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2022.06.09 放送分
【自治体DX】自治体が目指すべきDXの姿とは?
第84回アートリーアカデミア
THEME
【自治体DX】自治体が目指すべきDXの姿とは?
2022年1月、横浜市は独自の横浜DX戦略を発表し、デジタル技術の実装をデザインすることを「デジタル×デザイン」と定義し、DX推進していくと宣言をしました。4月にはデジタル統括本部にデジタル・デザイン室を新設し、次の時代を見定めた自治体DX戦略を進めていく方針です。自治体が目指すべきDXの姿とは?アートリーアカデミアでソリューションを見出します。
TOPICS
ニュースの話題
- 佐藤
- 始まりました。アートリーアカデミア。
- 井戸
- 本日のテーマはこちらです。「自治体DX。横浜市がデジタル・デザイン室を新設。デザイン思考で自治体DX。今年(2022年)1月、横浜市は独自の『横浜DX戦略』を発表し、デジタル技術の実装をデザインすることを『デジタル×デザイン』と定義し、『DXを推進していく』 ことを宣言しました。(同年)4月には、『デジタル統括本部』に『デジタル・デザイン室』を新設し、次の時代を見定めた自治体DX戦略を進めていく方針です」
- 佐藤
- 「自治体DX」ですが、まずはニュースについて(の解説をいただきましょう)。
- 蒲生
- 去年(2021年)の9月に「デジタルを活用することで国民が暮らしを豊かにしていこう」という目的から、デジタル庁が発足しましたけれども。それ(デジタル庁の発足)に伴って、「自治体単位でもDXを機能させていかなければならないよね」という理由から「各自治体がDXを推進し始めて」いて。(その中でも、)「横浜DX戦略」というものが話題になっていたことから、「今回のテーマに選んだ」次第です。
- 佐藤
- とは言え、他の自治体でも、「何かしらのDX戦略」は打ち出されているよね?
- 蒲生
- むしろ、「出さなければならない」と思います。(中央の行政機関である)「デジタル庁がDXを進めていく」わけですから、(国民としては、)「自分たちの住んでいる地域や自治体はどの程度進めているのかな?」と気になりませんか?
- 佐藤
- それを踏まえると、なぜこの「横浜DX(戦略)」は、ニュースになったの? 要は「スキームが特に優れていた」から?
- 蒲生
- (横浜DX戦略は、)「方針が結構しっかりして」いまして。資料にしても「分厚いものが作られて」いて。さらに、「横浜市長が動画でもメッセージをきちんと伝えている」などの面で「かなりリードしている」と言えます。
- 佐藤
- 詰まるところ、「やり方が良かった」わけだ。ところで、「スキーム」なりは「見れる」んだよね? ……(見れるのであれば、)何はともあれ、一度見てみましょう。
TOPICS
フリップ解説
- 井戸
- 「横浜DX戦略」の参考資料です。「デザイン思考」をベースに、その上に「4つの視点」として、「UX」、「オープンイノベーション」、「アジャイル」、「データドリブン」が提示されています。さらに、その(4つの視点)の上位に「3つのプラットフォーム」が設定されており、「戦略推進のエンジン:戦略と推進体制」、「創発・共創のスキーム:リソース集結とオープンイノベーション」、「データ連携のインフラ:安心と活力を与えるセキュアな基盤」となっています。そして頂点には、「3つのDX」として、「行政のDX:サービスの「快適」を創る」、「地域のDX みんなの「元気」を創る」、「都市のDX:まちの「魅力」を創る」が掲げられています。
- 佐藤
- (原先生は)スキームを見てどう感じましたか?
- 原
- 全体図を見ると「複雑なことを言っている」ように思うかもしれませんが、要約してしまうと「市民生活に根差したインフラの提供」でしょうね。
- 佐藤
- 渡邉さんはどうでしたか? 「DX」など、「耳馴染みのない言葉」も少なくなかったとは思われますが……。
- 渡邉
- 最初に浮かんだのが「マツコ(※タレントのマツコ・デラックス氏のこと)」でしたけれど(笑)。……冗談はさておき、「DX」とは「デジタルトランスフォーメーション」のことでしたよね?
