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2022.08.04 放送分
【バーチャルストア】バーチャルストアをビジネスに活用するには?
第92回アートリーアカデミア
THEME
【バーチャルストア】バーチャルストアをビジネスに活用するには?
今回のテーマは「バーチャルストア」。「実際に店内を散策しているような体験のできる3Dデータで作られたインターネット上の店舗」を言う。大手企業の中には、積極的に導入しているのだが、この先バーチャルストアは普及していくのだろうか?『VEDUTA』の渡邉仁氏を中心にアートリーアカデミアでは、どのような答えを見つけたのかをご覧ください。
TOPICS
フリップ解説
- 佐藤
- 今夜も始まりました、アートリーアカデミア。本日のテーマは「バーチャルストアをビジネスに活用するには」です。
- 井戸
- さっそくフリップを見ていきましょう。「バーチャルストア」とは、スマートフォンやタブレット端末、パソコンなどから外出することなく利用でき、「実際に店内を歩いているかのような疑似体験ができる3Dデータを活用したストア」を指します。
- 佐藤
- 徹郎さんからは何か補足はありますか?
- 蒲生
- 総称して「バーチャルストア」と呼ばれていますが、実際には「2パターンに大別」されまして。1つはフリップに挙げられているような、「バーチャル世界の中に『お店として』存在している」形式。もう1つは、「Googleマップのストリートビューなどのように3D写真を基にした画像から店内に入る」形式のものになります。
- 佐藤
- 要するに「何かしらの方法でインターネット上にあるオンラインストアの店内を移動したり、見たいところを見れる」みたいなことだよね? 形式として、「ゲームっぽいもの」と「Googleマップみたいに移動ができたり、どこかをポチポチと押すことで、画面を切り替えられるもの」とがあって……。
- 蒲生
- 実際に「ビジネスで活用されている事例」を次のフリップにまとめました。
- 井戸
- 「バーチャルストアの活用事例」ですね。『ソフトバンク』は、韓国のスマートフォン向けアプリ・『ZEPETO』に、「バーチャル携帯キャリアショップ」を開店しています。また、『コーセー』は、「実際に銀座に存在する『Maison KOSE』のバーチャルストア」をECサイト上に開設していまして、『資生堂』は、「『SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE』を銀座にオープンさせると同時に、サイト内にバーチャルストアも設置している」とのことです。
- 蒲生
- 「ソフトバンクのケース」では、『ZEPETO』という「世界に3億人ユーザーがいるゲーム形式のメタバースプラットホーム」の中で、「実際の携帯電話の契約ができる」というサービスになっています。なお、『コーセー』や『資生堂』の事例では、「ストリートビューのような3D写真」の形式となっていまして。特に「『資生堂』のケース」では、「実際の店舗と同時」に「バーチャルストアもオープンさせている」ことが特徴でしょう。
- 佐藤
- 原先生はいかがでしょうか?
- 原
- 私は、日頃は「なかなか買い物に行けなかったりする」ので、(バーチャルストアという存在については、)「すごく良いな」と思いました。中でも、お店によっては、「単に商品を眺める」だけでなく、「バーチャルモデルがいる」ことで、実際の着用状況を「360度から見られる」などの機能もあるので「自分自身でのサイズ感が分かる」ことは、「とても良いメリット」として受け止められました。また、実際に(バーチャルストアに)入店したことで、「実際のお店の雰囲気もこんな感じなんだろうな」と分かったので。ちなみに、私自身は、「どちらかというとアナログ寄り」な分、(デジタルなものであっても)「臨場感が欲しい」と思いがちなのですが、今回、(下調べを兼ねて)訪れてみたバーチャルストアは、「臨場感を得られる感じ」だったので、(バーチャルストアというもの自体に、)「すごく興味が湧き」ました。
- 佐藤
- 渡邉さんは『VEDUTA』というアパレルブランドを展開されていますけれど、ご自身としては、どのような「活用方法」をご検討中ですか?
- 渡邉
- 実は、僕もこれ(バーチャルストア)を「やりたい」と思っていて、「現在進行中」です。ちなみに、「参考にしている」のは、ファストファッション系の『ZARA』や『H&M』のサービスですね。ところで、「アパレル業界のバーチャルストア」で言えば、『バレンシアガ』が「面白い」ことをやっていまして。おそらく、(番組の)冒頭で、丈亮さんが「ゲームのような」という表現をされていましたけれど、実際に『バレンシアガ』は、『フォートナイト』というゲームと「コラボする形でバーチャルストアをやっている」んですよ。要は「『フォートナイト』内でバレンシアガの服が手に入れられる仕様になって」いて、プレーヤーは、「ゲーム内の装備」として、「バレンシアガのリュックや靴を身に纏える」そうで……。
- 佐藤
- それ(ゲーム内装備としての『バレンシアガ』)は、「アバターが身に纏うものとして」ということだよね?
