
2022.10.13 放送分
【メンズクライシス】行うべきメンズクライシス対策は?
第102回アートリーアカデミア
THEME
【メンズクライシス】行うべきメンズクライシス対策は?
今日のテーマは「メンズクライシス」。「女性の社会参画によって引き起こされる男性特有の危機感」のことで、日本では社会問題としてはほぼ認知されていないが、北欧などでは自治体や企業が積極的に対策に乗り出すほどの社会問題として捉えられている。今回は「企業が行うべきメンズクライシス対策」を焦点に、今回のトークは展開していく。それぞれの意見が出されたのちに提示された「思わず歓声が挙がった」結論とは?
TOPICS
テーマ討論
- 佐藤
- 「企業が行うべきメンズクライシス対策は?」ということですが。原先生はいかがですか? 「あれ? これは『メンズクライシス』ではないの?」というようなご経験などはありますか?
- 原
- ごめんなさい……。私は「メンズクライシスを感じたことがない」ので……。
- 佐藤
- 例えばテレビなどで「男女平等などの話をされた時に、男性が感情的になったりするのは、ある種のメンズクライシスである」みたいな情報は目にした」けれど……。
- 原
- どうなんでしょうね?
- 佐藤
- だから、「必ずしも肩身が狭い」だけでなく、「肩書きを誇示するなどによって、『男としての権利』を主張しようとする姿勢」は「メンズクライシス」に……。
- 原
- だから「訴えなければならない状況」であるわけだよね? だから、「純粋な対策」にはなるのですが、「仕事ができるのであれば問題はない」と思うんですよ。要は「自分よりも優秀な女性に仕事をされることに抵抗感がある」のではなくて、「自分の肩身が狭くなるような仕事しかできていない」わけですから……。
- 佐藤
- 確かに今まででは「社会という働く場においては男性のほうが多かった」分、言い換えれば「枠があった」わけだものね。だけど、「優秀な女性が増えてきた」ことで、「相対的に枠がなくなってきている」わけだから……。(だから、結果として実力の伴っていなかった一部の男性が)「落ちぶれた」と言うか「落ちこぼれた」と言うべきか……。
- 原
- むしろその結果(優秀な女性が社会に労働人口として出るようになったことで)、「そもそもそこに入れる」と思っていた男性が、「いや(君はこの職場に)入れるだけの能力はないのだけどね」と言われるようになっただけだと思うんです。
- 佐藤
- なるほど。
- 原
- だから私個人としては、(メンズクライシスだ何だと騒ぐ前に、)「能力を上げれば済む」話だと思っていて。どのみち男女を問わず、「競争社会を勝ち残っていく」ことには大きな違いはないわけですから。
- 佐藤
- おそらく、「世代による認識のズレ」みたいなところはあるだろうね。
- 原
- そこはあるでしょうね。
- 佐藤
- 例えば「50代や60代の方たち」の中にも、「メンズクライシスが引き起こされているケース」も「ある」わけだよね?
- 蒲生
- そうですね。その話には、背景となっている事象が2点あって。1つは、昔……、例えば「バブル期」のように、「深夜まで働くことは当たり前ではなくなった」わけです。代わりに、「就業規則上の定時は19時だから、残業するのも22時までです」みたいに「無意味な長時間労働」は是正されるようになってきているわけで。だから「体力勝負の側面がなくなってきた」というところがあるでしょう。もう1つは、「デジタル化の進行」で、「柔軟性」や「多様性」などを尊重する考え方のできる人物が「企業で活躍できる人材になりつつある」ので。例えば「女性は効率化を考える能力が高い」ので、従来の「男性が手掛けていた場合」よりも、「上手にできてしまう」みたいなこともあるようなので……。
- 佐藤
- 確かに、言われれば「ある種の性差はある」だろうね。……昨今のこのご時世では「男女別で考えること自体が性差別的」とみなされるかもしれないけれど……。とは言え、「脳機能の傾向」みたいなレベルでの男女差は「絶対的にある」ようには思うんだけどね。
- 原
- それは「職性上」みたいな話ですか?