- 佐藤
- 正解!
- 渡邉
- 「企業が先行していたことを行政が取り入れて、便利にしていくこと」は「必要」だと思うので。それ(自治体DX)を「横浜がリードする形でやっている」のであれば、(全国的に)「良いところがマネされて」いけば、「なお良い」と思います。なぜなら、「地域の集合体が『日本』という国」のはずなので。だから、「上手くいっている良い要素は積極的に取り入れていくべき」だと思います。とは言え、「水色の部分(※「4つの視点」のこと)」にある「UX」や「オープンイノベーション」、「アジャイル」のように「僕が知らない単語が多かった」ので、「(逐一)調べました」けれども……。
- 佐藤
- ところで、この「(横浜)DX戦略」は「市民に向けて出している」わけだよね? だけど、「(一般の人にとって)耳馴染みのないワードへの説明」が……。確かに、我々のような「IT(を扱う)側の人間」からすれば、「日常的に聞こえてくるワードが多い」わけだけれど。そうだとしても、「(ITを扱わない)一般人には分からない」よね?
- 井戸
- おそらく「伝わらない」でしょうね……。
- 佐藤
- もしかしなくても「何一つ伝わっていない」可能性もあるよね?
- 蒲生
- だから、この図に対して「文字だけ」でなく、「市長からのメッセージ」などでも……。
- 佐藤
- 「補足説明している」わけか。
- 蒲生
- そういうことです。
- 佐藤
- それなら「問題ない」ような気はする。
- 井戸
- (そもそもの)資料自体も「驚くほど長い」ですものね。
- 蒲生
- 確かに、この状態で見ると「少なからず難しいように感じる」でしょうけど、内容自体は「噛み砕いて説明してしまえば、結構簡単」です。
- 佐藤
- 何だかんだ言ったけれど、俺自身はこれ(横浜DX戦略)に関しては「分かりやすくてすごく良い」と思っていて。要は「基本としては『デザイン思考で考えましょう』」ということだよね? 「デザイン思考」とは「ユーザー目線に立つこと」だから。つまりは「サービスを享受する側の視点からサービスそのものを設計していくこと」が「土台になっている」わけでしょう? その上で、「4つの視点」として、「ユーザーエクスペリエンス(UX)」……要は「ユーザー体験」が挙げられていて。それから、「オープンイノベーション」は「共創」だよね。「ブラックボックスにする」のではなくて、「何かしらの強みを持っているところ同士が一緒に連携して作っていく」ということだろうね。要は「産学連携」などのことだよ。それと「アジャイル」は、「ウォーターフォール」と「対になる言葉」で。要は「1つ1つの大きなプロジェクトをまとめて動かしていく」のではなく、「少しずつリリースしていく」という感じなんだ。例えば、ソーシャルゲームなどの「α版(実用テスト目的で開発されたバージョン)」や「β版(本製品発売前の試用を目的に開発されるバージョン)」のように「アップデートが繰り返されていくもの」を思い浮かべてもらうと「分かりやすい」のかな? つまり、「リリースしたらそれで終わり」ではなく、「第2弾としてこんな機能が付きました」や「第3弾としてこの機能を加えました」みたいに、「小まめな増補改訂を加えていくこと」を指すんだ。要するに「リリースの回数は増える」けれど、「実行は早くなる」んだよね。あとは、「データドリブン」だから、「データを活用して、検証して、さらに良くしていく仕組み」もあるわけか。さらにその上に、「3つのプラットフォーム」として、「エンジン」、「スキーム」、「インフラ」が掲げられているわけだけれど。まずは「戦略推進のエンジン」……。そもそも「どういう体制なの?」という感じだけど……。「創発・共創のスキーム」は、「オープンイノベーションの上位項目」だろうとは分かるけれど……。それから「データ連携のインフラ」となっていて……。結局、「この図だけ」では「プラットフォームがどういうものか」が、「見えてこない」けれど……。
