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いま注目されつつある新しい広告の形

いま注目されつつある新しい広告の形

久田七菜子(株式会社アートリー)インタビュー

OUTLINE/ 概要

高いシェアを誇りながらも、一方で出稿数に限界を迎えつつあるウェブ広告。こうした状況の中、ウェブ広告に次いで今後どういった広告媒体が増えていくのか。最近注目されつつある「ネットワークとリアルの融合」という観点から広告の今後を考えていきます。

目次

1.ウェブ広告の媒体数は限界まで来ている
2.ウェブ空間から脱却した「デジタルサイネージ」という形
3.注目したのは「居酒屋での滞在時間」
4.店舗側に広告収入が入るという新しい仕組み
5.5Gという通信環境がもたらす変化
6.まとめ

ウェブ広告の媒体数は限界まで来ている

久田:ウェブにはもう広告を出せる場所がないという話は、取引先の方たちとの間でもよく話題になります。
これは東京でデジタルマーケティングを専門にしている会社さんから聞いた話ですが、「大手通販サイトのスーパーセールのときに5日で予算2000万を使ってくれと頼まれたけど、最後の200万が消化できなかった」だなんて出来事もあったりしたそうです。結局ウェブにはもうこれ以上出稿できる媒体がない、飽和状態なんですよね。

ウェブ空間から脱却した「デジタルサイネージ」という形

久田:そこで注目したのが、デジタルサイネージです。これはスマホ、パソコンといったウェブ上ではなくアナログの空間にディスプレイを設置して広告を表示するというやり方です。
デジタルサイネージ自体は以前から注目されていて、地方でも店舗に置いたディスプレイにSDカードを入れて広告を配信しよう、みたいな動きはあったんですが、うまくいかなかったんですよね。というのも、スポンサーを見つけるのが大変ということもありますが、セグメントを切りにくいということもあって。そこで、こうしたデジタルサイネージがアドネットワークにつながったら面白いんじゃないかって考えたんです。例えば、東京だと2~3年くらい前からタクシーに導入されていたりします。JapanTaxiなんかでも、乗ると後部座席にカメラの付いたディスプレイが設置されていて、顔を認識して年齢や性別に応じた最適な広告が表示されるんです。

注目したのは「居酒屋での滞在時間」

久田:これは私が2年ほど前から思っているのですが、このデジタルサイネージを飲食店、特に居酒屋なんかに設置したら面白そうだな、と。
飲み会になると、短く見ても2時間くらいは滞在するし、宴会なんかで盛り上がったりすると5時間、6時間と平気でいるわけじゃないですか。こうなったとき、ウェブで考えたら滞在時間6時間ってすごいことだな、これはすごい広告枠だなって思ったんです。居酒屋の例でいくと、ディスプレイを通じて渋谷で飲んでいる人たちに対しての配信ができる。これってつまりジオマーケティングが可能ということですよね。例えば、渋谷で飲んでいる人たちに、青山や表参道にある居酒屋の広告を表示して2件目、3件目に誘導したりとかして、今までにないゲリラ戦みたいな。中には同業他社の広告は出しません、みたいな店も出てくるかもしれないですけどね。

久田七菜子
新しい広告の可能性について、熱が入りながら話す久田

店舗側に広告収入が入るという新しい仕組み

久田:もう一つ思ったのが、こういう形にすると店舗側にも広告収入が入るんじゃないかっていうことです。ウェブ広告では「クリックされたか」とか「何秒表示させたか」という点が大事ですが、居酒屋みたいな店舗なら卓数が多いほど広告収入がでるといったような感じですね。
こうして店舗に広告収入が入ることで次に何が起こるかというと、不動産側の動きも変わってくると思うんです。例えば、最初のイニシャル費用なしだったり、月額費なしだったりとか。要はそこで広告収入が入って不動産側はストックになりますからね。

5Gという通信環境がもたらす変化

久田:数タクシーが導入しているように、居酒屋のディスプレイもカメラで顔認識して、年齢や性別、カップルなのか仕事仲間なのかとかを判別したら大体ターゲティングができるので、そこに最適な広告を出す。それこそIoTだし、そういうことは今後増えていくんじゃないかなって思います。スマホやパソコンといったウェブ上だけの広告媒体はもう限界がきていますから。だから、アナログの領域、現実世界で何時間も滞在するような場所にディスプレイを置いて、そのディスプレイがさらにアドネットワークに接続できるとなれば、もっとマーケティングは盛んになると思います。それこそ通信環境が5Gの世界になって、IoTがもっと増えてくる世の中になったら、ありとあらゆるところがインターネットとつながるわけですよね。あとはそこにもうディスプレイを表示させて、それがアドネットワークに接続されたりとかしたら面白いんじゃないかと、そう思っています。

まとめ

飽和状態を迎えつつあるウェブ広告に次いで、デジタルサイネージが改めて注目され始めています。これまであったような単なるディスプレイ広告としてではなく、アドネットワークとの接続やカメラでの顔認識システムを活用した新しい形のデジタルサイネージ広告が、今後増えていくのではないでしょうか。

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