- 佐藤
- とりあえず今回は「そういうふうに」言おうか。
- 原
- 例えば、「女性は細かな気配りが得意」という性質があったとして、その分、「顧客のニーズなどの察知も機敏」であるとした場合……。確かに、男性には「鈍い方」もいらっしゃるので。だから、そうした「感性の差」は「やはり出やすい」でしょうから……。
- 佐藤
- あとは(女性は)割と「感情で左右されている」気もするけどね。要は「バイオリズム」と言いますか……。
- 井戸
- もちろん。
- 佐藤
- だけどその分女性は言動さえ見ていれば「すぐに分かる」から助かるけどね。例えば、萌ちゃんが今日あんまりしゃべっていないとしたら、「今日は体調が悪いのかな?」であったり。あとは七菜子が「今日はもうしゃべらないでおこう」みたいに「あんまり余計なことを言わない」であったり……。
- 佐藤
- 確かにそうした「感性の差」みたいなところはあるだろうね。だからそうした感覚があまりない男性の場合、「なんであの人、今日はこんなに塩対応なんだろう?」と言うか、「(俺、あの人に)何かしたかな?」みたいにナーバスになる可能性もあり得るよね?
- 井戸
- あり得ますね 。
- 佐藤
- とは言え、普通であれば「気付ける」話だろうけど。特に「部下」であるなら「すぐに気付いてあげるべき」と言いますか。……そうは言っても、「あまりこうしたことをやんややんや言うと、セクハラやモラハラみたいな扱いにされる」から、「匙加減が難しい」のだけど。しかしそうだとしても「こちらのコンディションの変化に気付いて欲しい」というのも「ある種の人情」だから……。
- 久田
- 確かに「気遣い度合い」で言えば、「圧倒的に男性のほうがすごい」んですよ。確かに、男性からすれば、「女性のほうが気遣い上手」みたいなイメージを持っているのかもしれませんが、「女性同士の場合」は、「既にお互いの手の内を分かっている」ので、どこか「無視のし合い」みたいな感じがあるので。だからその分、男性には「ものすごく気を遣わせているのだろうな」と思うことは「すごくあり」ます。
- 佐藤
- そういうことだよね。……ちなみに、俺も「無視」の側だけどね。
- 原
- (笑)
- 井戸
- 慣れちゃった……。
- 佐藤
- もしかすると、俺もあしらいが「女性側」に変わってきているのかもしれない……。渡邉さんはどうですか?
- 渡邉
- 僕から言わせれば、「メンズクライシス」という言葉自体が「女々しいな」と思えて。僕個人としては、いくら時代が変わろうとも「男は黙って働くもの」であれと思っていて……。……何だか僕自身が「そんなようには働いていない」みたいな感じになっていますけど、僕は「島(※渡邉氏の出身地である佐渡島のこと)の生まれ」なので、「価値観が古いまま」なのかもしれませんが。とは言え、僕が「新卒で入った会社」は「ブライダル業界」だったので、「上司の9割が女性」だったんです。ちなみに僕は「メンズ向けアパレル」……、要は「タキシードやスーツのスタイリングやバイヤー業務をしていた」のですが。そうした環境ではあったけれども、「単に女性だけの職場より、男がいてくれたほうが助かる」と言われたこともありましたね。なんか「(女性同士の暗黙の睨み合いでその場の空気が)イガイガしない」と言うか、「(感情的に)無気質な男性がいたほうが(女性も)感情に振り回されない」と言いますか、「冷静になれるから良い」みたいなことを言われて……。そもそも、「今まで男性がポストされてたところに女性が社会進出してくることで、本来男性が得られていた職を奪われる」だなんて、「何を言っているんだ?」という感じですし。本来は「女性が社会進出をした」結果、「所得が上がって、好きな服や化粧品をさらに買えるようになる」わけですから、「より女性に買ってもらえる商品を開発する余地が生まれていく」と考えるべきであって……。要は「新しいビジネスチャンスがあるはず」なんですよ。言ってしまえば「埋まるところあれば空くところがある」わけだから。だから本当であれば、「そこ(新しいビジネスチャンス)に目を向けていくべき」であって。なのになぜ「『ないもの』や『なくしたもの』ばかりを気にする」と言いますか……。だから、「目の付け所のなさがダサい」と言いますか……。
- 一同
- (笑)
- 渡邉
- 要するに、僕個人としては(メンズクライシスだ何だと騒いでいる男性に対しては、)「なよなよしちゃって何言ってんだ?」と思うわけです。
- 佐藤
- なるほどね。ところで、「中間地点」という意味合いで何か話していただけませんか?
