
2021.07.29 放送分
ゲノム編集
第39回アートリーアカデミア
THEME
ゲノム編集
今回のテーマは「ゲノム編集」。本分野では科学技術は、「デザイナーベビー」すら可能な領域に既に達している。それに伴い「倫理問題」が話の論点になり、話題が飛び交った末にアートリーアカデミアでは、どのような答えを見つけたのかをご覧ください。
TOPICS
ニュースの話題
- 佐藤
- 今夜も始まりました。アートリーアカデミア。
- 井戸
- 本日のテーマはこちらです。「ゲノム編集。ヒト受精卵に世界初の遺伝子操作。3年前、中国の科学者がゲノム配列を編集する技術を用いて、世界で初めてデザイナーベビーを誕生させたと発表がありました。現在、ゲノム編集市場は2022年5900億円の市場価値から、2030年には1兆2000億年に達すると予測されています。ゲノム編集とは「人工のDNA切断システムを利用して、正確に遺伝子を改変するバイオテクノロジー」のことで 、政府機関による資金提供の増加が、年々市場の成長を刺激しているとのことです」
- 佐藤
- 「ゲノム編集」ということですが。どうですか、徹郎さん。補足があれば(よろしくお願いします)。
- 蒲生
- 「3年前にデザイナーズベビー誕生を発表した研究者と生まれたベビーはその後の消息が分からないらしいです」という補足と……。
- 佐藤
- (それではまるで)都市伝説……。
- 蒲生
- (誕生したデザイナーベビーは)実在は本当にしているんですが。その後の経過が見たいけれど、どんなに調べても出てこない。「ゲノム解析のスピード」は、この3年でさらにすごく進んでいて、最近だとシリコンバレーでしたっけ? にもゲノム編集を生業とする「ゲノムスタートアップ」と呼ばれる企業も増えてきている、という話です。
- 佐藤
- ゲノムの解析も10年近く前に終わりましたものね。7~8年前かな? ヒトゲノムの解析が終わったのは。 要は、今は「倫理的な問題」で、「どこまでやるかやらないか」みたいな話だよね。
- 原
- 表現が悪いけど、「改造人間だからね!」という表現がデザイナーベビーに当てはまってしまったから。「どうなんだ」というところが出てきて。そこは「(生命)倫理観の話」でしょうね。
- 佐藤
- だから、「目の色を変えたり」とか「先天的なもの」が「全部編集できる」ということですものね。「身長」とか「スポーツが得意」、「音楽が得意」だとかまでも全て。
- 井戸
- 言い換えると「先天的な障がい」と言ったらあれですけれど、「少し悪いところがある」場合でも「改善できたり」ということですよね?
- 佐藤
- 本来はそちらのほうが主目的なんだけど。「デザイナーチャイルド」は、どちらかというと「デザイン」するから。
- 井戸
- 「肌の色」や「目の色」、「髪の色」などをデザインして……。
- 佐藤
- だから、「倫理的にどうなのか」で何かあったんじゃない?
- 蒲生
- 「世界中から批判された」らしいんです。「賞賛」や「びっくり!」じゃなくて、「世界中から批判された」そうです。
- 久田
- 批判されるんですね!