- 渡邉
- そうです。「アバターに身に纏わせるための衣装として買える」んです。しかも、現実の店舗でも「『フォートナイト』とのコラボデザインの服を買える」んですよ。だから、「リアルとバーチャルでの相互コラボ」をすることや「(リアルとバーチャルの)いずれかでしか展開していない商品がある」などは面白いでしょうね。それから、高級ブランド繋がりで言えば、『グッチ』には、『グッチガーデン』というスマホアプリがありまして。実は『グッチ』は、フィレンツェの「何とか宮殿(※「メルカンツィア宮殿」!)」というところで、「グッチのショップや美術館を運営」していまして。今はこんなご時勢だから、「実際にそこ(メルカンツィア宮殿)に行くことは難しい」ですけど、この(『グッチガーデン』という)アプリを利用することで、「日本にいながら現地で買い物ができること」は、「面白いな」と思っていまして……。
- 佐藤
- 「海外ブランド」の場合、「ブランドが演出したいストーリー」などは、「実際着てもらうこと」が「前提」であったわけだけど。だけど、コロナ禍に陥った結果、「バーチャルな世界を通じて疑似的に体験してもらう」という「より高濃度の新しい体験」が「できるようになるかもしれない」だろうね。
- 渡邉
- 「バーチャルストアであることのメリット」としては、言いたいことが2つあって。まず1つ目は、先ほど原さんがおっしゃった「試着」がありますよね。実際、服には「ウエディングドレス」などのように、「試着をするだけでも時間がかかるもの」があるわけですよ。例えば、僕のブランド(『VEDUTA』)の土台となっている「着物」であれば、「帯巻く工程が大変」なんですよ。だから、仮に「着物を20着分試着しよう」とすると、現実では「おそらく1時間ぐらいかかる」ように思います。だけど、「バーチャルストア」であれば、「その場で自分の画像に当てはめて様子を見れる」ので、「時短」や「店員と客側の双方の労力削減ができる」ことも挙げられますので、そこが「リモート試着のメリット」ですね。それから、もう1つは、「ウォークスルー機能」と言われるものがありまして。例えば、入店すると「1階に表示される」のですが、「階数表示のボタンから、例えば『10階』をクリックする」と、「一瞬で10階にジャンプできる」みたいな機能なんですが。実際の店舗では、「1階から10階へ上がる」ためには、「エレベーターやエスカレーター、階段などを利用しなければならない」ところが、「一瞬で目当ての商品のところに行ける」わけですよ。例えば、「10階のSS2023(※ファッション業界用語で、「2023年の春・夏物コレクション」の意)のコーナー」のように……。
- 佐藤
- いわゆる「(ショッピング)モールのインフォメーションパネル」のようなものなのかな?
- 渡邉
- そのイメージですね。
- 佐藤
- 七菜子はどう思った?
- 久田
- 今までの話を聞く中で思っていたのは、私も「バーチャルストアは見に行ったことがありません」でしたけど、「24時間365日お店に入れる」上に、「店員もお客も疲れない」ので、(原先生と同じく)「すごく良いな」と……。
- 佐藤
- ブランドやメーカーにとっては、「テストマーケティングもしやすい」かもしれないよね。
- 渡邉
- (実際のユーザーの)「反応が見れる」分、「新作発表時に使うと効果的そう」ですよね。
- 佐藤
- 「『どんなアバターに対してどんな服がどのぐらい売れたか』みたいなデータも取れる」だろうし。あるいは「『オンラインサービス上の限定アイテム』として展開しているものがあった」として。中でも「人気なものは実製品化させます」みたいなこともできそうだよね。
- 渡邉
- 実際、この収録前の空き時間の控室で、皆さんに「『VEDUTA』の新作をご覧いただいた」わけですけど、皆さんが「手に取ったもの」と「そうではなかったもの」とがありましたよね? 実は「(商品の)人気不人気が最初に垣間見えること」は、デザイナー側からすると、「量産前にテストマーケティングができる」ので、「ありがたい」んですよね。
- 井戸
- しかも「確証のあるデータ」まで取れる!