- 蒲生
- これに関しては……。
- 井戸
- 「中間地点」とはどういう意味ですか?
- 佐藤
- 普通に「(話の流れの)折り返し」という意味。
- 井戸
- そういうことね。
- 蒲生
- ちなみに私は「なよなよしたくなる男性の気持ちも分かります」けどね。その理由は、冒頭にあったように、「離婚率の増加」や「1人で稼げる女性も増えている」からですね。残酷な言い方をすると「あなたと一緒にならなくても生きていけるよ」と言いますか。もちろん、昨今の経済事情を鑑みた場合、「恋人の年収が自分と一緒ぐらいかそれよりも高給取り」みたいなパターンは「案外多い」ように思うんです。だからその分、「あれ? 俺、男なのに……」と思う瞬間を感じている人は「少なくない」でしょうね。
- 佐藤
- あれかもしれないね。「彼女が自分より背が高い」みたいな……。
- 蒲生
- おっしゃる通りで。実際、この50年間で「女性の身長が伸びてきている」というデータもあって……。(※1950年の女性の平均身長は148.9㎝であったが、2010年には158.3㎝まで伸びてきていることが国の調査で分かっている)
- 原
- そういうこと?
- 井戸
- 要するに「少なからずハードルが高くなっている」ということ?
- 佐藤
- 要は「そういう感覚なのかな?」と分かりやすい例えを見出したつもりでいたんだけど。ところで、原先生は「背が高いし、既婚者」だから、こんな例え話に引き出すのは「不適切」かもしれないけれど。例えば「若い頃」なら「彼女は身長190cmのモデル美女!」みたいな願望はあったのでは?
- 原
- 私は「上背のある女性」が好きなので……。
- 佐藤
- それはそういうことでね……(と佐藤、原の性癖を当ててしまったことに少なからず動揺する)。……とは言え、(あまり背の高くない男性からすれば、)「女性がヒールのある靴を履いて、見かけの身長が高くなること」に対して、「すごくストレスがある方」には、もしかしなくても「感覚的に通ずるものがある」のかもね。
- 原
- そういうことか。つまり、「この話(メンズクライシス)」は、「『所得』や『能力』などに起因するコンプレックスの類」なのね?
- 佐藤
- そういうことだと思うよ?
- 原
- なるほど。
- 佐藤
- だから、「メンズクライシス」とは、言うなれば「ある種のコンプレックスから来るパニック」と言うか、なんて言うの? 「喪失感」?
- 井戸
- 調べていく中では「剥奪感」というような言葉が書いてありましたね。要は「奪われた」……。
- 渡邉
- ちなみに、「自信のある男性は背の高い女性が好き」みたいですよ?
- 原
- いや、私は「そこまでの自信は持ち合わせていない」ですけどね。
- 渡邉
- 僕が言いたかったこととしては、男性は「見られ方を気にする節がある」ということです。
- 佐藤
- だから、「企業が行うべきメンズクライシス対策は?」という話で、「既にそうした人たちが増えている」から……。ところで、「メンズクライシス対策が進んでいる」のは、「北欧のどこ」だったっけ?
- 蒲生
- はい。「スウェーデン」ですね。
- 佐藤
- 確か、「スウェーデンには『メンズクライシスに特化したメンタルケア施設』みたいなところがたくさんある」らしいよね?
- 蒲生
- はい。スウェーデン国内に30カ所が設置されており……。
- 佐藤
- それは「対策としては効いている」の?