- 佐藤
- 既に「(人間のゲノム編集が)できること」は分かっているの。「敢えてみんなやっていない」と言うか。やっているかもしれないし……、多分、やっていると思うんだけど。公表しないよね。
- 原
- 「食料」で言うと、例えばウシやヒツジの「クローン」もゲノム編集の延長線上にある。だから、「それが食材として良いのかどうなのか」という話で……。
- 井戸
- 一時期、話題でしたよね。遺伝子組み換え。
- 佐藤
- 「組み換え」なんかもあるし、大豆とか。
- 久田
- トウモロコシとか。
- 原
- あれ(遺伝子組み換え)も、結局は「ゲノム編集と同じ延長線上」の話。
- 佐藤
- だけど、あれ(ゲノム編集)は、「進化の過程をスキップさせているだけ」という考え方もできるから。本来だったら、「これとこれを掛け合わせると何世代目でこれになるやつが出て……」というプロセスをすっ飛ばして辿り着かせているわけだから。「完成形はこれ」みたいな最終目標を先に決めてやっているから。「変化にかかる時間を短縮させているだけじゃん」みたいな意見もあるし。「(いずれ)辿り着くところをあえて狙ってやっている」わけだから。
- 久田
- 「いずれは辿り着いたところ」……。
- 井戸
- 「過程をカットできる」ことはすごいですけれど。
- 佐藤
- 確か「そういうもの(食物に対する品種改良の一種として)は良いんじゃないか?」という感じなんだよね。
- 佐藤
- どうですか、喜久子さん。このニュースに関しては。
- 永末
- でも、さっき(井戸さんが)おっしゃったように、「病気などを改善すること」は良いと思いますが。後ろ姿や足の形などは本当に遺伝子というか「瓜二つみたいな感じ」で、親子はびっくりするぐらい似ているじゃないですか。子どもと性格も親に似てくるんですよ。だから、「遺伝子の組み換え」をするのは、「(遺伝性の)病気の予防対策」には良いかもしれません。だけど、「(容姿を)きれいにする」というところになると、また分からない……、「科学的」というか「エビデンス的」に分からないですけど、そういうところはどうなるんですかね?
- 井戸
- 「外見だけ」じゃなくて……。
- 永末
- そう。外見だけじゃなくて、狂暴な子になったり、もしかすると逆のパターンもあるのかもしれないですけれど。そういうところを考えると、まだまだ「ニッチな世界」なのかなとは思います。
- 佐藤
- もはや「因果を超越している」よね。今おっしゃったように、「性格が似るパターン」もあれば、逆に(親は)おっとりしていたのに、子どもは狂暴になったり、(親が)狂暴だったから(子どもは性格を)落ち着けたり。そこまで改造できてしまう。(だから結局は)「どこまでやるか」だと思う。あと、もう一つ考えられそうなことは、「愛着が湧かない」かもしれないよね。(ゲノム編集をして生まれてきた子どもが)「すごく高身長で イケメンで……」みたいな感じで美化されていたとしても、「自分の子じゃねえな……」と思ってしまったり。
- 井戸
- (「ゲノム編集をかけ過ぎた」としたら、)「どこも似てなくなり」ますものね。
- 佐藤
- そうなると「ちょっとどうなのかな?」というのはあるよね。「人で試す」というか デザイナーチャイルドは「どこまでデザインするか」によるよね。
- 永末
- でも、赤ちゃんというのは不思議なんですよ。私も子ども産んだことがあるので分かりますけれど、(赤ちゃんは)生まれる時に産道を通って来ますよね。だけど、「産道を通って来た子」と「帝王切開の子」では「性格が違う」と言われているんです。だから、ゲノム(編集を施すこと)でどういうふうに生まれるのかは分からないですけれど。とは言え、まだまだ(ゲノム編集の)「良いところ」よりも「不安なところ」や「リスク」のほうが大きい気がするので。さっき(蒲生さんが)おっしゃったように、「(3年前に中国で誕生したデザイナーベビーのその後は)どうなったか分かりません」ということもあるから思ったんですが。本当に生まれたての赤ちゃんは 顔がひどいんですよ。こんな話をすると、娘に怒られますけれど、(自分が出産した時は新生児室に赤ちゃんが)10人ぐらい並んでたんですけど。うちの子を見た母親が「どうしよう…….」と言ったんですよ。
- 井戸
- (そうは言っても)「生まれたての時の話」だからね。
- 永末
- 「生まれたて」もそうですけど、(新生児室で)並んでいても、「頭は少しへこんでいるし」みたいな感じで。私の産道が狭かったのかもしれませんけれど。でも、今はかわいい子になっているので、「生まれたての時」とは全く違います。ゲノム編集をしたとしても、「生まれたばかりの子どもの時」はきちんと検査できているかもしれなくても、「何年かしたら分からなくなる」かもしれないですよね。
- 井戸
