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今回、導入インタビューを実施いたしました、
「Welながメタバース 福祉のお仕事紹介デスク」の詳細を知りたい方は、
以下のリンクよりご覧いただけます。
URL:https://artory.co.jp/works/362
長崎県社会福祉協議会 インタビュー
2025年7月2日、NHKチャンネルでも紹介された長崎県社会福祉協議会様の取り組み「福祉人材サービスがメタバースでサービスを開始」において、アートリーのMETAOWNED「相談デスク」を導入いただきました。導入から約半年が経過し、実際にどのような変化があったのか。今回は「長崎県社会福祉協議会」を代表して、次長・森園様、所長・岩崎様、相談員・山本様の3名の方々に、お話を伺いました。
本記事では、そのインタビュー内容をご紹介します。
アートリー
従来の相談体制において、どのような課題や悩みがありましたか?
森園様
Zoomを使う場合、どうしても事前の設定などが必要で、相談者にとってハードルがありました。また、LINEチャットはリアルタイムで連絡できる一方で、拘束力がないため返信が返ってこないことも多かったんです。
さらに、「来所」や「訪問」といった直接相談そのものにも大きなハードルがありました。仕事に関する相談は生活や人生に深く関わる重い悩みが多く、初対面の相談員にいきなり話すのは抵抗を感じる方が少なくありません。特に若い世代ではその傾向が強いと感じています。
だからこそ、いきなり直接相談に行くのではなく、もっと気軽にアクセスできる“ワンクッション”となる仕組みが必要だと考えていました。時代に合ったツールが求められていたのだと思います。
アートリー
若年層や離島の方など、「相談しにくさ」を感じている層への支援において、特に課題はありましたか?
森園様
そうですね。長崎は離島が多く、陸地も山がちで、県内の移動に2時間ほどかかることもあります。そのためリアルで会うこと自体のハードルが非常に高いんです。また、長崎県社会福祉協議会としても、そうした地域へはなかなかPRが届きにくいという課題を抱えていました。
アートリー
様々なITツールがある中で、“メタバース”という手法を選ばれた理由や背景を教えてください。
森園様
まず大きかったのは、時間や場所にとらわれずに相談できる点です。さらに、他のオンラインツールと違い「空間を共有できる」という魅力を強く感じました。
もともとはテレワークに使えるメタバースを探していたんです。オンラインオフィスはZoomのような堅苦しさがなく、「オンラインだけでは少し物足りない」と感じる人にとっても使いやすいと考えていました。そこから、相談の場としての活用もイメージできるようになりました。
もちろん、相談はリアルで直接お話しするのが理想だと思っています。ただ、それではどうしてもハードルが高い。だからこそ、その中間地点としてメタバースがちょうどいいと考えました。
アートリー
アートリーをパートナーとして選んでいただいた理由を教えていただけますか?
森園様
導入時に心配していたコスト面や制作期間の不安を、最初にしっかり明確化してくださったことが安心につながりました。
また、ビジュアル面も魅力的でした。あえて2Dでつくられていて、マスコット的で親しみやすい雰囲気があったんです。リアルすぎるアバターだと生々しさが出てしまいますが、温かみのあるデザインは相談の場にぴったりでした。
さらに、ブラウザから直接アクセスでき、登録の手間も少ない点も大きな決め手でした。
……でも実は、一番の決め手は「アバターが可愛かったこと」かもしれませんね(笑)。
アートリー
現在、welながメタバース相談デスクはどのように運用されていますか?
山本様
まず、welながのホームページにリンクを設置し、そこからアクセスできるようにしています。開設時にはチラシも作成し、県内の養成学校や各学校へ送付しました。チラシにはQRコードを掲載し、スマートフォンからも直接メタバースに入れる動線を整えています。さらに、県内のハローワークにも利用マニュアルを配布し、そちらからもご案内いただけるようにしました。
利用者がメタバースに入室すると、相談員側にメールとLINEで通知が届く仕組みになっています。相談員は4名体制で、入室があれば誰かが対応し、まずはチャットで声をかけるようにしています。ただ、最初の声かけで退出される方も一定数いらっしゃいます。一方で反応がある方には、個別の通話ルームやLINE登録、求職登録の案内などへとつなげています。
アートリー
定期的にイベントも実施されているとうかがいました。どのような内容でしょうか?
山本様
直近では、就職フェア(リアルイベント)の“プレイベント”として、メタバース上で交流会を開催しました。
法人で働く職員2名にご協力いただき、パネルディスカッション形式で進行しました。私からの質問に登壇者が答えるスタイルで進めたのですが、32名の方に参加いただき、大きなトラブルもなくスムーズに運営できました。参加者も積極的に質問してくださり、非常に盛り上がりましたね。
今年の秋にも、同様のイベントを実施する予定です。
アートリー
導入後、利用者数や相談件数に具体的な変化はありましたか?
山本様
従来のオンライン相談は、実績がほとんどありませんでした。それがメタバース導入後は、チャットや通話での相談が月に数件ずつ発生するようになり、4月から現在までの月平均アクセス数は約1,000件に上っています。
今年6月には、実際に求職者登録を経て転職活動につながった方も出てきました。少しずつですが、具体的な成果が見えてきていると感じています。
アートリー
業務の効率化や対応のしやすさといった面では、変化を感じますか?