- 蒲生
- それらは「1986年から今まである」ので……。
- 佐藤
- 「意味はある」のか。……「解決する」のであれば問題はないだろうけど……。「性を超える」と言うか今のところ、「男性や女性」と言った「社会的な性(ジェンダー)にまつわる話が展開されている」ような気がするけれど。とは言え、「クライシス」そのものは「誰かがいることで発生している」わけだよね? だから「社会的な性に限らずともあり得る」わけだよね? 例えば、「ライバル」や「親」、「パートナー」みたいに。だから、そうした時に「考えるべきこと」は、「人と比べるのではなくて、理想の自分と向き合う」ことだろうね。だから、「企業がジェンダーを踏まえて行っていくこと」ももちろん重要だろうけど、それよりもまずは「自身と向き合うことを教えていくこと」は、「無駄だよ」ということを教える意味でも……。
- 原
- 「悩むこと自体が」ね。
- 佐藤
- それに、「メンズクライシス」自体、「女性がいるから、自分が今こんな思いをしているんだ」や「男なんだから!」みたいな話なんだよね? 実際、男性からすれば、「家事をやれ」と言われるのは「すごくストレス」なわけだよね? であれば、「自分と向き合う」ことで「自信を付ける」みたいな……。結局、「自信の問題に繋がる」だろうね。それに、「自信があれば、余裕も生まれてくる」し……。
- 原
- そこはあるだろうね。実際のところは「どう」なのか確証はありませんが、おそらく年齢層で言えば、「40代後半〜60代にかけての人たち」には、「この話は理解されにくい」ように思うんです。
- 佐藤
- まず思うのは、「今の社会」はある種、「女性が勝ち取ってきたもの」のはずだから。もちろん「日本だけでなく世界的な動き」としてね。要は「男性至上主義」ではなくて、「フェミニズム的な運動が世界規模で広がっていったことで女性が勝ち取ったものがある」と言うか。……要するに男性は「男性であることに甘んじていた」わけだよね? 要は「男性であれば寝転んだままでも享受できていたもの」があったわけだから。だけど、今や「男性も勝ち取らなければならない状態になってきた」と言うか「女性がこの何千年に渡って感じていた「クライシス」や「ストレス」に「男性が直面するようになった」から、「こういうこと(メンズクライシスの高まり)になっている」わけだよね? そもそも、「男性として勝ち取っていく」や「女性として勝ち取っていく」みたいな時代は終わっているから……。だから、渡邉さんが言うように、「自分が強くあれば良い」という話になるわけで……。
- 渡邉
- (メンズクライシスという)「言葉ができる何千年も前からレディースクライシス」だったわけなので。僕からすれば、「何を今更……。良いじゃん、これで。フラットだよ」みたいな……。
- 佐藤
- 要するに「フラットでシビアな言い方」をすると「自分で何とかしなさいよ」というわけだものね。だから、「男性を盾にする」みたいな話ではなくて……。今まで女性も、「女性だから気を遣って」や「女性はこういう不遇を受けてきたから、立場を立てろ」みたいに「女性を盾にしてきた」ところがあるだろうけど。だけど、「性差の面がフェアになりつつ」あって、「メンズクライシス」みたいなことが騒がれているわけだけど。とは言え、現実には「女性も性差別を前提としたもの言いはできなくなってくる」わけだから。だから、今度は「何を盾にしていくのか」が論点になってくるわけで……。そうは言っても、「一番健全な状態」は、「アイデンティティや自信を基に、声を大きくしていくこと」であって……。
- 原
- そうだね。だけど、それで言えば、「昔は男性が声を挙げなくても昇進や昇給はされた」わけですよね? だけど、それ(男性に対する暗黙の昇進や昇給)が「だんだんされなくなってきた」と言いますか、「成果主義に捕らわれるようになってきた」と言いますか……。もちろん日本は「資本主義国家」だから「当たり前」なのだけど、「それ(男性に対する暗黙の昇進や昇給)がいよいよもって崩壊している」ことは、「自覚しなければならない」とは思う。
- 佐藤
- なるほどね。
- 原
- 「男性だけでなく女性にも関わってくる」話ですから「なおさら」ですけどね。とは言え、「マーケットやニーズ層がここから様々に変容する」から……。
- 佐藤
- そうだね。また「全然違うことを考えていた」のだけど、よく考えると「学校」……、特に小学校では、「男性だから」や「女性だから」みたいな理由の「イニシアチブの違い」は「あまりない」よね?
- 井戸
- 「学校」ではない……。
- 原
- ない。
- 井戸
- 確かに「だから」はなかったな。
- 佐藤
- むしろ「女の子のほうが成長が早い」から。遅生まれ(ある年度の4月2日〜12月31日生まれのこと)の女の子が「早生まれ(ある年度の1月1日〜4月1日生まれ)の男の子より身体が大きかった」なんてこともザラにあるわけで。だけど、「だんだん歳を重ねてくる」と言うか「大人になる」過程で、次第に男子のほうが「身体が大きくなって」いくことで、「自分は女性よりも強いんだ」みたいな「性の芽生え」と言うか「自覚」が出てくるわけで……。だから小学校の間に誰もが「クライシス的な体験はしている」はずなんだよ。
- 原
- そうですね。
- 久田
- 確かに。
- 佐藤
- 実際いなかった? 子供の頃に「私、喧嘩強えぇし」みたいな、意味の分からん自慢してくる女の子……。
- 原
- いましたね!