- 蒲生
- 「クリック数やアクセス数がカウントされる」ので……。
- 渡邉
- 「確実にデータを取れ」ますよね。
- 久田
- (それまで肌感でしか分からなかったものを)「厳密に数字として出せる」わけですものね。
- 井戸
- 分かりやすく「CVR化される」わけですものね。
- 佐藤
- 言い換えれば、「良い反応を示したユーザーに向けてインビテーションを送る」みたいな「連携」もできるかもしれないよね。……そろそろ「課題に戻り」ましょうか。
TOPICS
テーマ討論
- 佐藤
- 「バーチャルストアをビジネスに活用するには」ですけれども。今回のフリップに挙がっていたように、「既にビジネスに活用している企業は多い」ように思いますが。『ソフトバンク』や『バレンシアガ』のように、「ゲーム内に出店する方法」もあれば、『コーセー』や『資生堂』のように、「『Googleマップ』のような感じで、「撮影した写真を基に自社のオウンドメディアの中に入れる」みたいなものがあることは分かったけど……。
- 佐藤
- 先生は、「ビジネス面」からはどうお考えですか?
- 原
- 「お金の面」から言えば、「店舗を持つ際にかかるコスト」は「かなり低くできそう」ですよね。
- 佐藤
- そうは言っても、「3Dで作る」場合は、「実店舗よりも高い」可能性もありそうだけど。
- 原
- 確かに、「それはある」かもしれません。
- 佐藤
- 結局、「イニシャル(コスト)は結構かかるもの」なのでね。
- 原
- 確かに「そう」ですよね。とは言え、(バーチャルストアが普及することで、)「コストのかけ方が変わる」かもしれませんからね。
- 佐藤
- そうは言っても、「何を目的に据えるかによる」だろうけどね。……「ゲームのスキームがどうなっているのか分からない」けど、おそらくは「自社のこうしたものを作ってくれ」みたいに「ゲーム会社に発注する」わけだよね?
- 原
- 確かに、「その手間はある」でしょうね。だけども、今までは「出店する」にしても、「(土)地代」や「家賃」、「人件費」などがかかっていたところが、「バーチャルストア化する」ことで、「それらを削れる」わけですよ。とは言え、「バーチャルストア化する」分、「開発費はかかる」かもしれないけれど、「ある程度初期の段階でコストをかけてしまえ」ば、あとは 「継続性の話になる」ので。だから、結局のところ、「思った以上のコストがかかることはあまりない」ように思います。要するに、「固定費の回収」を「血眼になって考えずとも出店コストを抑えられる」ことが「メリット」のようには思いますけれども……。
- 佐藤
- 「考え方にも寄る」だろうけど、言い換えれば、「セレクトショップ的な場所をプラットホームの中に作って」しまうのもありだろうね。要は、そこ(プラットフォーム内のセレクトショップ的な場所)で「個人クリエイタが『アバター向けのブランド』を展開して」いって、本当に人気が出てきたら……。……何だか「洋服の話ばかり」だけど、「それ(プラットフォーム内セレクトショップでのバズり)をきっかけに「実際のブランドを始める」みたいなことがあっても不思議ではないだろうし、むしろ「面白い」だろうね。だから、「先行的にバーチャルの中で始める」こともありかもしれないよね。そうしたら、「店舗を作るための開発費」や……。
- 原
- 「初期投資額」や「ロット数」なども「ある程度見えて」きますものね。
- 佐藤
- 言わずもがなで「そこ(必要な開発経費)も含めて」だろうし、「プロダクトをたくさんローンチしていける」だろうし。それに商う商品の種類が「洋服」などであれば、「ある程度のパターンさえあればいける」だろうからね。つまりは(商っている商品との)「相性」なのかもしれないよね。例えば、「化粧品」の場合、「アバターをメイクアップさせること」は「非常に難しい」と言いますか……。
- 井戸
- 「質感」や「香り」などが必要になるような化粧品や「香水」のような商品は「難しい」でしょうね。
- 佐藤
- 渡邉さんはバーチャルストアに関しては「すごく積極的」なようですが。「どのように活用していきたい」みたいな何かしらのアイデアありますか?