山本様
Zoomのように事前準備が不要なので、相談をシームレスに始められるのは大きな利点です。とても簡単で、相談員としても対応しやすいですね。
また、遠方への出張が不要になったことで、移動にかかる時間やコストも大幅に削減されました。業務の効率化という点でも大きな効果を実感しています。
アートリー
その他、導入後に感じられた効果はありますか?
山本様
メタバース内にLINE登録や求職登録ページへのリンクを設置しているため、相談から登録までが非常にスムーズになりました。利用者が自然な流れで次のステップに進めるようになったのは大きな変化です。
さらに、行政関係者や他の社協の方から「メタバースをどう活用しているのか?」と問い合わせをいただくこともあり、話題性や注目度の高さも感じています。
アートリー
NHKなどメディアに取り上げられた経緯について、差し支えない範囲で教えていただけますか?
岩崎様
この事業は社協が県から受託して実施しているもので、4月のサービス開始に合わせて事前に県からプレスリリースしていたところ、当日にNHKが取材に来てくださったんです。
結果的に、県内の情報番組『ぎゅっと!長崎』で放送され、メタバースの取り組みだけでなく社協の活動全体も紹介していただけました。
アートリー
実際に報道された後、どのような反響がありましたか?
岩崎様
放送直後から数件のログインがありました。プレオープンからの月平均アクセス数が約1,000件と高い水準を維持できているのも、報道の効果が大きいと思います。
特に番組で「土日も利用できる」と紹介してもらえたことで、土日のアクセス増につながりました。
アートリー
福祉や公共領域におけるメタバースの活用について、周囲の自治体や業界関係者からの関心の高まりを感じる場面はありますか?
岩崎様
はい、放送後に県外の社協や厚生労働省から問い合わせがありました。東京の中央福祉人材センターでも注目していただき、「どういう経緯でメタバース相談室を開設したのか」と質問を受けました。
また、長崎県内の自治体からも「新しい取り組みだ」と評価をいただき、関心の高まりを実感しています。
アートリー
今後、welながメタバースをさらに活用・発展させていくご予定はありますか?
森園様
相談事業は私たちの核なので、そこは今後も大切にしていきたいと思っています。ただ、それだけに留まらず、イベント会場としての活用にも広げていきたいですね。
たとえば、別の部屋に入ると展示場が広がっているような“別部屋体験”をつくったり、相談員がいない時間帯でも情報収集できる“無人空間”を設けたりと、用途の異なる空間を用意できればと考えています。そうした仕掛けで「探検して回れる」ようにすれば、何度でも訪れたくなる動機づけになるのではないでしょうか。
さらに、UターンやIターン希望者に向けて、長崎の魅力を伝える交流会や展示会も企画していきたいです。将来的には「相談」を中心に据えながらも、総合センターのような空間に育て、「ここに来ると面白い」と思ってもらえる場を目指していきたいですね。段階的には、まず“展示会”的な取り組みから始めるのが現実的だと考えています。
アートリー
もし「METAOWNED」を他の団体や自治体にご紹介いただくとしたら、どのような組織におすすめされますか?
森園様
ハローワークのように仕事相談を扱う同業種には特におすすめできます。メタバースはリアルとオンラインの中間地点にある存在で、引きこもり支援などとも相性が良いと感じています。
相談援助では「ラポール(信頼関係)」を築くことが大切ですが、メタバースはその“最初の接点”として非常に有効です。直接会うのはハードルが高いという方でも、少しずつ関係を築けますし、「話すかどうか」「続けるかどうか」を自分で選べる仕組みは安心感につながります。
一見デメリットにも見える“途中退室”も、実は利用者の意思を尊重できるという意味でプラスに捉えています。いつでも入れて、いつでも抜けられる――これはリアルにはない、メタバースならではの強みだと思います。
アートリー
なるほど、素晴らしいお考えです。森園様、本日は貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。メタバース相談デスクの取り組みが、今後さらに多くの方々の支援や可能性につながっていくことを心より期待しております!
今回のインタビューを通じて、現場で実際に運用されている方の“生の声”に触れることができました。こうした声を直接伺うことは、私たち作り手にとっても非常に大きな学びであり、サービスをより良いものへと進化させるために欠かせないものだとあらためて実感しました。
メタバース相談デスクは、相談支援において「リアルとオンラインの中間地点」として機能していることがわかりました。一方で、入室してすぐに退室してしまう方がいるなど、運用上の課題も存在します。
しかし森園様は、それを“利用者自身が選択できる自由”と捉え、むしろ安心感につながる要素として受け止めておられました。現場ならではのリアルな視点は、非常に示唆に富んでいると感じます。
また、イベント活用や無人空間での情報提供など、今後の発展的な構想も伺うことができ、相談支援の可能性が広がっていることを強く感じました。相談を核にしながらも、多様な活用ができる“総合センター”のような場へと成長していく未来像は、同じくサービスを生み出す立場にある私たちにとっても大きな刺激となりました。
アートリーは今後も、現場からの学びを糧に、既存のメタバースをさらに使いやすく機能的なものへと改善していきます。
今回、導入インタビューを実施いたしました、
「Welながメタバース 福祉のお仕事紹介デスク」の詳細を知りたい方は、
以下のリンクよりご覧いただけます。
URL:https://artory.co.jp/works/362