- 佐藤
- おそらく「いつの時代もいる」んだよね? だからその時は、「うわっ、メンズクライシス」みたいに感じるわけだよね?
- 原
- 何せ「第1次メンズクライシス」ですからね。
- 佐藤
- 「身体が大きくなる」ことは「男性の第2次性徴の1つ」だっけ? それで、女性も「生理が始まって体調のバイオリズムが崩れてくる」みたいな……。要は「肉体的なもの」と言うか「自然に起きているものが社会に置き換えられて」いって……。だから、「元々みんなが体験している感情をどう思い出させるか」だよね。
- 原
- つまりは「回顧させる」感じなんですね?
- 佐藤
- 回顧?
- 井戸
- カイコウ?
- 久田
- びっくりした……! 「強行手段で出た」のかと思った……。
- 一同
- (笑)
- 井戸
- 「カイコ」と言うのは「思い出させるほう」ですか?
- 原
- そうね。
- 井戸
- びっくりした〜。
- 佐藤
- だからそういう意味では、「男性と女性を混ぜてオリエンテーションをさせるべき」だと思う。
- 原
- それは「話し合いを」ということですか?
- 佐藤
- 「オリエンテーション」なのか、「ロールプレイング」なのかまでは分からないけれど……。
- 原
- 要は「その企業内で」ということ?
- 佐藤
- だから「男性同士」で、「君はこうだから頑張って」、「自信を持って」と励まさせ合うのも悪くはないかもしれないけど、それは「1人ずつケアする」というよりは、「みんなフラットだぜ」と言うか「フェアだぜ」みたいな「よく分からない傷の舐め合い」になるだけのような気がする。だから例えば「全員でドッジボールをする」として……。
- 原
- (笑)
- 佐藤
- 「男性・女性関係ないグルーピング」や「グループワーク」をさせると言うか。要は仕事ではなくて……。
- 原
- 要するに「意識レベルをそこに持っていく」のね?
- 佐藤
- 難しい言い方すればね。
- 原
- 要は「当たり前だと思ってたことは当たり前ではない。なぜかと言うとね」を「会話などの中で「追体験させる」と言うか要は「仕事でも一緒だよね」という実体験をさせてたいわけでしょう? 言わば「心のリハビリ」だよね?
- 佐藤
- 「リハビリ」と言うか「仕事を通じて自覚させたい」のよ。実際、大人になってからプライベートで体感させようにも「難しい」わけよ。要は「大人の人付き合い」は「好きな人としか付き合わない」と言うか「自分のコミュニティの中だけでも成立させられる」わけだから。だけど、「学校」は、「私学」にしても、「親に決められた」や「たまたまそこに住んでたから」みたいに「与えられた環境で決まる」みたいな「ランダム要素はある」わけだよね。だから、「その中で強制的にコミュニケーションを取らなければならない」と言うか……。
- 原
- 「そういう状況に」ね。
- 佐藤
- 実際、大人になって「知らない人」や常識的に考えたら「プライベートでも絶対に遊ばないような人たち」と、「一緒くたになってドッジボールをする」みたいな状況は「絶対にあり得ない」わけだよね? ……そもそも今回の前提が「ドッジボールをする話」だから、こんなことを言うと本末転倒だけど……。だけどそうした体験を通じて、「もしかしてこれって仕事でも……」という気付きを得てもらいたいと言うか……。そうすれば女性も、「私は女性でひ弱だから物は投げられません」みたいな「わざとらしいかわい子ぶりっ子はダメです」みたいな感じになるから、「本気で球投げに来い」みたいな話をしやすくなるだろうし。もちろん「男も本気で女性に球を投げろ!」みたいな……。最も今のは「暴力的な話」ではなくて、「ドッジボール」で例え話を進めていたことを踏まえただけだけどね……。
- 原
- だから要するに、「対等な状況で素を見せましょうよ」という話なんだよね?
- 佐藤
- そういうこと。「対等の勝負」と言うか「対等のグループワーク」がしていければ、もしかすると、「性を超越していけるかもしれない」みたいな考え方に……。
- 久田
- そうですね。
- 佐藤
- (徹郎さんは)どう思いますか?
