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INSIDE ARTORYARTORY INTERVIEW 04

ライフスタイルに注目したマーケティング。
「もう来ている感」をどう訴えるか

蒲生 徹郎(株式会社アートリー)
インタビュー

株式会社アートリー 蒲生 徹郎


Webコンサルタントとして中小企業の販促をサポートする蒲生。情報が溢れ新しい価値観が生まれ続ける近年、従来の「年代・性別」でのターゲティングは機能しないと実感しています。そこで、これからのマーケティングに不可欠な「ライフスタイル」に注目しました。



年代ごとのターゲティングでは刺さらない


蒲生:従来のマーケティングでは、架空の人物像やペルソナをつくることから始めていました。例えば、フェイスブックを使った広告戦略を考えるときは、「何歳から何歳までの女性をターゲットにするなら、彼女たちはこういうことが好きだから、こういう志向があるよね」というように分析をします。でもこれは、条件を絞り込んでいるのではなく、逆に広くしてしまっているんです。

例えば18~25歳の女性でも、いくつものライフスタイルがあるわけです。アウトドア派の人もいれば、インドア派の方もいます。特定の年代を狙った化粧品をつくっても、刺さる人と刺さらない人がいるんです。
そこで、これからのマーケティングには求められてくるのが、ライフスタイルに対して訴求するマーケティングです。



20歳の年の差もライフスタイルが埋める


蒲生:20歳の若い社員と40歳の上司が、話が合って2人だけで飲みに行くことがあります。世代が異なっても、ライフスタイルが近いとこういうことが起きるんですね。
そもそも同じ会社というだけではなく、趣味や、休日にゴルフに行くといった休日の過ごし方など、ライフスタイルが近しいと、年齢を超えて交流が生まれるし、時にはファッションまで近しいものになります。つまり、ライフスタイルに着眼したマーケティングを展開すれば、20歳のビジネスパーソンも40歳の管理職も同時にターゲットにすることができるんです。
ブランドコンセプトをつくるときも、ライフスタイルを分析・研究することは大切なんです。どのライフスタイルをターゲットにするのか、という考え方で、その一つが、街に注目する考え方です。東京都の中でも、例えば、渋谷、六本木、新宿、表参道、銀座とか、いろいろな街があり、住んでる人たちのライフスタイルが違う。渋谷の人たちをターゲットにするのと、六本木の人たちをするのでは、ブランディングの仕方も異なります。こういったライフスタイルを考えることがブランド構築においてとても重要なんです。



株式会社アートリー 蒲生 徹郎


SNSの写真からエッセンスを抽出する


蒲生:人々のライフスタイルを追跡するには、SNSを調査することが有効だと考えています。
日本人のなかには、パリのライフスタイルや、マドリードのライフスタイルや、ロサンゼルスのライフスタイルに憧れている人がいますよね。
そこで、パリやマドリードやロサンゼルスに住んでいる人たちのインスタグラムを丹念に追い、そのなかから「ザ・ライフスタイル」の写真を探すのです。

例えば、新しいカフェを作るとき、まずは「こういうスタイルにしたい」といった漠然としたイメージづくりから始めるのですが、そのときこのザ・ライフスタイルの写真が役に立ちます。
具体的な作業としては、写真のなかにある要素を分解していきます。例えば、海が見えるとか、アロハな感じとか、大きく曲がった木とか、です。
芸能人の方のインスタでは、ライフスタイルをしっかりと出してるファッショナブルな投稿が多く見受けられます。それこそファッション雑誌のモデルなどのインスタはとても参考になります。インスタの投稿の中にライフスタイルをいろんな要素で散りばめています。マーケティングをするうえで、「○○さんのようなライフスタイルを軸に」というテーマで、ターゲットの反応を考えることがとても重要なんです。




ブームがトレンドへ、そしてライフスタイルがつくられる


蒲生:世の中にはブーム、トレンド、ライフスタイルの3つの状態があります。ライフスタイルは一気に形成されるのではなく、ブームからトレンドを経てつくられていきます。
ブームというのは、小さいさざ波みたいなものです。例えば、あるパンケーキ店が東京などで流行ったのですが、同店が日本進出した当初はまだブームのフェーズ(局面)です。
それが、たちまち色々な店がやりだすと大きな波になってトレンドになっていきます。
そのトレンドが定着すると、ライフスタイルになるわけです。
トレンドが定着してライフスタイルになったものでは、ファストファッションなどがあげられます。



株式会社アートリー 蒲生 徹郎


「もうきてる感」=「新しいライフスタイル」


蒲生:つまりマーケティングで大切なのは、「こんなにいい店があるんだよ」とPRするのではなく、「今こういうブームがきていますよ」という訴求方法なのです。
例えばブルックリンスタイルというカフェが「もう来ている」みたいな感じを演出していって、世間に対して仕掛けるっていうことが結構重要だったりするんですね。この「もう来ている感」は、新しい「ライフスタイル」になっている、というイメージを作り出せるんです。自分のPRしたいものだけではなく、他のお店や企業もそれをやっているという情報を出して、「もう来ている感」を発信するのが一つのマーケティング手法になっているんです。

こういった新しいものを仕掛けるには、インターネットや雑誌が適切です。この2つの媒体を使った情報発信では年齢などではなく、「こういうライフスタイルの人は、こういうサイト(または雑誌)を閲覧するから、こういう情報発信をしよう」という視点で考えることが重要になるんです。



株式会社アートリー 蒲生 徹郎

ユーザーのライフスタイルに注目し、ブーム、トレンド、ライフスタイルの3つ波形を理解することで、新しいマーケティングを展開することができます。上流から波に乗ることで、あなたのマーケティングは劇的に変化を遂げるかもしれません。

蒲生 徹郎

蒲生 徹郎TETURO GAMO

台湾在住期間にアートリーと日台間ビジネスを立ち上げる。帰国後、アートリーに入社し、コンサルティング、ディレクション、マーケティング、ライティングを担当する。

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