
2021.10.14 放送分
ユニコーン企業
第50回アートリーアカデミア
THEME
ユニコーン企業
今回のテーマは「ユニコーン企業」。「資産価値が10億ドル(1000億円)以上の未上場ベンチャー企業」のことを指す呼び名だ。世界では200社以上が存在するが、日本ではわずか7社と「とても珍しい」存在と言えるだろう。そうは言っても、この先の社会情勢を踏まえれば、「日本でユニコーン企業が増加すること」は悪くないはずだ。そこから「ではどうやって増やしていくのか?」を軸に一同はトークを進めていく。
TOPICS
ニュースの話題
- 佐藤
- 今夜も始まりました。アートリーアカデミア。
- 井戸
- 本日のテーマはこちらです。「ユニコーン企業。アメリカ カーライル 日本のSpiber(スパイバー)に100億円出資へ。今年9月、アメリカ投資会社のカーライルは、日本で数少ないユニコーン企業であるSpiberに対し、100億円を投資すると発表しました。ユニコーン企業とは、創業から10年以内で企業評価額が10億ドル以上ある未上場のベンチャー企業を指し、現在アメリカや中国では『ByteDance(バイトダンス)』や『スペースX』など、200社以上が存在する一方、日本はわずか7社にとどまっています」
- 佐藤
- 「ユニコーン企業」ですけれど。徹郎さん、補足があれば。
- 蒲生
- 「Spiber」という会社は、ご存じない方もいらっしゃるでしょう 。Spiber社は、山形県に本社を置くバイオベンチャーの会社です。「構造たんぱく質素材 ブリュードプロテイン」という素材を開発した世界初の企業になります。それ(ブリュードプロテイン)が環境に優しいことから、Tシャツやダウンジャケッなどに使われているのだそうです。
- 佐藤
- ブリュードプロテイン……、「発酵タンパク質」ということ?
- 蒲生
- 「微生物を発酵させて作る素材」らしいです。
- 佐藤
- それが繊維になるんだ。(原)先生は知っていましたか?
- 原
- 初めて聞いた。読んでいて、「そんな会社あるんだ!」とすごい面白くて。
- 佐藤
- 僕も(Spiber社)ホームページはちらっと見たけれど。結局、(ブリュードプロテインとは)どういう素材なの?
- 蒲生
- 要するに「素材の素材」です。
- 井戸
- (ブリュードプロテインは)「植物由来のタンパク質」です。微生物でしたっけ? を発酵させて作るんです。さすがにその過程までは存じ上げないですが。とにかく生地などの素材作る場合、特に化学繊維系は「石油頼み」だったんです。だけど、(ブリュードプロテインは)「石油を一切使わない」と言うか「植物由来のもの」なので。今流行ってきている「サステナブル原料」として注目されているんです。おそらく今は「繊維がメイン」になので。ノースフェイスさんなどのダウンジャケットやTシャツに転用されていることが多いのですが。今後は「その素材を使った動物の皮」のような生地にもできるらしいので、「アニマルフリー 」という意味でも注目を集めているんですよ。
- 佐藤
- そんなところまでできるのか。
- 井戸
- そうした素材として補填できますし、「樹脂系のもの」にも変換できるらしくて。動物の骨や水牛の角と言ったものの代用品にできるようにもなるらしいので。「いずれは医療などの方向にも転換させていくこともできる素材だよね」と言われている話題性の高い会社です。
- 佐藤
- 万能なんだ。「化学繊維」ではない「オーガニックな素材」なのか。とは言え、「バイオベンチャーは、日本どこまでやれるのか」というところはあるかもしれないよね。
- 井戸
- 「試されている感」と言うか「注目されている感」はありますよね。
- 佐藤
- どうなんですか? バイオベンチャー自体というか。世界的かつ有名なところで言うと、ユニコーン(企業)は何社ぐらいあるんだろうね?
