がったら布教する。
- 佐藤
- (再度iPadを構え直して、)「ロイヤルを参画させよう」
- 井戸
- これだ!
- 佐藤
- 「出し直し」だったね。
- 久田
- 「初めてのソリューションチェンジ」ですね。(※見出し上では、言い換えや言い直し案を「『→を挟んで併記』する形で、最終着地点の変更を示したケースは何度かあった」が、「実際にソリューションが書き改められた」ケースは、今回が初めて)
- 佐藤
- 「ロイヤルの熱量」は、(推しのコンテンツに)「参画できた」とすれば、「維持される」よね?
- 原
- 詰まるところ「企画運営部に入ってもらう」わけでしょう?
- 佐藤
- それに、もしかしたら、「インセンティブ(成果報酬)を渡さなくても構わない」かもしれないよね?
- 原
- 要はそれ(推しのコンテンツ)に「関わっているだけ」でも……。
- 井戸
- そのこと自体が「充分な報酬」になりますもの。
- 佐藤
- だから、(萌ちゃんには)「次のJOSUKEのアルバムをどういう方向でやるべきかの意見が欲しい」から、「会議に参加してほしい」……。
- 井戸
- (私の見解を)「反映させてもらえるかもしれない」わけですよね? (社長の)「作品作りに触れられる」んですよね? ありがとうございます。
- 原
- コストがかからない。
- 井戸
- 何でもしますよ!
- 佐藤
- というわけで、ありがとうございます。
- 井戸
- (今回は私の癖を)「晒されて」終わった……。
- 佐藤
- だけど、今回は「出し直したソリューション」のほうが「結構良かった」よね?
- 久田
- 「すごく」良かった。
- 原
- 「なおのこと」良くなった。
- 佐藤
- 以上でよろしいでしょうか?そうは言っても、「一般企業」の場合……。おそらく「B to Cならやりやすい」かもしれない。だけど、「B to Bの場合」は……。
- 原
- 「客層によって違う」でしょうね。
- 佐藤
- BtoCの企業はぜひ実践してみてください。
- 井戸
- ありがとうございます。次回以降の放送はこちらの通りとなっています。来週も木曜日の夜10時にお会いしましょう。次回もお楽しみに。
- 佐藤
- 最後までご視聴ありがとうございました。さよなら。
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