- 蒲生
- おっしゃる通りで、それ(男女混合で何かすること)は良いと思います。
- 一同
- (笑)
- 蒲生
- だけど「過激なこと」を言えば、(男女混合の取り組みは)「宗教団体などの行いに近い」と思います。要は宗教施設に……。
- 佐藤
- 要するに「新興宗教」みたいなところのね。
- 蒲生
- 要はそこには「男女みたいな区別はない」ように思うんです。
- 佐藤
- 確かにそんな気配はするけども。
- 蒲生
- すみません。少しばかり「知った口を聞き」ますけれど、行き過ぎた宗教では「しゃらくさい概念」を取っ払って、「明確な1つの」……。
- 佐藤
- 「信じるものに向かっている」のかな?
- 蒲生
- 「そこに向けて組織を運営している」わけですよね。そういうふうに思いました……けど?
- 佐藤
- なるほどね。そういうことだよね。例えば「究極論」を持ち出すとすると、「そもそも男と女でトイレを分けているから話が違ってきてしまう」のであれば、それを「1つにまとめてしまえ」と言うか……。
- 井戸
- んー。飛んだ「極論」が。
- 佐藤
- もちろん「いろいろと問題が出てくる」から、「男女別のトイレが統一されることはまずあり得ない」のだけれど。考え方としては……。
- 原
- そうだよね。
- 佐藤
- だから、女性も「メンズに対してクライシスしない」と言うか……。要は「旧考え方」で言う「逆セクハラ」みたいな構図だよね? だから、そうしたところに気を付けるだけでも、「もしかしたらこれが男性に対してセクハラになっていたんだ!」みたいな気付きがあるかもしれないし……。
- 井戸
- 確かに。
- 原
- 私も「逆セクハラに気付ける場」は「あったほうが良い」ように思います。先ほど「年齢の話をした」と思うけど、そうした「感覚の違いをフラットにする場」は確かに「社会の中にない」ので……。
- 佐藤
- だよね? そういうことなのよ。それで「各自の価値観の違いがフラットにされて」初めて、「それぞれのアイデンティティが出てきて面白くなる」わけですよ。例えば、「あの子はなんか球投げるとカーブだよね」であったり、「あの子が投げると絶対ボレーになるよ」みたいな……。要は「それが個性」なわけだよね。
- 原
- そうですね。今し方は「アイデンティティ」という言葉だったけれど、言うなれば、「より良い個性の表現」のように思います。要は「相手の個性をどう受け止めるか?」と問われた時に、「どれだけフラットになれるか」と言うか、「素の相手を見れる人になること」が重要だろうと思います。
- 佐藤
- 「先生からアイデアをもらった」ので、そろそろ「ソリューション」を……。
- 原
- 「まだ何も言っていない」けど(苦笑)
- 一同
- (笑)
- 井戸
- また「他のことを考えている」な……。
- 佐藤
- 先生と話していると「降りてくる」と言うか「浮かんでくる」んですよ……。
TOPICS
ソリューション
- 井戸
- お願いします。
- 佐藤
- 本日のソリューションはこちらです。「無礼行イベントを開こう」
- 久田
- ふ〜〜〜〜〜!
- 原
- なるほど。
- 久田
- すごく良い! やりたい!
- 井戸
- 良いね、やりたいね。
- 佐藤
- 「無礼講」と聞くと「飲み会」のようなイメージがあるかもしれないけど、単なる「飲み会」ではなくて……。言わば「部活」みたいなイメージなんだよ! 「バスケ」でも「サッカーでも「フットサル」でも何でも構わないのだけど……。要は「男女や年齢・役職の上下も関係ない」……、要は「世代や性別など何もかもを全て超越できる」……。……だから「スポーツ」や「チーム合戦みたいなもので勝敗を競わせる」みたいな「ワークショップもどき」を無礼講でやると何て言うんだろう? 要は「女性」や「男性」、「上司と部下」みたいな既存の枠を超えられるし、各種ハラスメント問題も解決できるかもしれないよね。例えば「何々さんでもこんなふうになってんだから、もしかすると俺はちっちゃいことを延々と考えとったのかな?」みたいに。だから、「そういう気付きを得られる機会を増やしたい」と言うか……。
- 原
- 「気付きを得られる点が良い」ね。
- 佐藤
- そう。言わば「無礼講を通じて気づきを」というところだね。
- 井戸
- やりたいね。
- 佐藤
- 「無礼講」は言わば「フラットな場」だから。(原)先生が「確かに社会にはフラットな場所がないよね」と言っていたので、「そうした場を設けることは良いことだな」と思ったんだよね。そこが「最も着想を得たところ」かな。
- 原
- なるほどです。
- 佐藤
- ありがとうございました。
- 佐藤
- メンズクライシス……。そうだな……。やはり「ワードもいけない」ような気がする……。とは言え、また下手なことを言うと、「YouTubeのコメント欄に何か書かれる(※アートリーアカデミアでは過去に「番組中のささやかな言葉尻を捉えた視聴者によってコメント欄が勝手に炎上する」という苦い経験を何度かしている)」かもしれないけど……。少なからず「言葉が事象を作っている面」もあるよね?