- 蒲生
- 有名なところで言うと……すいません。名前と数が一致しなくて把握できていませんが。「ユニコーン(企業)」自体、「バイオベンチャーやテクノロジー系が数えられている」んです。ごめんなさい。そのうちの内訳のどれだけがバイオベンチャーかは分からないけれど、アメリカでは現在220社ぐらい。中国は120社、日本は7から11社ぐらいです。
- 佐藤
- 「ユニコーン自体が」ね。要するに、今の情勢は「ユニコーン自体にフォーカスする」ということだよね。 (原)先生、どうですか?
- 原
- (ユニコーン企業が)日本で少ない理由には、「日本のビジネス風土がある」とは思うんです。例えば、金融機関がお金を貸すにしても、「実績が」とよく言われるんですよ。要するに、「実績ベースでしか、お金を貸さない」というアプローチなんです。今でこそM&A(買収や合併)はすごく活発になっているけれど、少し前までは「そこまで盛んではなかった」んです。今でも「大きい会社しかやらない」のは、「他人の会社の資本を買うという発想」が、「強い文化ではない」からで。そこ(他人の会社の資本を買うこと)に対して、「少なからぬ恐怖やおびえを感じながらやっていく文化」が、どうしても根強いから。だから、海外のように 「これは『面白くなる会社』だよね。資本出すよ」みたいな「気軽な乗りがない」。そこの差が「ユニコーンがこれだけしかいない」という話なのかな、と。そもそも日本の場合は、言ってしまえば「ユニコーン」どころか「ギガコーン」も「そんなにいない」ので。「その理由は何か」と言うと、「日本のビジネス風土のようなものがあるからだ」と思います。「日本のビジネス風土」というのは、「失敗する人はダメだ」という「レッテルが貼られやすい文化」だと思うんです。「失敗して学ぶところは多い」はずなのに。だから、今回の話としては「保守的にやる文化のせい」かな? という気がしています。
- 佐藤
- 言い方が露骨になるかもしれないけれど、要するに、「大して金持ちがいない」ということだよね?
- 井戸
- (大して金持ちがいないというのは、)「日本に」ですか?
- 佐藤
- もちろん「いわゆる財閥系」は「いる」と思うけど。だけど、「(創業者)一代でスコーンと成功するやつ」と言うか。確かに、(ソフトバンクの)孫正義さんや(ファーストリテーリングの)柳井(正)さんみたいな人もいるけれど。アメリカなら、(マイクロソフトの)ビル・ゲイツや(ハサウェイCEOの)ウォーレン・バフェットがいるわけで。だから「基本的に金融が強い」というか「金融やITなどが強い」分、「発想の少なからぬ違い」はあるかもしれないよね。(原)先生がおっしゃるところの「(ビジネス)風土」と言うか。
- 原
- おそらく、(日本の場合、)金融機関が企業に対してお金出す際は、「資本性ローン」が一般的になっているんですよ。要は、「貸したお金は資本に組み入れられるから、10年後までは返さなくて良いけれど、そこから先は(株式の)配当できちんと返してね」という「堅い話」なんですよ。だけど、そうではなくて 「失敗しても構わないから、お金は出すから頑張ってみて」というほうが、本当は建設的なんですよ。だから「後ろ盾の仕方」と言うか「お金の使い方」に「自由な発想がない」と言いますか。
- 佐藤
- だけど、最近だと「事業再構築」や「もの補助」みたいなことがされるようになって。そうは言っても「ほんの心ばかりな感じ」だけど。とは言え、「スタートアップフェーズ」でも、資金調達面では「そこそこのボリュームの金額」は出るようになってきているよね。
- 原
- 「再構築」の場合でも、「6000万円くらい出る」みたいだから、そういうことなんだろうけどね。だけど、大事なのは「国からお金が出る」という発想ではなくて。「みんなが持ってるお金から投資してみよう」ということであって。おそらく、多くの人のイメージとしては「『上場会社の株に投資するのが安パイだよね』という話がベースにある」のかな、と。とは言え、企業側も「『そうじゃない』というアピールを打ち出せてないところもある」のかな? とも思うけれど。
- 佐藤
- 要するに、「配当として安定的であること」が「ベースにある」から、「なかなかユニコーンが生まれにくい 」ということですね?