- 蒲生
- 一旦補足に入らせていただきましょう。「戦略推進のエンジン」とは、「現在26人いるDX人材」をこの先「100人まで増やすこと」らしいです。要は「戦略を推進するための人間を増やしていく」わけです。「創発・共創のスキーム」は、「大学や自治体、社会起業家などの連携を取って、アイデアを出し合っていくための定例シンポジウムを開いていく」といった……。
- 佐藤
- つまりは、「産学連携」や「オープンイノベーション化を進めていくこと」だよね? 言い換えると、「データ連携などの場を作っていく」わけだよね? 要は「シンポジウムや講演会などを開ける場所を作る」という意味の「プラットフォーム」だよね? 言うなれば、「人材のプラットフォーム」と「場のプラットフォーム」。そして、「データ連携」が「知識や知恵」の……。
- 蒲生
- それに加えて「管理をする上での『システムのオープンソース化』」という意味合いもあります。
- 佐藤
- 要するに「ソフトウェアを使っていく」ということか。それで、それら(「3つのプラットフォーム」)を完成させた暁には、「3つのDX」として、「行政」、「地域」、「都市」を「DX化させていく」わけか。おそらく、これ(3つのDX)は「ミッション」だろうね。その(ミッションの)「目的」を探っていくと、(「行政のDX」の)「サービスの「快適」を創る」は、「市民それぞれに合わせたパーソナライズ」だろうね。例えば(役所の)「窓口に行った」時に、「あなたは誰ですか?」から始まるのではなく、「パーソナライズ済の状態からスタートできる」みたいな。おそらく、「ネットから婚姻届を出せる」みたいな「脱・紙」の話と言いますか……。
- 蒲生
- (横浜DX戦略の「行政のDX」の)スローガンとしては、「あなたのいる場所が手続きの場所になる」というものが掲げられていまして……。
- 佐藤
- 要するに「申請などがスマホでもいろいろとできるようになる」わけだね? それでは「地域のDX」は何を指しているの? 内容上は「みんなの「元気」を創る」となっていますけど……。
- 蒲生
- こちらは、「地域での交流や活動にオンラインを通すことで、出会いの場をマッチングしていく」……。
- 佐藤
- こちら(地域のDX)は、「オンラインでやる」の?
- 蒲生
- 「デジタルの力を使って意見交換の場所を作ることで孤立生活者をなくそうよ」みたいな意味合いがあります。
- 佐藤
- 「都市のDX:まちの「魅力」を創る」とは?
- 蒲生
- これは「デジタルを通じて横浜の未来を作っていこう」という言わば「将来に向けた」……。
- 佐藤
- 要するに「プロモーション」みたいなことなのかな? 「未来に向けてイメージアップしていく」というか。だから、「非常に具体的」なのかな? (この「横浜DX戦略」の場合は、)「ミッションが頂点にあって、どんな役割を作ってそれを実現して、その機能をどこからの視点に注目していくか」みたいな「やり方の話」なのかな? だから、ベースとなる「思考」としては「あくまでも市民目線」なわけだよね? だから、これ(横浜DX戦略の構造図)を見て、「非常に良いな」と思ったわけで。
- 蒲生
- 他の自治体は「これ(横浜DX戦略)を参考にしていきそう」ですよね。
- 佐藤
- 他の自治体の場合は、「民間(企業)が入っていたりする」んだよね。実際、愛知県にも『日本マイクロソフト』がコンサルで入っていたり。他の都道府県では『NEC』が入っていたり。とは言え、(DXに長けた人材が)「足りていないことは当然の結末」だろうと思うけど。そもそも、自治体は「人材の確保自体が難しい有様」だから。それでも「DXを掲げる」時点で、「IT人材の確保」は「至上命題」だろうね。
- 蒲生
- 今や「農林水産省がビズリーチでDX人材を募集している時代」ですからね。
- 佐藤
- 渡邉さんは、ここまでの解説を聞いていてご理解いただけましたか?