- 渡邉
- 確かに「3DCGで(バーチャルストアを)作る」となると、「かなりのコストがかかる」とは思います。だけど、「画像だけ」であれば、「思った以上に低コストでできる」ような気もします。要は「商品の画像をお客さん本人の写真に重ねるだけ」なので。あとは、「リサイズ」などの「調整をする」だけでしょうからね。……実際、この前、「伊勢丹(新宿店)でポップアップストアを開いていた(※『VEDUTA』は2022年6月29日(水)〜7月5日(火)まで、伊勢丹新宿店本館7階でポップアップストアを展開していた)時も、「広島から新幹線を使って日帰りで来られたお客様」などもいて。やはり、「遠方にお住まいの方でも気軽に来てもらう」ことは、「バーチャルストアならでは」だと思うので。そうした人たちにとっては「ありがたい」だろうなとは思います。僕としても、「わざわざ来てもらうことも手間」なので……。
- 佐藤
- ということは、「小売」……、特に「服飾」などのジャンルに関しては「結構使いやすい」のかね?
- 蒲生
- 先ほど原先生がおっしゃられたように、「人件費」や「家賃」、「装飾費用がかからない」などの「コスト面」、それから、「従業員の質を気にしなくて良くなる」からですね。「実店舗」の場合、「店員の熟練度により、受けられるサービスの質に差がある」わけですよね。だけど、「バーチャルストア化」させることで、そうした問題も「1つのコンテンツで片付けられる」わけですよ。さらには、「Z世代__いわゆるデジタルネイティブ__の方々にも向けてマーケットを広げていこう」などの施策もありまして。だから、「小売」__特に「アパレル」や「コスメ」__を中心に「導入を考える企業が増えている」わけです。
- 佐藤
- 実は、アートリーも今「バーチャルストアサービスの開発」を進めていて。……とは言え、うち(アートリー)の場合は「もう少し広範なイメージ」で「メタバースをビジネスに活用する方針」なんだけどね。だから、うち(アートリー)は「二次元(タイプのメタバース)を推して」いて。要は「アイソメトリック」という手法……、分かりやすく言うと「斜め(120°角)から見ているようなイラスト」として、「街」のような……。俺としては、「バーチャルストア単体をどうこう」と言うより、「バーチャルタウンのようなところで、バーチャルストアを展開していく」みたいなイメージを持っていて。ザックリ言うと、「地域限定のオープンワールド」みたいなものかな? だからさらに思っているのは、おそらく「実際には運営を置かなければならないだろうな」ということで。要は、「いわゆるECサイト」と「バーチャルストア」の違いは、「接客ができるかどうか」のように思っていて……。
- 井戸
- 確かに、「バーチャル(ストア)」であれば、「接客はでき」ますものね。
- 佐藤
- 言い方が悪いかもしれないけれど、「ECストア」は、「無人販売所」ようなイメージだよね。だから、「そこ(ECサイト)で接客をする」となれば、「チャットを使いながら……」みたいなイメージには陥りがちかもしれないけど。だけどその場合の体験としては、「ECサイトのページを触りながら、チャットでも話している」みたいに、「2つのものを同時操作している」感じになるから、「純粋な体験として受け止めることが案外難しかったりする」んだよね。確かに、「ECサイトを見ながら電話する」みたいなことは「あり得るかもしれない」けれど。ただし、それ(ながら作業的なECサイト)が「バーチャルストアというプラットホームになる」ことで。実際、「Googleマップみたいな感じ」では、「少し難しい」かもしれないけど。むしろ「ゲームライクな感じの3Dアバター同士」みたいな感じになれば、「目の前にはチャット中のお姉さんがいて」みたいに、「ゲームっぽい感じで接客できる」わけだよね? だから、「単純に陳列されているだけのマーケティング」から、「接客」という「セールスに繋がる行為ができること」が、「バーチャルストアのポイント」になるような気がして。
- 久田
- 要は「コーディネートの相談などもその場でできるようになる」と、「もう一歩先にいける」ということですね?
- 蒲生
- 「事前予約をすることで、『ZOOM』みたいな画面共有を介して、『どこの陳列棚に売っているか』が分かる」だけでなく、「おすすめ品の情報」なども「音声で接客してくれる」というサービスもありますね。
- 佐藤
- それは具体的には「どこの事例」ですか?