- (「誕生直後」と「ある程度成長してから」だと、)大きく変わってくる可能性もあり得ますものね。
- 永末
- とは言え、「最終的には(子どもは)親に似てくる」はずなので、そこはまだまだ研究されないといけないところだとは思います。先ほども……、本当に何回も言いますけれど、「病気」に関しても、「治れば良いよね」とすごく思っていまして。これは(ここで)言って構わないことなのかどうなのか分からないんですけれど、産婦人科の先生にお聞きした話では、 産婦人科では「奇形児」と呼ばれるんだそうですけれども、稀に「三つ目の子」や「一つ目の子」が生まれることがあるんだそうです。だけど、そういう子は生命力がすごく弱いので、生まれる前に亡くなったり、何カ月で死産ということが多いんだそうです。なんでそうなるのかというと、「どうしても遺伝子が正しく機能していない」ということらしいです。だからそれ(遺伝子が正しく機能しない異常)を改善して、「生まれて来れるようにすること」は良いことだと思うのですけれど。
- 佐藤
- 確かにそれは難しいですよね。「奇形」というのは昔からあるじゃない。昔からあるわけだから 、神様として祀られたりするんだよね。実際、インド辺りだと、ググったらびっくりするほど情報が出てくるから、分かるというか知っているんだけど。そういうもの(先天的な異常)があったとしても、ゲノム編集によって「本当はないもの」だったはずが、「生き延びられるようになった場合」に、「どうなってしまうのかな?」と思うところがあって。
- 永末
- 今の(インドの話は)「アガステアの葉っぱ」のことですかね? 違うんですか? 「アガステアの葉っぱ」ではなかった?
- 佐藤
- インド辺りではそういうの多いじゃないですか。いくつも手があったり。
- 原
- 「頭が二つの子」だったり。
- 佐藤
- 本当にいるから、「そういう(異形の)神様のモデル」になるわけじゃない? 阿修羅もそうだろうし。神の話は置いておくにしても、(ゲノム編集ができるのであれば、)実際にそれ(人為的な先天異常)も意図的にできてしまうだろうし。「安全だよね」ということでやってみたとしても、そこから先、「大人になった時にどうなるか分からない」ということもあるだろうし。難しいよね、データがないわけだから。
- 原
- 全然切り口が違うんだけど、日本の出生率は今「2を切っている」んです。これが「1を切ると種の保存ができなくなる」んです。実際既に1.5は切っているんです。1.3~1.4とかそれくらいだったと思いますが。「日本人という民族を残す」のであれば、ゲノム編集で「本来は亡くなってたかもしれない赤ちゃんが存命できる確率」が増えるのであれば。 ごめんなさい。「倫理」とは外れる話かもしれないけれど、「種を残す」という方向性ではプラスに考えれば良いのかな、と。
- 佐藤
- ビッグピクチャーで捉えるとそうなるんだろうね。だけど、実際に「自分の子の話」になるとしたら……。
- 原
- それはまた「別の話」だと思う。
- 佐藤
- それはいろいろあるよね。男性からしてみたら、「また次があるかもしれない」だろうけど、女性からしてみたら「違う」かもしれないし。もしかすると、逆もしかりだろうし。だから多分、「世界中で止まっている話」なんだろうね。
- 永末
- でも、(人間のゲノム編集自体は)一時期すごく言われていたと思いますけれど。結局、「編集されたゲノム」と言っても、生まれた時にはシューっと分からなくなっていませんか? そうでもないんですか? ビジネスの世界では「ゲノム編集」という話題はどうですか?
- 佐藤
- 多分、「人」じゃなくて 「家畜」や「食べ物」というか「食料品」。あとは「材木」や「資材」だとかもそうかもしれないよね。だからそういうものには行われていて。だから本当はこの分野はすごく進んでいると思う。何というかこれは「想像の話」だけど、おそらく絶対に「ヒト」でもやっているだろうし。もしかすると、著名人とかで既に遺伝子操作されている人も絶対にいるよね。絶対ありそうだよね。だから、「ビジネス」としては「既に成立している」はずだよね。
- 原
- だから、恐らくは「表に出てないだけ」だと思います。知恵も技術もあって、「これ(ゲノム編集)をやれる」んだとしたら。
- 井戸
- 「絶対に」やりますよね。
- 佐藤
- (ゲノム編集を)解禁した瞬間に、「わけの分からない形のペット」みたいな生き物がたくさん出てくるかもしれないよね。
- 永末
- 恐らくそうなりそうですよね。
- 佐藤
- 「絶対に出てくる」と思うよ。そういうものは、いくらでも出てくると思う。
- 原
- 例えばその話で言うと。交配の話……、交配させる話というか。トラとタイガー……。
- 佐藤
- 「ライオン」ね。(ライオンとトラの交配種で)ライガー。
- 井戸
- 「キメラみたい」なことですよね?