- 原
- そうだね。「意図的な側面は少なからずある」ような気がする……。
- 佐藤
- (何であれ、言われれば)「意識してしまう」よね!
- 原
- 「言葉があると」ね。
- 佐藤
- そうだよね?
- 渡邉
- それまで何ともなかったのに、「病名を付けられたらたちまち意識してしまう」みたいな……。
- 佐藤
- 何となくだけど、「人間の脳はそういうふうにできているのかな?」と思った。
- 原
- そういうこともありますよね。
- 渡邉
- 確かに「無礼講イベント」は大切ですよね。実際、僕が勤めた「女性上司が9割の会社」でも、年に1回、「総会」という社を挙げた宴会があって……。「結婚式の会社」だったので、ダンスや歌を余興として披露するみたいな盛大な飲み会で……。だけど「女性のほうがお酒が強い」みたいな傾向があったので。その結果、「リスペクトが生まれて」仕事でも「何となく互いを尊重し合う」みたいな空気は自然と生まれていましたね。
- 佐藤
- 今何となく思ったのは、「無礼講イベント」を「さらに進化させていく」と……。「ルール:全員タメ口」みたいなイベントになるだろうね。
- 井戸
- 面白そう。
- 原
- だけど、実際に「現実社会で必要とされるだろう」と思います。「年齢で偉い」と言うか、「社会内での年齢が高いから偉い」わけではなく、「能力があるから偉いのだ」というところを「再定義させる」ことは必要だと思います。
- 佐藤
- だよね「全員タメ口のイベント」で……。
- 原
- 誰も彼も「最初に少なからずイラッとする」ものね。
- 佐藤
- だから「強制的にクライシスを起こさせて」、要は「慣れさせて」……。良くない?
- 井戸
- 「強制的なクライシス」なんだ……。
- 佐藤
- そう。だから「上司などがクライシスを感じる」わけだよね。例えば「入社したての人」に……。
- 原
- 「あのさ〜」
- 井戸
- 「お疲れ〜」
- 佐藤
- 「辰彦さ〜、最近面白い映画ある?」
- 原
- 「ここんとこないんだよね〜」
- 佐藤
- 「それで萌はどう?」みたいな……。
- 原
- 「大事」だよね。
- 佐藤
- だけどだんだん「こいつ……」みたいな気持ちが込み上げてくるよね……。
- 原
- だから「どちらか」だろうね。要は「根に持って本当にそのままクライシスになる」か……。
- 佐藤
- だけど、「やった分だけもしかすると変わる」かもしれないよね。例えば「それまで職場で跋扈していた各種ハラスメントがなくなる」みたいな……。
- 原
- それは良い!
- 井戸
- むしろ「少し面白そう」ですよね。「ゲーム感覚で取り入れやすい」ですし。
- 原
- そうだよね。
- 佐藤
- だけど、「他のコミュニティでやった場合、結構問題になる」かもしれないよね。
- 原
- なると思う。
- 久田
- 怖い……。
- 原
- 開始する前に確実に前提条件を言っておかないと。「この場だけですよ」と……。
- 佐藤
- そんな感じですかね。ありがとうございました。
- 井戸
- 来週以降の放送は、こちらの通りとなっています。また木曜日の夜10時にお会いしましょう。次回の放送もお楽しみに。
- 佐藤
- 最後までご視聴ありがとうございました。さようなら 。
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