- 久田
- 日本は「研究自体にお金が出ない風土」が結構強くて。「大学の研究に対して予算が出ない」という話も少なからず耳にしますよね。だけど「海外とのレベル差」は確実にあるので、「そもそも研究自体が生まれにくい」と言うか、「新しい技術が発展しにくい」ということも結構大きいかと思います。
- 原
- 今や「基礎研究に対しても国家予算がなかなか出ない」とはよく言われていて。
- 久田
- 結局、今回のこの……、何でしたっけ? 会社名……。Spiberも「大学の研究過程だったけれど、研究のままでは予算が足りなくて続けられないから、会社化して事業にするしかなかった」わけで。言ってしまうと「研究のまま進めていく選択肢ができなかった結果」なんです。
- 佐藤
- だけど、むしろ「その(企業化させてしまった)ほうが無難だった」だろうね。日本において研究は「利権の話」で「持っていかれるケース」は結構多いから。
- 原
- 特に、「官が民絡んでない」という話も踏まえると、ね。
- 佐藤
- だから「ベンチャー」というか「事業化している」からこそ、「少し視点が変わる」よね。買収するにしても、外資も正当に買収しにこれるじゃない。
- 原
- 『カーライル』は米大手だったけど。だから本当は、外資じゃなくて。日本の企業が「表立ってお金を出すから、頑張れ」とできるような風土が欲しいよね。
- 佐藤
- そうは言っても「(出資した側が)どこまでサポートできるのか」もあるだろうけど。
- 原
- 「資本規模にもよる」だろうし。
- 佐藤
- (サポートするにしても、)「資本だけ」でなく「ビジネス的な繋がりを作っていくこと」も大切なのかもしれないよね。例えば、「経営メンバーにプロの経営者を入れる」みたいな。(海外だと)「サポートの仕方も結構手厚かったりする」よね。(サポートしている企業を)「育てる」という意味だから。要するに「金を貸して終わり」ではないと言うか。
- 原
- 海外は「起業から経営にシフトするためのサポート」は厚いですから。
- 佐藤
- だから、そういう意味からしても、(支援してくれる企業が)「日本じゃなくて良かった」と思ってしまう。
- 原
- そういう(支援の厚さを踏まえた)見方をすると、そうなるだろうね。
- 佐藤
- だけど、「ユニコーン(企業)」は、日本に「7社もいる」んだよね。ユニコーンという「伝説の生き物」に喩えられているわけだから。つまり仮に「伝説的な企業がポコポコいる」という状況だったとしたら、「全然レアじゃないじゃん!」というか。(そもそもユニコーン企業の定義のひとつが)「資産額が10億ドル」だから。それ自体が「すごい規模」だよね。
TOPICS
テーマ討論
- 佐藤
- 一度、(課題も)見てみましょうか。
- 井戸
- 「ユニコーン企業。課題:日本でユニコーン企業を輩出するには?」
- 佐藤
- (「7社いる」ということは、)「(既に)輩出されている」わけだけど。「 日本のユニコーン」では、他には「何系」というか、「どのジャンル」(の企業)がいるの?
- 蒲生
- 『GO』というタクシーを呼ぶアプリを運営している「Mobility Technologies(モビリティテクノロジーズ)」や『スマートニュース』ですね。あとは「BtoBであまり馴染みのない名前」です。
- 佐藤
- だけど、『ByteDance(Tiktokの運営元)』辺りと比べると、どこか「一撃が弱い感じ」がするよね。「話題性」と言うか。
- 蒲生
- 先ほど「デカコーン」と言われたかと思うのですが……。
- 佐藤
- 「ギガコーン」ね。
- 蒲生
- 「ユニコーン」の中にもレベルが三つありまして。「デカコーン」でしたよね? 「ギガコーン」でした?
