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事例紹介
MEDIA
株式会社アートリー |
情報通信・ソフトウェア
施策サマリー
ソリューション開発 / UI・UX設計 / システム開発 / WEB制作
日報という仕組みは、多くの会社に存在します。しかし、その多くが形骸化しています。「書かなければいけないから書く」。義務感だけで続けられる日報は、書く側にとっても読む側にとっても、負担でしかありません。
ARTORYでも、日報の運用に課題を抱えていました。従来の日報は、一日の終わりにまとめて書くスタイル。何をやったか思い出しながら、ある程度の文章量で報告する。書く側には「ちゃんと書かなければ」というプレッシャーがあり、つい後回しにしてしまう。結果として、書く頻度が下がり、内容も形式的になっていきます。
読む側にも問題がありました。長文の日報が複数人分届いても、すべてに目を通す時間がない。読んでも、反応する手段がない。「いいね」も「コメント」もできない仕組みでは、読んだことを伝える方法がありません。書いた側は、自分の日報が読まれているのかわからない。反応がなければ、書くモチベーションも下がります。
この悪循環が、日報を形骸化させていました。書く側は義務感で書き、読む側は流し読みし、誰も本気で向き合わない。本来、日報は「チームの動きを把握する」ためのツールのはず。しかし、その目的が果たされないまま、「やっている感」だけが残る業務になっていました。
まず取り組んだのは、日報の目的を問い直すことでした。日報とは、何のために書くのか。報告義務を果たすため? 上司に仕事ぶりをアピールするため? それとも、自分の作業ログを残すため?
ARTORYが定義したのは、「誰が何をしているかを、チーム全体で把握するため」という目的でした。個人の報告ではなく、チームの可視化。自分だけでなく、他のメンバーが今日何をしていたかがわかる。それによって、チームとしての動きが見える。助けが必要な人に気づける。成果を出した人を称えられる。日報は、チームをつなぐコミュニケーションツールであるべきだと考えました。
この目的に立ち返ると、従来の日報フォーマットの問題点が見えてきます。長文で書く必要があるのか? 一日の終わりにまとめて書く必要があるのか? テキストだけで伝える必要があるのか? 目的を達成するために、最適な形は何か。その問いから、設計が始まりました。
目指したのは、SNSのような気軽さでした。TwitterやInstagramに投稿するように、日報も書けないか。長文を構成する必要はない。思いついたときに、短い文章でサッと投稿できる。写真を添付してもいい。絵文字を使ってもいい。「ちゃんと書かなければ」というプレッシャーから解放されるインターフェースを設計しました。
チャット感覚で一日の業務内容を投稿できる設計にしたことで、書くハードルは大きく下がりました。一日の終わりにまとめて書くのではなく、作業が終わるたびにサッと投稿。「今日やったこと」を思い出す必要がなくなり、リアルタイムで業務が可視化されていきます。
PWA(プログレッシブウェブアプリ)として構築したことで、デスクトップでもモバイルでも同じ体験で利用できます。オフィスのPCからでも、移動中のスマートフォンからでも、気軽に投稿できる。場所やデバイスに縛られない設計が、書く頻度の向上につながりました。
技術的には、PWA(プログレッシブウェブアプリ)として開発しました。ブラウザで動作しながら、ネイティブアプリと同等の使い勝手を実現する技術です。デスクトップでもモバイルでも、インストール不要で同じ体験を提供できます。オフィスのPCからでも、外出先のスマートフォンからでも、いつでも日報を投稿し、仲間の投稿にリアクションできる環境を整えました。
| なぜSNSライクなUIか | 日常的に使い慣れたSNSの操作感が、日報への心理的ハードルを下げ、コミュニケーションを促進するため |
|---|---|
| なぜコメント・いいね機能か | 一方通行の報告を双方向の対話に変え、チームのつながりを強化するため |
| なぜPWAか | アプリのインストール不要で、デスクトップ・モバイル両方から同じ体験を提供するため |
ソリューション企画・設計 / UI・UX設計(SNSライクなタイムライン設計) / PWA開発 / コメント機能開発 / いいね機能開発 / レスポンシブ対応(デスクトップ・モバイル)
導入後、最も大きな変化は「毎日書くようになった」ことです。義務感で後回しにしていた日報が、自然と毎日投稿されるようになりました。
理由はシンプルです。書くのが楽になったから。そして、反応があるから。SNS感覚でサッと投稿できる気軽さと、「いいね」がつく小さな喜び。この二つが、日報を「やらなければいけない業務」から「やりたくなる習慣」に変えました。
コミュニケーションも活発になりました。以前は日報を読んでも、反応する手段がなかった。今は「いいね」を押すだけで「見たよ」と伝えられる。気になることがあればコメントできる。日報を起点に、「あの件、どうなった?」「手伝おうか?」といった会話が自然に生まれるようになりました。
日報の目的である「誰が何をしているかを把握する」も、ようやく達成されるようになりました。チームメンバーの動きがリアルタイムで可視化される。誰が何に取り組んでいるか、どこで苦戦しているか、何を達成したか。日報を見れば、チームの今がわかる。これが本来、日報が果たすべき役割でした。
形骸化していた業務を、目的に立ち返って再設計する。時代に合わせたインターフェースで、やりやすさを追求する。反応のハードルを下げて、コミュニケーションを生む。この設計思想は、日報に限らず、あらゆる「義務的な業務」の改善に応用できるアプローチです。