目次
1. 「伝燈LIVE」はARTORYの花仕事だった
2. 『伝燈LIVE』を経験したVEDUTA・渡邉氏の変化
3. 挑戦する人がいなければ社会の発展はなくなる
伝燈LIVE プロジェクトレポート Part.7
10月10日、1,200年の歴史を持つ比叡山延暦寺で、初となるオンラインイベント『伝燈LIVE』が開催された。世界遺産でのファッションショーをやりきったARTORYの今後の展開について、プロジェクトを企画したARTORY代表・佐藤丈亮(じょうすけ)に話を聞いた。(2022年11月時のインタビューに基づく)
1. 「伝燈LIVE」はARTORYの花仕事だった
2. 『伝燈LIVE』を経験したVEDUTA・渡邉氏の変化
3. 挑戦する人がいなければ社会の発展はなくなる
いま心に留めている言葉がある。
「「先日、経営者の方たちが集まるシンポジウムに参加したんですが、そこで聞いた“花仕事”“米仕事”という言葉がすごく印象に残っているんです。簡単に言えば、経済性を求める、つまりお金を稼ぐための仕事が“米仕事”で、公共的・社会的視点で行う金銭的代価を超えた仕事が“花仕事”。そして、いまの日本には花仕事が足りないというものです。昭和の企業家は、米仕事で稼いだ私財をボランティアや社会貢献に投じていた。だから、日本は経済成長してこられたんです。なぜ日本がいま弱くなっているのかというと、花仕事をする人間が減ってきているからなんですね」(佐藤丈亮、以下同))
『伝燈LIVE』はまさしくARTORYの花仕事だった。
「結局、みんながみんな米仕事しかやらなければ、社会はよくなっていきません。ただし、花仕事をするためには、米仕事でちゃんと稼ぐ必要があるんですよね。だから、その両輪でやることが大事だと思っています。西洋にも“ノブレス・オブリージュ(位高ければ徳高きを要す)”という似たような言葉がありますし、これからも花仕事はやっていきたいと思っています」
もともと『伝燈LIVE』はVEDUTAのファッションショーをやりたいという渡邉氏の夢からはじまった。
「最初は渡邉さんも、色んな景色が見たいから延暦寺では一度やればいいかなと言っていたんです。でも、いまは“延暦寺で続けていきたい”と思うようになりました。もともとは自分のショーだから、自分の表現や世界観を前面に出していきたいという気持ちが大きかったんですが、オーディションでたくさんのモデルたちの夢や魂に触れ、ARTORYが本気で仕事に取り組む姿勢に感化されていくうちに、いまではファッションショーをやりたいという自分の想いが、誰かの夢を叶えることにつながっていると感じてるみたいです」
それはVEDUTAを立ち上げた渡邉氏が自身の哲学へ回帰するものであった。
「自己満足ではなく、誰かのため。それは、世界中の人たちが和服を着ている景色を作りたいという渡邉さんの根本にある哲学と繋がってます。だからこそ、何かをやりたいという想いを持った人たちを集めて、また機会を作ってあげたいと思っているんだと思います。僕も、東京ガールズコレクションや関西コレクションのような、有名なモデルやタレントを連れてくるショーとは別の場所があっていいと思うんですよ。きっと『伝燈LIVE』には“花仕事”の側面があるから、延暦寺の方々も共感をしてくれていると思うので」
ARTORYは現在、会社の組織再編を行なっている。大きく制作会社としての事業部、広告代理店としての事業部、システム開発としての事業部、ソリューション事業としての事業部に分かれるのですが、これまでのアートリーの仕事でいうと、『伝燈LIVE』や『YORU MO-DE(ヨルモウデ)』などの事業を担うのがソリューション事業部だ。
「プロジェクトが大きくなるほど、社会に対しても関わり合いや影響力の強いプロジェクトになることが多いと思いますので、ソリューション事業部を窓口に、広告や制作、開発も含めて包括的なご相談をいただけるかと思います。
『伝燈LIVE』を通じて、わたしたちARTORYは、挑戦することの大変さと、挑戦することの価値を知り、さらに夢が広がりました。
やっぱり、挑戦する人がいなくなったら、社会の発展はなくなってしまうんですよね。今回も、協賛で来ていた方たちのなかには、代表自らが指揮をとっている僕の姿をみて“ここまでやらなきゃいけないんだ”と再認識されて声をかけてくださった方がいました。もし、『伝燈LIVE』を観たり、この記事を読んで私たちと一緒に仕事をしてみたいと思っていただけた方がいたら、ぜひご連絡いただけるとうれしいですね」
伝燈LIVE プロジェクトレポート Part1〜7
インタビュー:「比叡山延暦寺VEDUTA COLLECTION × 伝燈LIVE」プロデューサー 佐藤丈亮(ARTORY)
文:森野広明/編集:蒲生徹郎 (ARTORY)
Part.1 伝燈LIVE プロジェクトレポート
Part.2 伝燈LIVE プロジェクトレポート
Part.3 伝燈LIVE プロジェクトレポート
Part.4 伝燈LIVE プロジェクトレポート
Part.5 伝燈LIVE プロジェクトレポート
Part.6 伝燈LIVE プロジェクトレポート
Part.7 伝燈LIVE プロジェクトレポート