目次
1.メディアで市場を作ってマーケティングする
2.人さえいれば情報を投下するだけ
3.人が集まるところがメディア
4.まとめ
マーケティングの一環として「自社メディアの運用」が注目されています。ただ、目的やメリットを理解していないとメディアの可能性を存分に引き出せません。自社で多くのメディア運営を運用しているアートリーがこれまでの経験を踏まえて「メディアでできること」を紹介します。
1.メディアで市場を作ってマーケティングする
2.人さえいれば情報を投下するだけ
3.人が集まるところがメディア
4.まとめ
蒲生:自社メディアを運用する目的を、この3、4年クライアントに説き続けています。もはや一周回って、自社メディアを運用しなくていいんじゃないかということを思ったりもするんですけど(笑)。ただ、アートリーとしては、自社メディアはやっぱりたくさん持ちたいと思っていますし、これからもいろいろな目的のために作っていきます。
基本的には、何かしらのサービスや商品を仕掛けるために、自社メディアを持つというのは有効なんですよね。自社商品を注目してもらうために、一点集中で「どうですか、どうですか」って営業をかけるよりは、市場を作る方が効率的なので。人が集まりやすい場所を作って、そこでマーケティングするっていうことが重要だと思います。例えば、お茶ばかり売っていても、そのお茶の味に対するファンしかできませんよね。しかし、お茶畑を見せることで、お茶摘みをやっているところがどんどん人気になっていって、その結果、お茶も好きになってくれるという展開を期待できる。「あそこのお茶の、あの畑でできるこのお茶おいしいよね」みたいな、とっつきやすいかたちでファンになってもらおうっていうところが、自社メディアの目的だと思います。
蒲生:他社も試行錯誤しているなかで、一歩先に出てメディアを運用するには、ユーザーに楽しんでもらうためのかたちを考えるしかない。そして、自社商品、サービスがどう絡んで最終的にファンを獲得できるかを広く考えることが大事です。もちろん資本もかかることですけれども、メディアは絶対価値になるはずなので、しっかり情熱を持って取り組むべきです。そこから他のビジネスにつながることもありますし。
メディアを展開していくってことは、単独でサービス、商品を展開するよりも、認知を集めやすいんですよね。顧客との接触機会が増えるので。メディアがあれば、世間から認知のハードルも下がるし、ファン化するハードルも下がります。だからこそ、新しいビジネスや接点が生まれやすい。メディアがあることによって、他のサービスもそこに展開するときに、長期的にはマーケティングの費用を圧縮できるんじゃないでしょうか。
さっきのお茶の例でいうと、お茶に一生懸命お金をかけてプロモーションしていて、「じゃあ次に新しくオレンジジュースを売り出そう」ってなったとき、一つひとつのプロモーション費用がかかってしまいますよね。メディアを持っていてすでに市場ができているのであれば、もうそこに情報を投下していけばいいだけです。自然と人が集まる仕組みがあって、そこに新商品を放り投げてくイメージです。ただ、どこまでいっても、「もう永久にうちはお茶だけ売る」っていうことであれば、わざわざ頑張ってメディアを作る必要もないかもしれませんけどね。よそのメディアに広告費を出し続けるのもいいかもしれなません。それでも、5年、10年経ったときに、「広告にかけてきた費用で自社メデイア作れたね」みたいになってしまうことはあるでしょうね。
蒲生:だから、自社メディアを運用する目的は、やはりいろいろな角度で、自社の伝えたいことを知ってもらいやすい、訴求しやすいっていうことです。あとは、自分が想像もしていなかったような接触のポイントを作りやすくなってくる点も重要です。しかも、商品やサービスが認知されやすくもなるし、顧客がファン化すれば関心を引き出す敷居も下がってくる。だから、いろんなメディアがあると思いますけど、YouTubeのなかのチャンネルも、一つのメディアと考えればメディアですよね。自分のホームページもそうだし、いわゆるウェブマガジンみたいなのを運用もするのもメディアですし。アートリーキッチンもアートリーのメディアの一部ですからね。あれはあれで、また面白い展開にもなってくるのかなと、わくわくしながらやっています。だから、必ずしもメディアっていうのは、テレビの中である必要もないし、インターネット上である必要もないです。「人が集まるところ」が、即ちメディアなんですよ。
自社メディアを作ることにハードルの高さを感じている企業は多いでしょう。しかし、メディアは長期的なマーケティングを可能にしてくれる場所です。「人を集める」という、ビジネスでもっとも重要なことを実現できるメディアの特色には、十分に投資の価値があるでしょう。
株式会社アートリーのマーケター。
台湾在住期間にアートリーと日台間ビジネスを立ち上げる。
帰国後、アートリーに入社し、マーケティング、ライティング、メディア運営を担当する。