- 原
- だけど結局、あれ(ライガー)は「生殖能力がない」んだよ。それ(生殖能力がないこと)を重宝していたお金持ちもいたけれど、「それは倫理的にどうなんだ!」みたいな声が大きくなって作り出されなくなった。(そうなるまでの)一時期は、(ライガーという生き物が)ずっといたんです。でも、例えば「ゲノム編集が自由にできるようになった」としたら。「生殖能力を持ったライガー」も「生み出せるかもしれない」よね。だけど、「それ(生殖能力のあるライガー)が欲しい」という人が出たとして。それ(ゲノム編集)をやれる技術とお金さえあれば「できてしまう」んだから。「誰かが(生殖能力を持つライガーを)飼っているんだろうな」とかも思うし。より身近な話をすると、もしかしたら気付かないうちに「ゲノム編集されたトマト」を食べているかもしれないんだよ?
- 佐藤
- (それがゲノム編集されたかどうかは)見た目からは分からないものね。
- 原
- 日本では(ゲノム編集されたトマトは)ないかもしれないけれど、海外で食べているかもしれない。
- 永末
- でも、プチトマトは品種が何十種類とありますよね。イチゴもそうですけれど。
- 佐藤
- だから、「努力して時間をかけて交配的にゲノム編集するのか」「結果的にゲノム編集なのか」という話だよね。
- 久田
- 「交配して作り変えていくこと」は「倫理的にセーフ」だけど、「ゲノム編集して作り変えること」が「倫理的にアウト」となるのは、「辻褄が合わない」というか「何で?」と思います。
- 佐藤
- だから、(ゲノム編集は)早い話がそこ(交配の過程)を飛ばしてるだけであって。答えは出ていないですね。一度このテーマの……。
TOPICS
テーマ討論
- 井戸
- 深いところに入りましょう。「ゲノム編集 課題:ゲノム編集技術とどう向き合うか?」
- 佐藤
- (我々はこうして)ずっと「どう向き合うかの話」をしていますけれど。
- 久田
- (個人には)「どんどんやっていって良い」と思いますけどね。
- 佐藤
- だから、要は「ヒトに(ゲノム編集を)当てはめるのかどうか」ということでしょうね。このゲノム編集というものは、「後天的にはできない」んだよね?
- 原
- 後天的にはできないよね。要するに「先天的組み変える話」だから。
- 佐藤
- 「受精卵の状態」で「元の遺伝子を書き換える」ということですよね?
- 久田
- (ということは、)「分裂前」じゃないとダメなんだ。
- 原
- 「産まれたあと」というか先ほどのお話あったような「後天的な要素」には何があるかというと。「生活習慣」を例に挙げると、「家族には一緒に生活している」わけですよね。だから「生活習慣」は「後天的にひっついてくるもの」ですよね。
- 井戸
- 「遺伝子うんぬんじゃない」ということですね?
- 原
- 「先天的なものの重要性」が「どこまであるのか」は、人間性の中でもまだ分かっていないでしょう?
- 佐藤
- 「養子」でも結局は「育て方次第」なのか。「きちんと育って、(自分が養子であることを)理解できるかどうか」は、「家族のスタイルが」という話なのか。
- 久田
- 「目の色が違う」と言った「見た目だけ」を意識していたら馴染めないかもしれないですよね。(自分が)「ゲノム編集されて生まれてきたことを知らされていない子ども」として家族と過ごしていたとしたら、「自分はきっとよその子だろう」と思って生きていくことになる気がする。
- 佐藤
- でも、もしかすると「もう少しわけの分からない方向に時代が進んでいった」としたら、子どもから言われる可能性もあるよね。「整形する人と整形しない人では、スタートラインに立つためにいくらの投資が必要。」……知らない?
- 井戸
- 整形する人としない人?