- 佐藤
- 「デカもある」けどね。
- 蒲生
- 「デカ」があって、その上が「ヘクトコーン」。どこが違うかと言うと、「企業評価額10億ドル」が「ユニコーン」。「100億ドル」で「デカコーン」。「1000億ドル」になると「ヘクトコーン」。(さっき社長が)おっしゃられた『ByteDance』は、「唯一のヘクトコーン法人」なんです。だから、言うなれば「ユニコーン(企業)の真のトップ」でしょうね。
- 井戸
- 「『ユニコーン(企業であること)だけで既にすごい』わけでもない」んですね。
- 蒲生
- ユニコーン(企業)の中にも階級があります。
- 佐藤
- だから、どうだろうね? 「ユニコーン(企業)」と言っても。
- 原
- 「定義1:企業価値が10億ドル」。
- 佐藤
- ということは、(日本円でいうと)「1000億円少々」……、「1000億円ぐらい」か。
- 原
- 正確に言うと、「純資産価値で1000億以上」だよね。
- 井戸
- 「定義2:未上場のベンチャー」。
- 佐藤
- そうなると、「どういう業態が合うか」だよね。俺らはどちらかいうと「IT」だから。その系統のサービスで言うと、「ByteDance」の『TikTok』だろうね。SNSの場合は、「ユーザー数の話」になるとは思うけど。今回の『スピンドル(※暗号資産の1種)』じゃない。……何だっけ? Spiberに関しては、「可能性の話」でしょう? 「未知のマテリアル(素材)が未来のあり方を変えるかもしれない」というところで「期待を寄せられている」わけだよね。「そこに対する価値」は「ほぼ確定している」んでしょう? だから「出せる」ということだよね?
- 原
- 要は、「起業して3年とか4年」の話ではないんです。だから、「ある程度もう少しして」から、「盛り上がっていくはずの話」でしょうね。
- 佐藤
- 要は「『(強烈な)一撃をバーン!』ではない」わけね。要するに、「研究室がバックにあって」ということだよね。「起業してから何年」というところはあったのかもしれないけれど。
- 原
- だから「ベースは研究」であって。「そこからの延長線上で起業した」という話だよね。
- 佐藤
- 加えて、姿勢としても「自力で何とかしよう」ではなく「研究室として」だから。基本的に「資本ありき」の考え方にはなるよね。最初から「自分たちはこれに専念しなきゃいけないから金はどこか別のところに出してもらわないと」というところが頭にあるわけで。
- 井戸
- 要するに「経営うんぬん」と言うよりも「(労力は)研究に費やす」ということですものね。
- 佐藤
- だから、そこはきっちり分かれているよね。だからこそ、そういう動き方ができるわけで。だから言い方がおかしいかもしれないけれど、(Spiber社は)「自力でユニコーン(企業)になったようなもの」だよね。
- 原
- 元々「潜在的に持っていた」わけだから。あとは「そこにお金を持ってこれる要素があったか」という話だよね。
- 佐藤
- という話だよね。もちろん「勝手なビジョンを描いた人間もいる」とは思うけれど。そうは言っても、ユニコーン企業は)「なかなかポーンとは出てこない」よね。基本的に「中国でユニコーン(企業)が起きやすい」という理由には、「人口の違い」があるから。例えば、さっきのサービスの話で言うと、基本的に「企業価値は利用者の数で付きやすい」わけで。実際、『Facebook』や『Twitter』は「何億人」でしょう。時には「10億人超え」するわけだから。日本の人口は「一億何千万人しかいない」のに。そこを優に超えてくるわけだから。それは「企業価値も付くよね」と言うか。
- 久田
- (そもそもの人口数が多ければ、)「分母は増やしやすい」ですよね。
- 佐藤
- 実際、人口だけで言うと「日本よりマーケットは大きい」よ。
- 原