- 蒲生
- 確か『ワコール』だったか……。おそらく、「他の企業もやってはいる」ようには思いますけれど……。
- 佐藤
- それ(ワコールのバーチャルストア)は『Googleマップ』のような「写真を数珠繋ぎにしていく」タイプの……。
- 蒲生
- そうです。
- 佐藤
- 要は、「バーチャルタウン」や「バーチャルストア」であれば、「常勤の運営がバーチャルストア内に出勤する」ようなイメージでできるから。例えば、「朝10時から夜7時まで」みたいな具合で「出勤して、来訪者を接客していく」であったり。確かに、「こんにちは。いかがいたしましたでしょうか?」みたいな「定型文的なやり取り」は、「AIがあればできる」かもしれないけど。でも、「最も信頼してもらえる可能性のある接客」としては、「接客担当の人間を投入」させて、「どういうものがお好きですか?」みたいに伺いに行くことだろうね。もしかすると、「アバター世界の場合」は、「自分が持っている服のカタログを見せる」ことで、「こういうものがお好きなんですね。では、こちらはいかがでしょうか?」みたいに……。
- 原
- 「提案も受けられる」わけですね?
- 佐藤
- 例えば「ステージみたいなところへ行って、着てみたい服を選択すると、一瞬で服が切り替わる」であったり。もちろん、「ユーザー側が手動で切り替える」でも良いけれど。要するに「 UXとして接客が体験できること」が、「ポイントにはなる」だろうね。確かに、「電話などで対応しても構わないだろうけど、「より濃厚な体験できる」だろうから……。
- 佐藤
- 渡邉さんの場合、「特にセールスがお得意」のようなので……。
- 渡邉
- 確かに、これ(バーチャルストア)がどんどん進化していくと、おそらく『スターウォーズ』のような感じの3Dホログラムで、「店員やお客さんを表示できる」みたいになるとは思いますが、「デジタル技術が進歩するほど、反比例的に現実の尊さも高まる」ような気がしていて……。実際、伊勢丹さんでポップアップストアを展開している最中に、「60代ぐらいの女性がデザインを気に入ってくださった」ようで、「明日も来ようかしら」なんて言って、「3日連続で来てくださった方」がいて。その方が「3日目に来られた時」には、「僕が一人で店番をしていた」んですけど、その方は「あちらをもらいに来たわ」なんて言いながら「差し入れまで持ってきてくれた」んです。だから、「心の交流」みたいなものは、どれほど技術が進歩しようとも、「生身の人間がいる現場でしか感じられない」ように思います。さらに言えば、「生身の人間同士の交流がある」ことで、「その人に合わせたより深い解説などもできる余地が生まれる」わけで……。例えば「電話越しに話している」時に、「もはやこれは対面で会って話したほうが早いよね」みたいに思う時がありますけれど……。だから、「バーチャルストアを活用する」としても、まずは「そのブランドの商品やサイズ感を知るために実店舗」へ行って、「そこ(実店舗)でしか味わえない空気感や世界観を感じ」た上で、2回目以降「バーチャルストアを活用していく」みたいな「利便性の使い分け」のようなことをユーザーがしていけば、「非常にスムーズな購入体験ができる」ように思いますね。
- 佐藤
- イメージとしては、「認知エンゲージメントの最大化」だよね。例えば、「伊勢丹で『VEDUTA』というポップアップの店舗が展開されているよ」みたいな情報があったとして。確か、渡邉さんも「SNSに写真をアップされていた」けれど、結局のところは、「こんな感じのお店なんだ」みたいに「情報の一部しか伝わらない」可能性もあるわけで。だけど、仮に「『VEDUTA』がバーチャルストア化された」とすると、「店内に入る」だけでも、「こんなに商品があるんだ!」というのが伝わるから。そうなれば、それだけでも「認知のきっかけとしては強化される」わけだから……。……そうは言っても、我々は「現実世界で生きている」から、最終的なゴールは「『VEDUTA』の服を購入して着てもらうこと」なんだけど。ところで、「この間鉄道系の会社さん打ち合わせをしていた時に目から鱗が落ちた話」をしたいんだけど、構わないかな? その席で提案していたそもそもの話というのは、「ある場所をバーチャルマップ化させよう」という感じの「リアルをデジタルに」みたいなアイディアだったんだけど、実際に盛り上がったのは、「バーチャルで知った上でリアルに行くほうが漏れはないよね」みたいな内容で。要は、「観光地などへ行った」時に、「ここにこんなものがあったんだ!」や「あそこの土産物屋にあんなものがあったんだ!」などの経験は、誰しも……。
- 久田
- 確かにすごくある!
- 佐藤
- この間、「浅草に行った」なんて話を聞いたけど、「全部」は「廻り切れていない」よね?
