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  • 課題
    • オンライン婚活という、未知への入り口をどう設計するか
  • 解決策
    • 没入感より、安心感。「この場なら話してみてもいい」と思える空気を設計する
    • 「いきなり交流」はハードルが高い。だから「まず相談」から始める段階的設計
    • 「本人とのギャップ」を生まない。動物アバターという選択
    • 設計・実装内容
  • 成果
    • 「安心して話せた」。見た目ではなく、会話で相手を知る場
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顔を出さずに本音で話せる婚活メタバース。バーチャル婚活の心理的ハードルを段階的に解消した設計事例

メタバースを活用した婚活サービスのDX事例

縁結び福良株式会社 |
結婚相談所

この事例から得られる学び
  • 新しい体験の導入は、段階を踏んで慣れてもらう設計が利用率を左右する
  • 参加者の心理的ハードルは、技術ではなく体験設計で解消できる
  • アバターは、サービスの性質によって「人間らしさを抑える」選択肢がある

施策サマリー

導入設計 / 参加体験設計 / アバター設計 / ブランド統一 / HP制作

オンライン婚活という、未知への入り口をどう設計するか

縁結び福良株式会社は、婚活事業を展開する企業です。浜松市の「婚活に活用できるメタバース構築」案件への参加を検討する過程で、ひとつの問いに直面しました。メタバースで婚活は、参加者に受け入れられるのか。

一般的な3Dメタバースは、専用アプリのダウンロード、操作習得、リアルに近い3Dアバターといった要素が揃います。没入感は得られますが、婚活という繊細なテーマでは、この「重さ」がそのまま参加へのハードルになります。

もうひとつの懸念は、アバターの見た目でした。人間アバターを採用すると、「実際の自分との差」が必ず生まれます。可愛らしすぎても、整いすぎても、選んだ時点で相手への違和感を残す。真剣な場であればあるほど、この差は信頼構築を妨げる要因になる可能性があります。

解決策SOLUTION

  • 「没入感」より「安心感」を優先し、気軽に参加できる空気を設計
  • 「いきなり交流」ではなく「まず相談」から始める段階的な導入設計
  • 動物モチーフのオリジナルアバターで、外見比較の土俵そのものを外す

没入感より、安心感。「この場なら話してみてもいい」と思える空気を設計する

縁結び福良が求めていたのは、最先端の技術体験ではありませんでした。参加者が「この場なら話してみてもいいかもしれない」と思える空気感。それをどう設計するかが、このプロジェクトの本質でした。

ARTORYが提案したのは、3Dではなく2Dメタバースの活用です。ブラウザからワンクリックで入室でき、操作もシンプル。派手な空間演出はありませんが、その分「気軽さ」があります。「難しそう」「操作がわからない」というストレスがないこと。それだけで、参加へのハードルは大きく下がります。

アバターのデザインも、親しみやすさを重視しました。アイコニックで可愛らしい見た目は、初対面の緊張を和らげる効果があります。「怖い」「不気味」という印象とは無縁の、安心できる世界観。浜松市のプロポーザルに向けて実施したプレ交流会でも、この環境でコミュニケーションが自然に生まれることを確認できました。

「いきなり交流」はハードルが高い。だから「まず相談」から始める段階的設計

プロポーザルの結果は、採択には至りませんでした。競合他社がリッチな3D表現で提案し、市が求めていた方向性と合致したためです。しかし、縁結び福良はこの結果を受けて、むしろ確信を深めました。「自分たちの顧客には、安心感のある2Dの方が合っている」と。行政案件とは切り離し、自社サービスとして導入する判断をされました。

ここでARTORYが提案したのは、段階的な導入設計です。婚活に参加する人の心理を考えると、「いきなり知らない人とアバターで交流する」というのは、ハードルが高い。初対面への緊張、うまく話せるかという不安、場の空気に馴染めるかという心配。これらを一気に乗り越えてもらおうとするのは、無理があると考えました。