- 「中国の富裕層」は、「日本の人口とほぼ変わらない数がいる」わけ。だからこの先「増える」だろうね。ということは(ユニコーン企業が)「中国で増えるのは当然」だよね。ただ、その一方、「そういう(富裕層の)人たちがいた」としても、「自社の魅力を上手に打ち出せるかどうか」があるんです。 最近はよく言われることか知らないけれど、「日本は技術があるけどビジネスには向かない」と「昔はよく言われた」んです。その理由が「日本人の気質かどうか」は知らないけど。「『技術には、真っすぐ向き合える』んだけど、それが『ビジネスになった瞬間に上手くいかなくなることがよくある』」という表現でたまに使われるんだけど。
- 佐藤
- どうなんだろうね? 日本は「単一民族」だよね。だけど、「その括り方が正しいのか」すら、もはや分からないけれど。あまり言うと「反日みたいな感じ」になるかもしれないけど。だけど「どうなのか」とは思う。「アメリカは多国籍」だし、中国は漢民族がメインだけど。
- 原
- 「民族としては多民族の国家」だよね。
- 佐藤
- そもそも元々は「多民族」でしょう? だから、そういう意味では、「日本は日本人」みたいな感じだよね。そうなると、「そもそも闘うフィールドが少し違うんじゃないか?」というか。「国の風土の問題」というか。「いつまで『単一民族』という主張で頑張るの? 」というところはあるよね。
- 原
- 日本人だから、どうしても「最初の切り口」になるのは「日本の市場」だろうけど。だけど「海外は違う」んだよね。海外は、「最初からいろいろなところで売る」という発想なので。日本人の発想は「まず日本で」が「強い」けれど。でも、それはすごく「概念としては弱い」と思う。分かりやすく例えると、戦争に行くのに、「ここしか守りません」と言っているようなものだから。
- 井戸
- 「狭くて面積の少ないところを必死になって守っている」んですね?
- 佐藤
- それを踏まえると、「日本でユニコーン(企業)を輩出させる」のは相当厳しいかもしれないね。だから例えると「地元の(公営)プールVSオリンピックのプール」みたいなことだよね。その状況で「同レベルの選手を輩出しようとしている話」になるわけから。そもそも「最初から比較にならない」という感覚はあるけどね。
- 蒲生
- 「ユニコーン企業」という概念自体が、「2013年にアメリカのベンチャーキャピタルのキャピタリストが作った言葉」なんですよ。だから「アメリカの市場を日本に無理矢理当てはめてみたら」という話なんです。という前提を踏まえると、「難しい」ですよね。
- 佐藤
- 「未上場で1000億の(ベンチャー企業)」という話でしょう? 「企業価値」だよね。「売却したら 1000億になる」んでしょう? そうなると「大事件」だよね。
- 原
- 普通だと、公認会計士事務所などが「IPO(新規上場株式)にしましょうよ!」と積極的に言う話になるの。だけど、そうなるから、日本では「大騒ぎの話」なんだよね。
- 佐藤
- もはや、「そこ(ユニコーン企業化)に至るまでにIPOしてしまう」よね。むしろ「上場してしまう」から、そうなると「ユニコーンになる前に、終わってしまう話」だよね。
- 原
- 「もはや終わっている」んだよ。言うなれば「召し上げられている」の。
- 佐藤
- 今時は分からないけれど、本当に「そこ(ユニコーン企業化)を狙う」となると、「外資を取り入れ」ようとする面もあるだろうし。何なら「よそ(の国)で法人化する」可能性もあるよね。
- 原
- 「法人化してしまう」と「楽」なんだよね。
- 佐藤
- 「発想としては」ね。RYUちゃんを例えに出させてもらうけれど。RYUちゃんは日本の生まれだよね。だけど、「本気で何かしらを考えて、海外に行こう」と思うこともあるかもしれないよね? 例えば「花火のようなプロジェクトを打ち上げよう」と思ったとして。だけど、日本には「その程度のポテンシャルしかない」として。とは言え「日本自体がダメなわけではない」んだけど。要は、「世界はとっくにグローバル」なんだけど、「日本はどこまでいっても日本と言う価値観が強いから。だから「なかなかユニコーン(企業)にはなりにくい」というか「(ユニコーン企業を)作りにくい」ところはあるんだよ。
- RYUICHIRO
- それ(「日本は日本」という考え方)は「国民性によるもの」ですか?
