新しいインバスヘアケア製品として展開されるシャンプーとトリートメントのローンチにあたり、アートリーはクライアントからブランディング全体の相談を受け、コンセプト設計から世界観の構築、コンテンツ展開の企画を行い、ホームページ制作、メタバース開発、動画制作に至るまで制作、プロデュースしました。人物の登場を避けたいというクライアントの要望のもと、プロダクトの核となる“香り”や“使い心地”といった非視覚的な体験をどのように伝えるかが大きなテーマとなる中で、アーティスティックなアプローチと詩的なストーリーテリングにより、独自の世界観を構築しました。

まず、架空の街並みやメゾン、バスルームなど、ブランドが描く上質で静謐な世界を企画し、クラフトとイラストで表現。実際にジオラマを制作してプロダクト撮影を行いました。クラフトの線画と写真の融合によって生まれた非現実的なビジュアルは、製品の香りや質感、そしてブランドの哲学や世界観を繊細に映し出しています。

さらに、ブランドの世界観をより多角的に伝える手段として、ホームページ内にアーティスティックな2Dメタバース空間「VIRTUAL MAISON」を構築しました。訪れたユーザーがブランドの哲学に触れながら空間を探索できるこのメタバースでは、画家、ダンサー、音楽家、ファッションデザイナーなど、多様なアーティストが製品から受け取ったインスピレーションを表現したコンテンツを展開。感性の違いを活かし、香りという抽象的な要素を多層的に翻訳することで、ブランドが届けたい体験の解像度をユニークに広げました。

サイト全体としては、ブランドのトーンに合わせた配色や余白、タイポグラフィで統一し、上質さと物語性が共存するデザインに仕上げました。ナビゲーションや導線設計においても、感覚的に使いやすいUIを重視し、ユーザーが迷うことなく世界観を横断できる構造としています。リアルとデジタルが調和しながら一つのブランド体験をつくりあげていくプロセスを、設計から制作、実装に至るすべての段階で統一感を作り、完成度の高いアウトプットを実現することができました。プロダクトに込めた想いに寄り添いながら、感性に訴えるクリエイティブによって、唯一無二のブランド世界を立ち上げた事例となっています。本プロジェクトで手がけた各種コンテンツは、各ページにて事例としてご紹介しております。ぜひあわせてご覧ください。