- 佐藤
- すごくファジーに言いすぎちゃった(笑)。結局は「言い方の問題」なんだけどね。「自分が望む顔に生まれなかった人」と「自分の顔に満足している人」とでは、「整形費用」というか「お金のかけ方が違う」というか……。
- 久田
- (「整形する人」というのは、)「(自分の顔に)満足していない人」のことなのね。
- 永末
- でも、「主観」というものは人それぞれなので。本当にきれいな人ほど、さっき(第35回:美容のDX化で)言った「1ミリ違ってもそうじゃない」というか。本当に顔など見た目というものは「主観の話」なので。
- 井戸
- 「造作が」ということですよね?
- 佐藤
- だから、もしかすると子どものほうから「何で私をゲノム編集してくれなかったの!?」と言う可能性が出てくるということですよね。
- 久田
- 隣の何とかちゃんは足が長くなるように編集してもらってるのに……。
- 佐藤
- そういう話だよね。要は「家の考え方」で変わってくるというか。「うちはありのままが良い」というスタイルか「ごりごりにゲノム編集かけて」みたいな違いというか。
- 井戸
- うちはうち、よそはよそ(笑)。内容がすごい。
- RYUICHIRO
- そういうところ(ゲノム編集の問題)にそれを当てはめられることがすごい……。
- 原
- (それだとまるで)「おもちゃを買ってもらう時の話」と同じ(感覚)。
- 井戸
- でも確かに、言われるように……。
- 佐藤
- 多分、実際に社会出た時に「有利不利」で言うと、「ゲノム編集をして、上手にチャイルドデザインできたところのほうが有利」という可能性もあるよね。
- 久田
- それはそうですよね。例えば、頭が良かったり……。
- 井戸
- 「見た目が8割」とも言われたりしますよね。
- 佐藤
- だから、この話題は少し難しいですよね。
- 原
- 話題としては難しい。「簡単にソリューションを出せるのかな?」と思います。
- 佐藤
- 簡単に答えを出せないよね。「どう向き合うか?」の話ですよね。でも、例えば500年とか1000年経ったとしたら、ゲノム編集することは当たり前になるのかね?
- 原
- なると思う。
- 久田
- (そこまでの長期スパンで考えなくても、)本当に「病気だけ」で言えば、さっさと導入したほうが良い。
- 佐藤
- 「病気に関しては」という話では、ね。
- 原
- でも、それは「病院がなくなる」という話だよね?
- 井戸
- そうは言っても、「後天的な病気には罹る」という可能性もありますからね。
- 原
- 「風邪を引きました」とか? (遺伝的)状況で生じるものじゃない場合ならありえるよね。
- 井戸
- 極端な例を挙げると「がんになりました」なども考えられますよね。
- 佐藤
- (病気だけじゃなく)「事故に遭う可能性」も考えられるよね。
- 蒲生
- 確か(この話題について調べる中で、)「この病気に対して抗体を持たせると違う病気に罹りやすくなる」だったり、「こちらをいじるとあちらにがんが生じた」りという配列が書いてあるサイトもありました。
- 佐藤
- つまり、「無敵にはできない」のか。
- 井戸
- 全部を100には……。
- 久田
- そこ(どこかをいじるとどこかに不具合が出るという話)は、「すごい」というか「 さすがだね」というか。
- 蒲生
- (遺伝子改変というのは、要するに野球で言うと)「守備位置を変える」みたいな……。
- 佐藤
- 「守備位置を変える話」なんだね。今の(喩えは)分かりやすかった。
- 久田
- でも、それはつらいですよね。「(遺伝子を)編集したせいでダメになる可能性もある」ということですよね?
- 井戸
- (遺伝子編集をしても)「何がだめになるか分からない」ということですよね? 例えば「コロナにはならなくなったけど、がんにはなりやすい」とか……。
- 佐藤
- そういうことだよね。だから「自然という物はよくできてる」ということだよね。
- 井戸
- そう思うとすごいですよね。
- 佐藤
- だから「病気と言えども難しい」よね。
- 井戸
- そうなると難しいですね。(私は)(ゲノム編集された個体に対して)「スター状態」をイメージしていたので。
- 原
- これは「 遺伝子の配列の話」じゃないですか。技術の話もそうだけど、そのうち 「この病気にはかかりにくいけど、あの病気には罹りやすいという話を解決する状況」も生まれてくるのかもしれないよね。
- 佐藤
- それは「上手な組み合わせができるかどうか」でしょう? 例えば、極端な話になるけれど、「それ(上手な遺伝子改変の組み合わせ)を全員にやった」としたら、例えば、今みたいな新型のコロナウイルスじゃないけど、「全部に適合できてしまう新種のウイルス」を開発できる可能性もあるよね? 言い方が少しおかしかったかもしれないけど。「未知のウイルスの開発もできる」よね?