- 佐藤
- 「フィールドが狭い」ということ。要するに「日本は海を渡ってない」と言うか……。
- RYUICHIRO
- それは、「渡りたいと思う人が少ない」ということですか?
- 佐藤
- 「渡りたい」と言うか「土地柄」や「文化柄」だよね。「陸続き」の場合は、「人口が多い」と言うか、既に「いろいろな人間が混ざっている」から。だけど、日本の場合は「何かしらを海外で成し遂げよう」と思うと、すぐに「海外に行こう!」なの。だから、「定義」というか「根本のマインド」の時点から、「フィールドが違いすぎている」わけなの。
- 原
- (日本は周囲を海に囲まれているから、)「越えるべきもの」が、「海」という発想だから、必然的にワンクッションできるわけ。だけど、海外はほとんどが「国境が地続き」でしょう?
- 佐藤
- だから、日本の場合は「資金調達するなら国内で」という話になりやすいわけなの。
- 原
- 「外資を取り入れるうんぬん」ではなくて、「自分たちの」という発想で「お金を回している」んだよね。「日本人の」という発想があまりにも強いので。基本的にそこ(国内で資金を回そうという魂胆)があると思うんです。
- 佐藤
- だから、世界中が「ネクストシリコンバレーみたいなところ」を作ろうとしている中で。この間の「メガリージョン構想」が進むと「『国』という概念がだんだんとなくなってきているのかな?」とは思うよね。「シリコンバレー」に限らず、中国のあの地域(深圳)は、何と言うべきか分からないけれど。「中国版シリコンバレーみたいなところ」があるよね? 例えばエンタメ業界なら「ボリウッド」……、「インド版のハリウッドみたいなところ」なんだけど。実際、本家の「ハリウッド」もそうだけど、「地域名」で言うよね。だからそういう(シリコンバレーやハリウッドのような)場所が日本にも生まれてこれば、もしかすると「勝手に海を渡った発想」になるかもしれない。そうなると「ユニコーン企業を輩出するにはどうするか」と言うと、「金融を強化するしかない」わけだから。要は「金融が強化されているところに、アイデアも人も集まる」から。だから、「金融をどうするか」という話だよね。もはや「どちらが先か」だよね。「人(を呼びこむこと)が先」なのか、「金が先」なのか。
- 原
- 個人的には、「金が先にあれば選択肢が増える」と思うので 。事実、「お金さえあればこれもできるのに」という起業家は多いんですよ。だから、最初のところで「自分がどれだけ『これをできるのか』がアプローチできるか」ということなんですよね。とは言え、「日本人はアプローチが下手なところも多いのかな?」と若干思う時はあるんですよ。「こんなに良いことならきちんと言えば良いのに」と。だけど、「謙虚にすべし」と言うか、「『うちはこれしかできないので』と言わなければならない文化」のようなものが「日本の中にある」と言うか。海外の人たちは 「これだけできるのに、何でうちにお金出さないの?」と平気で言えるのに。「日本人だとそういう発想で言える人はかなり少ないな」と思って。
- 井戸
- 「性格」ですかね。
- 佐藤
- 俺もそうなんだけど、今(の話を)聞いていて思ったのは、「日本人はあまりショートカットしない」と言うか。「どうしても『電球の再発明』をしたがる」と言うか。本当に「VC(ベンチャーキャピタル)から出資を受けること」は、さっきも言ったけど、「メンター」と言うか、「プロの経営者」のような「導いてくれる人もセットの話」なの。わざわざ金を入れてるところが焦げ付かないように「確実に育てる必要がある」わけだから。「導ける人」も一緒に入れるよね。その結果、海外は「ただ金が入るだけじゃなくて、成長も速い」わけなの。だから、「経営者としてのレベル」も上がるよね。「経営のレベル」に限らず「いろいろなもののレベルが」という話だけど。だけど、日本は「そういうところを受け入れにくい一面もある」から。(「受け入れにくい」と言うか)「受け入れたくない」と言うか。