- 渡邉
- 実体験に基づく話がしていけそうなので、していきます。昨今のコロナ禍を受けて、アパレル業界も「展示会ができなくなる」などの苦境に立たされましたけれども。とは言え、その中で、以前出演した時にテーマに上がっていた「持続化給付金」がありましたけれど。実際、あれ(持続化給付金)は「マイページを作る」だけで、「申請がものすごく楽になった」んですよ。要は「ネットでできるから、役所に行って、窓口に並ばなくてもできる」ことが「すごく便利」だったので、「どんどん活用していって欲しい」と思いました。……話は変わりますが、僕は26〜28歳ぐらいの頃に「婚姻届」も「離婚届」も「出したことがあり」まして。どちらの時も、「役所の(窓口の)おじさんと2人で(記念)写真を撮った」んです。だけど、「離婚届出した時のほうが2人とも笑顔だった」みたいな「少し苦い思い出があり」ますけれども。あれ(離婚届の提出)も「デジタルであれば少なからず救われたかな?」みたいに思うところはありますけど。言うなれば、「(世間には)人生を豊かにするために知識がある」けれど、それ(人生を豊かにするための知識)は「満遍なく行き渡ってないから未だに不便なことが絶えない」わけで。実は僕は、「郵便局の集荷依頼時間をスマホなどから設定できること」を「最近まで知らなかった」ので……。今まで電話口で、「明日の何時に集荷をお願いします」みたいに依頼していたわけですから、「こんな便利な仕組みが整っていたのか!」と思って。今や「誰もがスマホを持っている時代」だからこそ……。
- 佐藤
- そこまで言うのであれば、「自治体は(便利なサービスを)なお一層啓発していかなければならない」だろうね。
- 渡邉
- 事実、「使いこなせたら楽」なものはたくさんありますよね。
- 佐藤
- ということは「行政はもっとインターネットなどの広告を使うべき」だよね? 日本では「行政の広告は見かけない」よね? だけど「他国であれば入っていそう」だよね? むしろ今の世の中、国によっては「行政がSNSで広告配信している」なんてことも……。
- 蒲生
- 国によっては「行政の情報しか入ってこない」場合もあります。
- 井戸
- もはや「統制されて」いる……。
- 佐藤
- 七菜子はどう思った? この「横浜DX戦略」は「非常にIT的」な構造をしているけれど……。
- 久田
- 先ほどの丈亮さんの解説が「とてつもなく分かりやすく」て。「なるほど、納得!」と思わず膝を打ってしまいました。「『市の責任でこれらをしっかりとやっていくよ』という目標を掲げてくれていること」は、「本当に先進的」と言いますか。「丸ごと取り組んでいこう」という姿勢が見えるので、「すごく良いな」と思いますね。
- 佐藤
- 「できる/できない」は置いておくにしても、鍵になる要素は「アジャイル」だと思う。「アジャイル」とは「最初の目標が100%達成できなくても柔軟に対応していきましょう」みたいな概念だから。だからまずは「ベンチマーク代わりにする当初目標」を掲げて。そこから「変化しても構わない」と思う。要は「時代や結果が変われ」ば、「やり方や目指すべき目標も変わる」はずだから。要は「最初に決めた目標や目的これだから」と固執して、「その(当初の目標や目的の)完遂を目指してしまう」と、「何が本当に大切だったか」が「分からなくなってしまう」から。だから、「デザイン思考とアジャイルが含まれている」時点で、「良いじゃん!」とすごく思って。……何だか(横浜DX戦略を)すごく褒めちぎっているけれど。そろそろ、テーマ(※「課題」のこと)に移りましょうか。
TOPICS
テーマ討論
- 佐藤
- テーマ(※「課題」のこと)を見てみましょう。
- 井戸
- 「自治体DX。課題:自治体DXで成果を出すには?」
- 佐藤
- 「自治体DXで成果を出すには?」という課題は、「広範」と言うか「漠然としているけれど……。だから、「今回のニュースの話題」から絞ると、「戦略」の話だから。(戦略に基づいて)「どのように推進・遂行して、成果(掲げたミッション)を達成できるか」というところですが、(原先生は)どう思われますか?