- 久田
- 結局、「(何に弱いかが)散っているから種が保存できている」んですよね?
- 佐藤
- 「(何に弱いかが)散っている」から「リスクヘッジできている」んだよ。
- 井戸
- 「みんながこれに弱い」となった時が「最悪」なんです。
- 久田
- みんな一緒になったら……、絶滅……。
- 佐藤
- コロナもそうだよね? 「東洋人」というか「アジア人」はまだマシだけど、「白人」というか「西洋人?」のほうが「重症化しやすい」という話でしょう? 例えば、「地球上にいる全員がコロナウイルスに弱い」となったとしたら、(弱点を知った宇宙人に)滅ぼされる可能性もあるよね。
- 井戸
- 確かに。バイオテロを起こせますよね。
- 佐藤
- 長期的な陰謀めいたことを仕込もうと思えば、不可能ではないかもしれないよね。とは言え、こんなこと(地球上の人間が均一化されて滅びること)は、「だいぶ先の話」だから、恐らく難しい。
- 久田
- 「特技の話」で言えば、例えば「音楽にすごく秀でた才能にした」としても、「(ゲノム編集をされた)本人が音楽をやりたいかどうか」は、また別の問題じゃないですか。「『向いていること』と『やりたいこと』は一緒じゃないよね」という話と言うか。それで、「親のこうなってほしい」と「本人のこうなりたい」が余計ぶつかりそうな気が……。
- 佐藤
- だから、「輪廻の輪を翻す」というか、(ゲノム編集を受けて生まれてくる)子どもにヒアリングしないとダメかもね。「どういうふうになりたかった?」とヒアリングでき……、(実際には)できないでしょうけど。
- 原
- 「親の思いだけで」という話になるよね。
- 佐藤
- 難しい話ですよね。(みんなの声も)いってみましょうか。
TOPICS
みんなの声
- 井戸
- みんなの声を聞いてみましょう。『現在、ゲノム編集した食品に対する表示義務はなく、任意である。』
- 佐藤
- だから食品に関しては、要は「かけ合わせのプロセスの飛ばしなだけだから」という話だよね 。大豆だとかのああいうもの(食品表示)は任意なんだね。
- 永末
- よく、パッケージの後ろなどに「遺伝子組み換えは使用していません」みたいなことが書いてありますよね。
- 井戸
- (極端な話を言うと、)「してありません」は書くけれど、「してあった場合」は「取り立てて書かなくても良い」ということですね?
- 佐藤
- でも、おかしな感じになってくるよね。「環境」というか「食品」や「身の回りにあるもの」が、「どんどん改造されていっている」のに、「人だけが改造されていない」。「半分以上不自然」じゃない。(そんな環境に置かれたとして、)適合していけるのかね?
- 井戸
- 「改変するのが自然」かもしれないものね。
- 佐藤
- 例えば「食べ物」や「植物」がぶわーっと全部ゲノム編集されたとして。例えば、桜の木は80年とかで……。
- 原
- 朽ちてしまいますよね。
- 佐藤
- 朽ちるという話ですよね。「今がまさにそのタイミングだから」という話で。だからゲノム編集して、「排気ガスに強い木を生み出す」ということもできてしまう。
- 原
- 「交配」ではなくて、「遺伝子」というか「ゲノム編集」で「それ(新種の開発)を しれっとやってしまう」という話だよね。
- 佐藤
- (しれっと)できてしまうんだ。こういうもの(ゲノム編集)には「わくわくさせられる」一方で、「背徳心みたいなもの」もあるよね。
- 井戸
- 次、いきましょう。『ゲノム編集された子供はその親の子供だと、もはや言えないんではなかろうか。』
- 佐藤
- そういうことだろうね。
- 井戸
- さっき(生徒会長が)おっしゃってましたよね。そういう時(ゲノム編集されていた場合)のDNA鑑定はどうなるんですかね?