そこで、最初のステップは「カウンセラーとの1対1の相談」に設定しました。知らない参加者ではなく、プロのカウンセラーが相手。アバターでのコミュニケーションに慣れてもらいながら、婚活への不安や希望を話せる場として。この段階で「アバターでも普通に話せる」という体験をしてもらい、次のステップとして、複数人が参加するセミナーやイベントの場へ。そして、その先に婚活イベントや交流会を設計しました。段階を踏むことで、心理的な準備ができた状態で次のステップに進んでもらうことが狙いでした。

「本人とのギャップ」を生まない。動物アバターという選択

アバターの見た目は、婚活においては極めて重要な問題でした。人間のアバターを選ぶと、どうしても「実物との比較」が生まれます。アバターが可愛いほど、「実際は違うんじゃないか」という疑念を持たれる可能性がある。逆に、地味すぎるアバターは選びたくない。この矛盾を、どう解決するか。

ARTORYが提案したのは、人間ではなく動物モチーフのオリジナルアバターでした。人間の姿を再現しないことで、「外見の比較」という土俵自体を回避します。動物だから、「実物と違う」という概念が成立しない。参加者は純粋に会話の内容、人柄、価値観で相手を判断できます。親しみやすいデザインでありながら、先入観を与えない。婚活という場において、これは大きなアドバンテージでした。

さらに、メタバース空間とホームページのブランドを統一。相談用の空間とイベント用の空間、それぞれの役割を整理しながら、縁結び福良というサービス全体の世界観に一貫性を持たせました。参加者がどの接点から入っても、同じ安心感を感じられる設計です。

なぜこのアプローチか
項目 内容
なぜ没入感より安心感か 婚活参加者が求めているのは、技術体験ではなく「話してみたい」と思える空気だから
なぜ段階的導入か いきなり交流ではなく、相談→イベント→交流と段階を踏むことで、心理的準備ができるから
なぜ動物アバターか 人間アバターは外見比較を生むが、動物なら「実物との違い」が問題にならないから

設計・実装内容

参加体験の導入設計(相談→イベント→交流の3段階) / 安心感を重視したメタバース空間構築(相談用・イベント用) / 動物モチーフのオリジナルアバター設計 / サービス全体のブランド統一(メタバース+ホームページ)

「安心して話せた」。見た目ではなく、会話で相手を知る場

導入後、参加者から届いた声があります。「顔出しがないから、安心して話せました」。

婚活の場で参加者が恐れるのは、外見や第一印象で評価されることです。顔が映らず、動物アバターで会話する構造は、この評価軸を画面から外しました。外見を気にせず話せる環境では、本音が出やすくなります。

また、「自宅から参加できた」という声は、オンライン化の別の価値を示しています。移動時間、身支度、会場での待機。リアル婚活の隠れたコストから、参加者は解放されました。忙しい人、育児中の人、地方在住の人にとって、自宅から参加できることは、それ自体が機会そのものです。

縁結び福良の事例は、プロポーザル支援から、方針転換、自社サービスとしての導入設計、空間構築、ブランド統一まで、約3ヶ月にわたる一貫支援となりました。単にメタバースを作るのではなく、「どう使い始めてもらうか」「どう慣れてもらうか」「どう安心してもらうか」を設計する。参加者の心理に寄り添った導入設計が、「安心して話せた」という成果につながったと感じられます。

ARTORYだからできたこと
  • 「何を作るか」ではなく「どう参加してもらうか」を起点に設計
  • プロポーザル不採択を、むしろ「自社に最適な形」を見つける機会に転換
  • メタバース・アバター・ホームページを、ひとつの体験として統合

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「オンラインでサービスを展開したいが、参加者の心理的ハードルが気になる」「新しいツールを導入したいが、どこから始めればいいかわからない」という課題をお持ちではないでしょうか。対人コミュニケーションを伴うサービスのオンライン化において、参加者が安心できる環境づくりと、段階的な導入設計のお手伝いができればと考えています。

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