- 原
- 最終的には「住んでいる市民が、不自由なくやれること」がベースにはなるでしょうね。だけど「年齢層の幅」は「どうしてもある」ので、(自治体のDXの)「やり方の周知」などを「きちんとアプローチしていく」……。そのためには「デジタルだけでなく、アナログも活用させていくべきなのかな?」と思うところもありますが。
- 井戸
- 「周知のさせ方」などをね。
- 原
- その辺りが上手くできるようになると、「考えたことや進めたいこと」も「みんなに共有できるようになる」気もしますけどね。
- 佐藤
- だから、「先ほど渡邉さんが言っていたこと(※「今や誰もがスマホを持っていること」)が結構ヒントになっている」ように思っていて。前回の「クールジャパン」(※2022年6月3日放送の第83回『クールジャパン戦略』のこと)でも、「そうだった」けれど、「日本という国自身からの発信が弱い」と言うか、どういうわけか「作って終わり」で、「啓発していくことへの取り組みが非常に弱い」と言いますか……。むしろ1周回って、「『あえてやってんのかな?』みたいに思ってしまう」と言うか……。要は「情報は検索してもらえるだろう」が「前提になってしまっている」と言うべきか……。
- 井戸
- 「完全なる受け身」ですね。
- 佐藤
- だから、「行動経済学に基づいて考える」べきだよね。例えば、「仕事を終えて帰ってきました」として。そこで「『行政から何か良い情報が出てないかな?」みたいにホームページをめくるか?」と言われても……。
- 蒲生
- 「自治体DX」は、「住んでいる人たちを誰一人取り残さないやさしいDXを実現させること」が「目的のひとつ」であって。だから、「住民にデジタルの恩恵を授けるため」には「(生活の中にデジタルを)浸透させなければならない」わけですよね? 「企業DX」の場合は、「上層部が『DX!』と言えば、社員たちはそれに従って動くしかない」わけですよね? だけど、「自治体住民」の場合は、「自治体のDXの進め方に付いていけないから引っ越そう!」とはならないんですよ。そのため、「自治体が住民に歩み寄らなければ浸透しない」んです。
- 佐藤
- 「あえて改善点を出す」としたら、「誰にでも分かるようなビジョンを出していくこと」くらいだろうね。ちなみに俺は、「世界レベルのDXビジョンを体験した」ことで、「会社を興そうと思った」わけだけど。あれは、「2011年頃」の話だから、(今から遡ること)「11年前」になりますけれど。あの当時は、『Apple』や『マイクロソフト』、『IBM』などが、「10年後、20年後の社会」みたいな「プロモーションムービーを流して」いて。それで俺は「近い将来生まれてくるだろう新技術にすごく感動して、『ITをやろう!』」となったのだけど。その時に見た映像では、「ドローン」や「カーナビをタッチすると浮かび上がるAR」、あるいはいわゆる『アマゾンエコー』や『Siri』のような「スマートスピーカー」や「音声認識型バーチャルアシスタント」などが取り上げられていて。そうしたものを見て、「うわあ。これからこういう業界が強くなっていくのであれば、携わりてえ」みたいに「衝動を突き動かされた」と言うか。だから、住民に対して、「これからの街はこんな感じで良くなっていきますよ」みたいに具体例を出せなければならないのかもしれない。それこそ『トヨタ』の「ウーブンシティ」のような「ビジョンの分かりやすい映像」や愛知県で中部電力がやっている「電気の博物館」(※『でんきの科学館』のこと)のような「体験型の展示場」みたいな施設(場所)を作っても良いだろうし。「住民みんなで便利な社会や生活の実現のために協力していこうよ」や「すごく未来チックで楽しいね」みたいな目標があれば。「行政も応援してもらいやすい」だろうし、「より良い社会を作るためにちゃんと税金を納めよう」みたいになると思うから。「何か楽しくなれる仕掛け」があると良いのかな?