- 原
- 職業柄、事業再生などで呼ばれることが多いから出向くんだけど。行った先で「外の人に何が判るの!?」みたいなところからスタートする時があって。だけど、 「事業再生の相談」をしようとしている時点で、「あなたはそもそも失敗しているよね?」という話で。だから、それ(失敗してしまった事業を)立て直すために一緒に頑張ろう」という話なのに、「『何が判るの!?』みたいなスタンスの人もいる」ので。
- 佐藤
- 「 外の人に何が判るの!?」と言うけれど、「今は外の人でも判るような仕組みになっている」んだよね。要は財務三表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)と6期目ぐらいまでの決算書を見れば。
- 井戸
- 「分かるようになって」いますよね。
- 佐藤
- そもそも1カ月ぐらいそこ会社に入っていれば、「中の政治」もおおよそ見えてくるし。だから、「外の人間」であっても、「そこそこ」は「見えてくる」よね。
- 原
- 「取引先の状況も分かる」し。そうなると「何がいけないのか」を把握するにも、「そこまで時間はかからない」んですよね。「悪い根源はこれでしょう?」と「大体でも指せる」よね。
- 佐藤
- 仮に「そういうところがままある」とすると、そういう意味で「日本 は、まだまだグローバルが弱い」と言うことなんだろうね。「レベルがそんなに高くない」と言うか、「ベースが低いから」と言うか。
- 原
- 「『オーナー=経営者』と言うスタンスが強すぎる」と言うべきか。要は「オーナーは経営までするもの」と言う価値観が主流で、「経営は専門家に任せることができにくい」という課題は、未上場会社では「よくある話」だと思うんですよ。
- 佐藤
- だけど「どうやって(日本でユニコーン企業を)輩出するか」で、ソリューションを出さなきゃいけないんだけど。
- 原
- 難しいけれど、切り口は「お金」だろうね。より正確に言うなら、「お金の出し方」だと思う
- 佐藤
- おそらく「お金の話」になるよね。一度、(みんなの声も)見てみようか。
TOPICS
みんなの声
- 井戸
- みんなの声も聞いてみましょうか。『GAFAは女性が活躍しているらしい。』
- 佐藤
- 「GAFAクラス」になれば、今や「もはやの話」だよね。
- 井戸
- でしょうね。 『ユニコーン企業のひみつ』って本、面白いよ。
- 佐藤
- 「ユニコーン(企業)」や「ベンチャー」と言っても、(既に)「型」はありそうだよね。「やらなきゃならないことは見えている」と言うか。
- 原
- 「ベンチャー」は「軽く見られていることも少なくない」んだけど、「やることさえやってしまえ」ば、「(創業)50年以上の会社よりも強い」からね。
- 佐藤
- 今や「科学」と言うか「データ」が「発達している」から。「何をやれば良いのか」も「既にはっきりと見えているようなもの」だから。
- 井戸
- 『日本企業は上場せず、外資の傘下に入るルートが確立しそう。』
- 原
- これは「一選択肢として」だろうね。「日本での上場」も「悪いことではない」わけだから。本当は「海外での上場を狙うぐらいが一番良い」んだけどね。「傘下」と言うけれど「資本がどこにあるかの話」であって。「どこ発の企業か」のほうが大事な気がする。
- 佐藤
- もしかすると、日本企業自体が「グローバルで焦っているところ」があるから。「積極的に吸収したい」と思っているのかもしれないよね。だから言い換えると、「ベンチャーが飛び抜きにくい状況になっている」のかもしれないし。「叩かれる」と言うか「潰される」と言うか「吸い上げられる」と言うか。
- 原
- 「技術的な面」や「才能的な面」の話だよね。
- 井戸
- 最後いきましょう。『ユニコーン企業のアンチテーゼとして、ゼブラ企業にも注目。』
- 佐藤
- 「ゼブラ企業」というのはどういう企業?