- 久田
- 「廻れない」と言うか「限界がある」ので……。
- 井戸
- (体力的にも)「疲れてしまい」ますものね。
- 佐藤
- だけど、そこ(浅草の街)がバーチャルタウン化されることで、「古典的なバラエティ番組の演出」ではないけれど、「ジャンプ1回で目的地に行ける」みたいなことも可能になるわけで。さらに、「あなたへのおすすめはここ!」みたいなナビゲーションなどがあれば……。
- 久田
- しかも「(ブック)マークまでして」おければ、「完璧」ですよね!
- 佐藤
- 「(バーチャル)タウン」という概念に落とし込まれていれば、「分かりやすい」し、仮に「バーチャルストア」だとしても、「実際には在庫がない」可能性もあり得るよね。だけど、前もって「バーチャルな空間で全てを試着できる」みたいにした上で、「実店舗に行ける」ようにできれば、「実はもっと似合うものがあったのに!」みたいな「見落としがなくなる」と言うか。そもそも「現実主体」で進めると「接客が中心になりやすい」ような気がするよね。要は、「誰がイニシアチブを握っているか」が「重要になりやすい」と言いますか……。だけど、「バーチャル空間を活用する」ことで、「事前のリサーチができるようになる」から。だから、「バーチャルストアには少なからぬ可能性がある」だろうね。要するに、本質として、「マーケティングにおける発信」と「営業におけるセールス」の中間のところの「ミックスされた体験を提供できる」ことは大きいと思う。
- 原
- そうした見方は「全然していな」かった……。だから、今までのお話を聞いていて、「むしろそうなのか」と思いまして……。
- 佐藤
- 要するに、「小売以外にも可能性がある」わけだよね。
- 久田
- 「話を聞いている時に思ったこと」を言っても良いですか? 例えば、「浅草に行きました」として、「みんながよく撮ってる写真を撮ってみたい」けれど、「どこで撮れるのか分からない」として。だけど、「ここはこの写真が撮れるフォトスポットです!」みたいな「ガイドナビが出る」のであれば、「観光するのもすごく楽だろうな」と思いまして……。
- 渡邉
- 確かに「効率的に回れそう」ですよね。
- 佐藤
- 何だか「バーチャルストアの領域から少なからず離れてきた」ような気もしなくはないけれど……。
- 井戸
- 言われてみれば、どちらかと言えば「バーチャルタウン」に寄って……。
- 佐藤
- だったら、次回は「バーチャルタウン」というテーマでやりましょうかね……。そろそろ「ソリューションを出して」いきましょう。
TOPICS
ソリューション
- 井戸
- よろしいでしょうか? お願いいたします。
- 佐藤
- 本日のソリューションはこちらです。「市場調査に活用しよう」。「自分のところをどうするか?」と言うよりは、「リサーチに使うべきだろうな」と思ったの。なぜなら、「会社や家で仕事をしている」とすると、「リサーチに行きづらいことも少なくないな」と思って。例えば、「自社の新商品を出す」にしても、(競合相手が)「どんな販売活動をしているのか?」や「(そもそも)どんな製品なのか?」、「今のトレンドは何か?」みたいなところを把握しておかなければ、「勝負をするも何もない」んだよね。要するに、「バーチャルストアが普及する」ことで、「ロスタイムの最小化」と「調査」が「両立できるようになる」わけだから。「積極的に活用していくべき」だろうね。それに上手く使えば、「よそはどんな戦略で、どういった展開を計画しているのか」を知れる可能性もあるだろうから。「消費者の視点」からすれば、「結構良い」ようには思います。ありがとうございます。
- 井戸
- ありがとうございます。
- 佐藤
- 今回のテーマは「バーチャルストア」でしたけれど。おそらく、今「課題になっているところ」は、「いかにしてユーザーに体験させるか」だろうね。「テクノロジーが進化する」ことや「今後さらに通信環境が良くなっていく」ことを踏まえると、「参入する企業も増え」て、「より高度な体験が提供される」ようになるかもしれないよね。だから、いずれは「充実した消費生活者の中で、バーチャルストアはどうやって目立っていくか」が「重要な戦略になる」かもしれないよね。
- 井戸
- ありがとうございます。来週以降の放送はこちらの通りです。次回も木曜日の夜10時にお会いしましょう。次回もお楽しみに。
- 佐藤
- 最後までご視聴ありがとうございました。さようなら。
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