- 原
- 今のお話、「すごく良い」と思った。
- 佐藤
- もはや「ソリューションにしても良い」みたいな……。
- 原
- だけど、「伝えようとしなければ伝わらない」わけですよね。だから、(いかにしてDXのビジョンを伝えるかは)「すごく大事なこと」だと思います。
- 佐藤
- だから、「DXのベースにデザイン思考を置くこと」は、(俺の中では)「非常に高評価」で。なぜなら、「ユーザーはどうやって考えているのか?」を踏まえようとしているわけだから。要は「自治体DX」に限らず、「あらゆるDXの命題」は、「利用者が便利になることが前提」だから 。言ってしまえば、「利用者に知られなければ意味がない」わけで。つまりは「DXの押し付けになってはならない」わけで。だから、「DX限ら」ず、「デザイン思考は重要」だろうね。
- 渡邉
- 確かに、丈亮さんがおっしゃったように、「(DXの)押し付けになってはならない」とは思います。例えば、「ご老人層が地域の郵便局に行く」理由としては、「小包みの集荷などをお願いする」だけでなく、そこで「 仲の良い知り合いと顔を合わせて話をしたい」という方もいらっしゃるわけですよね? だから、前者(小包みの集荷依頼等)の場合であれば、僕のように「スマホ1つでできるほうが便利な人間」からすれば、「郵便局がDX化されること」は「便利になることを意味」しますけれど。逆に後者(知り合いとしゃべりたい場合)にとっては、「かえって不便になる」と言いますか……。だから、「時短を重視する人」と「地域との繋がりを重視する人」では、「何が大切か」が「結構分かれている」ように思えて。要は、「スマホを上手く使えない人」にとっては、「スマホありきのDX化」は「ストレスでしかない」でしょうから。だからこそ「(デジタルとアナログを)どの程度組み合わせていくか」のバランスは「訊ねておきたい」でしょうね。
- 佐藤
- 本当にそうだと思う。だから、「パーソナライズ」は「本当に重要になってくる」だろうと思っていて。なぜなら、「パーソナライズ」は、「一人一人に合わせたサービスを提供すること」だから。確かに現状では、役所に行くと誰もが「窓口前に並ばさせられている」わけだけど。だけど実際は、「スマホからできるような申請手続きをしたい人たち」には、「家からできる仕組みを整えてあげる」べきだよね。事実、それ(ネット申請の仕組みを整えること)だけでも「込み具合は減る」よね? そうは言っても、若い人の中にも「紙で手続きしたい人もいる」かもしれないし、高齢者であっても、「スマホが得意な人」もいるだろうから。そうしたところは「使い分け」みたいな話で共存させていくこともありだろうね。だから「サービス」にしても「フィジカルなところは、『良い意味で残していく』ことが肝心」だろうね。……「フィジカル」は「実体のあるもの」という意味で「デジタルと対になる言葉」だけれど。「デジタルが得意な人」にとっては、「サービスはデジタルで提供して欲しい」だろうけど、「フィジカルでしか対応できない人」に向けては、「フィジカルで(サービスを)提供できれば」良いよね。要するに、「何もかも全てデジタル化させる必要はない」わけで。だから、「匙加減をきっちり見極められ」れば、「非常に良い社会になる」だろうね。だから、「アジャイル型で組み込んでいくこと」は、「本当に賢いやり方だな」と思っていて。いわゆる「ウォーターフォール型」の場合、「どうしても頭でっかちになりやすい」と言いますか、「最初の目標などからブレてはいけない」みたいな発想になってしまうことが、「一番のロス」と言うか「リスク」だと思うんだよね。言いたかったこととしては、「『アジャイル』は『大雑把な考え方』」と言うか、「大枠はあるけれど、『変化することが前提』だから、深いことはそこまで考えなくて構わないや」と言いますか……。
- 原
- 詰まるところ、(「アジャイル型の思考」というのは、)「まず始めましょう」というところですか?