- 井戸
- 「ゼブラ企業」とは何ですか?
- 蒲生
- 「ゼブラ」は「シマウマ」の意です。「ゼブラ企業」とは、「自社の利益を優先せず、社会と共存共栄していく」という理念の元に活動するNPOなどを指して言います。要は、「一人勝ちのユニコーン」に対して、「うちは社会の役に立ってるんだぞ!」と言いますか。詰まるところ、「価値観の違い」ですね。
- 原
- (「ゼブラ企業」は、)「儲けているから」が「先に出てくる言葉」だよね。
- 井戸
- 以上です。
- 佐藤
- 難しいな。今回のソリューション。アイデアが何もない。そもそも、そこが分かっていたら、俺 はこんなところにいないし(笑)。
- 井戸
- ちなみに私はさっきの「プールの件」が面白すぎて。
- 佐藤
- 何の件?
- 井戸
- 「プールの件」です。あんな例えをされたら、「本当に難しいじゃない」と思って。
- 久田
- むしろ「無理」だよ。
TOPICS
ソリューション
- 井戸
- 本日のソリューションをお願いいたします。
- 佐藤
- 本日のソリューションはこちらです。「ミニコーンから始めよう!」
- 久田
- かわいい。
- 佐藤
- 何か突然降ってきたのよ。
- 井戸
- 横から見ていて「かわいい」と思いました。「すごくかわいい」とにやにやしながら見てました。
- 佐藤
- いきなり「大きいもの」は「無理」なわけで。「ヘクトコーン」なんて 、そもそもが「伝説レベル」だろうから。だから、初めから「1000億」とは言わず、「100億くらい」から、何なら「50億ぐらい」のところからスタートしていって。その代わり、(『ミニオンズ』じゃないけれど、)「『ミニコーンズ』がたくさんが生まれるような環境を作れるようにする」というか。まずは「日本の企業風土の環境整備ができていけば良いのかな」とは思いました。
- 原
- まずは「目指すことが大事」ですよね。
- 佐藤
- そうやっていくことで、「10年後のユニコーンを目指せる」わけで。だから「この先の10年間」は、ひたすら「ミニコーンを量産していこう」というわけで。だけど、今は「スタートアップ」や「一般企業」問わず企業に対しての「補助金」などの金融系がコロナ禍前よりも利用されるケースが多くなってきてますよね。だから「ミニコーン」どころか「ユニコーン」も徐々に出てくるかもしれないですよね。ありがとうございます。
- 佐藤
- 「ユニコーン(企業)」ということでしたが、このワードは、経営者としては「意識してしまう」んだよね。
- 原
- 当然のことかもしれませんが、「目指したいな」とは思いますよね。
- 佐藤
- とは言え、「会社をやること」=「上場させること」や「売り上げを爆発的に上昇させること」でもないから。結果的に「ユニコーン企業になる」という選択肢もあるんだろうけど、会社は「必ずしもユニコーン目指さなくてはならないもの」ではないから。
- 原
- 例えば(ソフトバンクの)孫さんの場合は、「ミカン箱の上に立って、『1兆、2兆』と豆腐数えるように売り上げの話をしたい」というところからスタートしているから。そうした人は「達成するための手段」がまた違ってくるだろうし。
- 佐藤
- 「何が」というか「何を目的としているか」という話だからね。だけど、ユニコーンが増えれば本当に良いですよね。経済が……。
- 原
- 潤うよ。
- 井戸
- ありがとうございました。来週以降の放送はこちらのとおりとなっています。また次回放送も毎週木曜日の夜10時にお会いしましょう。また次回もお楽しみに。
- 佐藤
- 最後までご視聴ありがとうございました。さようなら。
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