- 佐藤
- 「ごりごりに」というか「全部はいじれない」から、問題ないんじゃない?
- 井戸
- 90%以上とかは(親と一致する)?
- 佐藤
- 分かるんじゃない?確か「(遺伝子の)90何%はブタやハエなどと一緒だ」とか言うよね。90%以上だったか 99%だったか……。「ほんの数%の違いだけ」なんだよ。
- 原
- ほんの数%で「人間か人間じゃないか」が分かれるんだよ!
- 井戸
- それなら、(ゲノム編集されていたとしても)DNA鑑定はできるのか。
- 久田
- それは「(ゲノム編集された結果、人間じゃなくて)ハエになることもある」ということですか?
- 佐藤
- 受精した後は「進化の歴史を辿りながら発生が進む」という話もあるじゃない。
- 井戸
- 『病気がなくなることで闘病経験がなくなる。闘病経験がなくなることで 人の個性がなくなる』
- 原
- 私の見解は少なからず違うかな。私自身、小さい頃に闘病生活が長かったんですが、(闘病中の生活というのは、)「つらいしかない」んですよ。実は隔離病棟にいたこともあったんです。(隔離病棟では)「人と接触できない」んです。そんな環境で育まれた人間が、「そこでの闘病生活が」と言われたとしたら、「いやいや……」という話になる。「そんなこと(闘病生活の経験)よりも健康体が欲しいわ!」と思うわけで。
- 佐藤
- 「闘病」というか「隔離されていたこと」は「個性になっている」んじゃないの?
- 原
- 何? 「今は違う方向に走っているでしょう?」と言いたいんですか?
- 佐藤
- (むしろ)「隔離されていたから、人とかかわりたい性格になっている」と言いたかったんだけど。
- 原
- 気づいたことなかった……。
- 井戸
- 『ゲノム編集することで コロナには感染しないが、他の病気になりやすくなるでしょう。』
- 佐藤
- これもさっき話していたよね。難しいよね。ソリューション出せるのかな……。
- 井戸
- いけますか? ペンを握りましたけど。
- 久田
- もう一個ありました?
- 佐藤
- もう一個ある?
- 井戸
- これで最後です。
- 佐藤
- これは「ネタルート」で入らなくてはダメかもしれない。
TOPICS
ソリューション
- 井戸
- 生徒会長。本日のソリューションをお願いいたします。
- 佐藤
- 本日のソリューションはこちらです。「愛をカタチにしよう!」。だから「ゲノム編集を人に限った話」よ。「改造する」じゃなくて、「デザイナーチャイルド」というところから見て。 要は「男性と女性の好き同士から生まれた愛の形をそのまま生みましょう」ということで良いんじゃないでしょうか。やはり本来は「持って生まれたもので何とかする」ということが自然ですよね。だから「人は強くもなれる」し。とは言え、「戦いきれない場合もあるかもしれない」し。だからこそいいんじゃないの? それ(科学の力をもってしてもままならないもの)が、「人生というもの」なんじゃないでしょうか。
- 原
- 「痕跡を残す」というか「それぞれの残し方」という話になるよね。
- 佐藤
- どんな形で生まれても、「適合しなくちゃいけない」んだから。結局一緒なんだよ。芝生なんて 「隣が青」ければ、「またその隣も青い」だろうし。「さらにその隣も青い」だろうから、「切りない」んだよ。だから「何が本質か?」と言うと、「愛をそのままカタチにしよう!」ということになるんです。ありがとうございました 。「時間ですよ!」みたいな終わり方でしたね。喜久子さんは今回が初めてなのに 、5週分もありがとうございました。どうでしたか?
- 永末
- テーマも面白かったですし、皆様の話も楽しかったので。本当に貴重な良い経験をありがとうございます。
- 佐藤
- ありがとうございました。また(ゲストとして)ぜひよろしくお願いします。
- 井戸
- 来週以降の放送はこちらの通りになっています。次回も毎週木曜日 夜10時からです。また次回もお楽しみに。
- 佐藤
- 最後までご視聴ありがとうございました。さようなら。
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