- 佐藤
- そんなところかな? 要は(「アジャイル型思考」は)、「今この場で、あること始めましょう。そうしたら、次はこの方法をやってみよう」みたいな意味では、「思い付きと大差ない」と思われるかもしれないけれど。だけど、「ある段階まで行った場合、何かの拍子に考えが変わるかもしれないから」というところが「考慮されている」んだよね。つまりは、「考えが変わっても構わないことが前提」だから。だから そうなると、「世代が移り変わっていく中でも、後れを取らないスピーディーな対応ができるようになっていく」と言うか……。……確か、「アジャイル」は「俊敏」という意味だと思ったけど(※正解!)。だから、「俊敏な判断でものごとや事象を作っていけること」が「必要」と言いますか。特に、現代は「テクノロジーの進化が速い世の中」だから。そうしたところから、「横浜DX(戦略)」は、「本当に秀逸だな」と思ったわけで。
- 原
- その理由は、「先を見越しているから」ですか?
- 佐藤
- 「オープンイノベーション」とまでは言わないだろうけど、「官民一体になって考えた戦略」だろうことは「伝わってくる」よね。要するに、「戦略の打ち方が絶対に『官人だけではできない』」と言うか。とは言え、「横文字だらけ」だから「説明して」。その結果、「分かった」と思うけれど。でも、(あの手の横文字だらけを)「分かる人たち」は「視座が高い」から。「ものごとを多角的に見ている」から。あの手の「専門用語めいたもの」を使うほうが「設計する上では便利」なんだよね。そうは言っても、(あの手の専門用語めいたものは、)「知識のない人たちには伝わらない」から。だけど、「違う形でも説明していた」から。だから、そこ(市民に分かりやすい説明もしていること)は、「本当に良い」と思っていて。事実、「アジャイル」なんて「センテンス(一言)で説明できてしまう」から。だけど、「『アジャイル』とは何か?」という「共通認識が形成されている状態」であれば。(「アジャイル」という単語を)言われた瞬間に、「何を指しているかが分かる」わけだから、「会話のテンポが速くなる」わけだよね。だから、(専門用語めいたカタカナ語は)「多用される」んだよ。だからこそ、「新旧」と言いますか、「デジタルとフィジカル」や「ITと非IT」のような「『二項対立』的なものを両立させていく」と言う「進化させていくこと」が「重要」なのかな? と思いました。
TOPICS
ソリューション
- 佐藤
- そろそろ、「(自治体DXで)成果を出すには?」のソリューションを出していきたいと思います。本日のソリューションはこちらです。「PRをパーソナライズ化しよう」。まずは「知ってもらう」と言いますか、「一人一人に確実に認知してもらえるように『パーソナライズされた広告』を流していこう」と。例えば、「デジタルに慣れた世代に知らしめたい」なら、「SNSで広告を流す」べきだろうし。一方で、「デジタルに不慣れな方たち」には、「テレビ番組」などを使って。(自治体のDX戦略として)「何をやっていくのか」を「地域のネットワークに出す」こともありだろうし。もしかしたら、「紙のチラシも入れていく」みたいに、「オムニチャネル的に共有していくこともありなのかな?」とも思いました。
- 井戸
- ありがとうございます。
- 佐藤
- 「自治体DX」でしたが。そもそも、「DX」自体は「国が言い出した」わけですが。きちんと「自治体レベルまで来ている」ことは、「非常に感じ」ますよね。少なからず、今後の国勢が「良くなっていく兆し」のように思いますが、(原先生は)どうですか?
- 原
- 「便利になる」と一言で表現してしまうことは「憚られる」かもしれませんが。「『生活しやすくなることを誰もが理解していける状況がようやく作れてきてる』のだろうな」とは思っていて。「すごく期待がしたいな」と言いますか、「実際に自分たちの住んでるエリアがどうなるか?」も「見ていきたい」と思います。
- 佐藤
- 要するに「楽しみだね!」ということ?
- 原
- そうですね。……すみません。あれだけしゃべったのに、要約されたら、「 一言」になってしまった……。
- 佐藤
- ありがとうございました。
- 井戸
- 次回以降の放送はこちらの通りとなっています。来週も木曜日の夜10時にお会いしましょう。次回もお楽しみに。
- 佐藤
- 最後までご視聴ありがとうございました。さよなら。
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